オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

バレエとフィギュアスケート

2014年12月09日 10時21分11秒 | バレエ
先月28日、大阪フェスティバルホールで見たボリショイバレエの「白鳥の湖」の公演の余韻がまだ残っている。
職場から帰宅して見るのはバレエのDVD.そして頭の中では「白鳥の湖」だけでなく、他のバレエ音楽が響き困った状況である。
今は亡き映画評論家・淀川長冶氏は、たいへんバレエを愛していて最後の著書「最後のサヨナラ サヨナラ サヨナラ」でこう記しています。

>5月3日、東京文化会館でボリショイバレエ「白鳥の湖」を見る。(中略)ライト、衣装、なま音楽、どれもこれも美しかった。その衣装の色彩の美しさに見とれてきった。
歌舞伎も同じこと、幕があがるとサーッと舞台の美しさが目にしみ、やがて登場の花形スターの衣装の美しさに見とれてしまう。生きているかぎり、人間はこの人間が生んだバレエや歌舞伎さらにオペラを見る必要がある。それに行けぬ人には、それこそ「映画」がある。イギリスの「赤い靴」「黒水仙」、アメリカの「巴里のアメリカ人」、そのようなミュージカルだけでなく、どの外国の一級映画にも「美」があふれている。日本も、黒澤明の「羅生門」をはじめ溝口健二、それらの名作は目にしみこむ。そして、思いやりのある人、気のつく人、やさしい人になるのだ。

淀川長冶氏は生前、あの独特な語り口が、どうしても目立っていましたが、その裏に隠された美意識の高さ、厳しさは間違いなくバレエや歌舞伎から影響を受けたものであるのは間違いないでしょう。
私自身、あと何年、生きることが出来るのか分かりませんが、生きているかぎり淀川長冶氏のような姿勢で音楽やバレエ、オペラに接していきたい。
また淀川氏は他のバレエ公演を見に行って、会場は女子の同窓会さながらで、会場で日本の男を見なかったことを嘆いている記述があります。そして、こう記している。

>男がバレエを見に行くのは恥なのか。ニューヨークでもロンドンでも、バレエの夕べはおとなでうまっている。いま私は(東京全日空ホテルの)34階というルームに住んでいる。ここで原稿を書き、ここに雑誌社の人たちに、おうちゃくだが原稿を取りにきていただいている。部屋に入ってチラと窓を見晴らして、まァ美しいと美しいという人は女の編集者だった。男は、外など見もしなかった。まァ美しいなど、アホゥが言うくらいと思っているのだろうか。

私が見に行ったボリショイバレエの公演。頭が薄くなった田舎のおっさんが一人でバレエの公演を見に行く。それも場違いのような都会の豪華なホールへである。第三者から見るとお笑い草かもしれません。私とバレエ、究極のアンマッチと受け取られるのは間違いないでしょう。
実は先月、わが社で数人のグループに分かれて接客研修があり、冒頭、リラックスするため各自、今、自分自身がハマッていることを、喋らなくてはいけなくなりませんでしたが、私は本社から私と相性が悪い人が来ていたので、とても本当のことを言えなかった。茶化されるのが目に見えていたので、当たり障りのないことを喋りました。もし、その本社の人間がいなかったら、バレエのことを喋っていたでしょう。
話が脱線しました。今回、ボリショイバレエの公演を見に行って年配の男性の姿を多く見ることが出来て安堵しました。それも私のように、一人で会場に脚を運んでいるであろう方も見受けられ、何か安心感を持つことが出来ました。ただ残念ながら若い男性の姿は、あの広い会場で見ることは出来ませんでした。
しかし考えてみると私自身も若い頃はバレエには全く興味がなかった。バレエ音楽、いやチャイコフスキーの3大バレエすらレコードやCDは1枚も持っていなかったのが現実でした。どうしても男から見ると、バレエは女性的なもの思ってしまうのかもしれません。本当は違うのですが・・・。
そんな私が一気にバレエに、のめり込んだのは、この10数年である。今や「白鳥の湖」の全曲盤CDは5組並んでいる。変われば変わるものである。
バレエの持つ美しさは、男にとって、年齢を重ねることによって、だんだんと染み込んでいくものであろうか?

さて現在、フィギュアスケートのグランプリシリーズが終わり、いよいよグランプリファイナル。
フィギュアスケートでは、よくバレエ音楽が登場しています。私がバレエを、より身近に感じることが出来るようになったのは、間違いなくフィギュアスケートの影響を大きいと言えるでしょう。
ただバレエ音楽を使ったプログラムは多いですが、単にバレエ音楽を使って滑ってみました的なプログラムが多く、本当にバレエの雰囲気を氷上で伝えてくれたプログラムは、やはり限られているように思います。
さて余談ながら、その中で、いろいろなプログラムの中でバレエの雰囲気を伝えてくれた私の大好きなプログラムを記しておきます。

・中野友加里(2005-2006年FP)ミンクス作曲「ドン・キホーテ」
・中野友加里(2006-2007年FP) プロコフィエフ作曲「シンデレラ」
・中野友加里(2008-2009年FP) アダン作曲「ジゼル」
・浅田真央 (2012-2013年FP)チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」
・本郷理華 (2014-2015年SP) アダン作曲「海賊」
そしてアイスダンス
・メリル・デイビス&チャーリー・ホワイト(2012-2013年SD) アダン作曲「ジゼル」

中野友加里さんのプログラムが3つ並びました。
私がバレエの世界に大きく脚を踏み入れることが出来たのは中野友加里さんの影響がたいへん大きい。
特に中野友加里さんが演じた「シンデレラ」を見た時の衝撃は本当に大きかった。このプロコフィエフの音楽がフィギュアスケートで演じられるとは本当に驚き、また素晴らしい演技でした。
さて今シーズンは本郷理華さんが「海賊」で素晴らしい演技を見せてくれました。今後、彼女が、どのようなプログラムに挑むのか楽しみです。


中野友加里「ドン・キホーテ」2005年NHK杯


中野友加里「シンデレラ」2007年世界選手権


中野友加里「ジゼル」2008年NHK杯


浅田真央「白鳥の湖」2012年NHK杯


本郷理華「海賊」2014年グランプリシリーズ・ロシア大会


・メリル・デイビス&チャーリー・ホワイト「ジゼル」2013年世界選手権


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