オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

四大陸選手権

2010年01月14日 15時45分13秒 | 2009-20010年シーズン
中野友加里さんが関節炎で今月末の四大陸選手権欠場というニュースが飛び込んできました。
たいへん残念ですが、早く良くなって、3月のトリノでの世界選手権には元気な姿を見せて欲しいものです。
なお、中野さんの代わりに今井遙さんが出場するとのことで、おそらくシニアの世界的な大会の出場は初めてのはず。大変だと思いますが、固くなることなく、日本フィギュアスケート界の底力を見せて欲しいものです。

名指揮者スウィトナーの思い出。

2010年01月14日 09時32分43秒 | 名演奏家の思い出
12日の夜遅く、当ブログでも書きましたが、オーストリア出身の名指揮者オットマール・スウィトナーが亡くなりました。
http://www.nhkso.or.jp/topics/pdf/Otmar_Suitner.pdf

スウィトナーはドレスデン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場の指揮者を歴任し、また我が国のNHK交響楽団の名誉指揮者で、まさに名指揮者でした。
1990年代に入って体調を崩し引退してしまったので、最円熟期の演奏を聴く事ができなかったことが、たいへん残念でした。
スウィトナーは元気な時も、たいへんな地位にいるにもかかわらず、けっしてスター指揮者ではなく、指揮振りからもうかがえるように地味な存在だったかもしれませんが、私にとって本当に大切な指揮者の一人でした。
昨年、ドレスデン国立歌劇場管弦楽団との録音を10枚のCDに収めたアルバムを入手して、やっと全て聴き終えたばかりなので、本当に言葉が出ません。
私の東京での大学生時代、彼の指揮するNHK交響楽団の演奏会には、よく通ったものです。私の過ぎ去ってしまった青春時代を彩った指揮者が、また一人、この世から去り今は本当に寂しくてたまりません。
私がスウィトナーを知ったのはクラシック音楽に目覚めた高校生の時。テレビのNHK交響楽団の放送でした。
曲目もはっきりと憶えています。ベートーヴェンの交響曲第1番と「レオノーレ」序曲、第3番でした。おそらく、まだ聴いたことが無かったベートーヴェンの最初の交響曲がどんな曲なのかという興味からだったかもしれません。第4楽章の冒頭の強奏には、たいへんな衝撃を受けました。また「レオノーレ」序曲はたいへんなドラマチックな演奏で夢中でテレビの画面に見入った事を今でも記憶しています。
また、私にモーツァルトを開眼させてくれたのもスウィトナーでした。
私は二十過ぎまでモーツァルトがたいへん苦手でした。ワーグナーやブルックナーなど分厚い響きを好んでいたいたためかもしれません。
そんな頃、ベルリン国立歌劇場管弦楽団を率いて来日して、当然、私は演奏会に脚を運びました。メインの曲のブルックナーの交響曲第7番が終り、アンコールで演奏されたのがモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲でした。早いテンポの中で、演奏している楽器の表情の一つ一つが豊かで、胸が弾んできて、そしてコーダでリズムの深い刻みを見せ始めたとき私は、たいへんな興奮を覚えました。短い曲ですがモーツァルトの音楽が、こんなに心を打つものかと、やっと知る事が出来、これ以降モーツァルトの音楽が私の耳に心に受け入ることが出来るようになりました。今では当日のブルックナーの演奏がどうだったのか、さっぱり思い出せませんが、「フィガロの結婚」序曲の演奏はしっかりと憶えています。
ですからスウィトナーは私にモーツァルトを開眼させたくれた大恩人と言えます。

スウィトナーは引退して、その名前もほとんど聞かなくなりましたが一昨年だったか、突然NHKのBS2で深夜にドキュメンタリー「父の音楽~指揮者スウィトナーの人生~」が放送され本当に驚きました。
たいへん不自由な体のようでしたがモーツァルトの交響曲39番とヨゼフ・シュトラウスのポルカ「とんぼ」の魅力を熱心に語っている姿を見て、たいへん心を打つものを感じました。
番組では長く連れ添っている奥さん以外に、これまた長い関係の愛人の方と、その間にできた息子さんも登場しましたが、スウィトナーは亡くなる時、この3人に看とめらながら、この世と別れを告げたのかなと思いを馳せるものがあります。
この番組を収録したDVDは私の大切なお宝となりました。

最後に私のお気に入りのスウィトナーの録音を紹介して、この名指揮者を偲びたいと思います。
①チャイコフスキー 「弦楽セレナード」 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(1962年)
②モーツァルト 交響曲第39番、第40番、第41番「ジュピター」 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(1973年~75年録音)
③ドヴォルザーク 交響曲第8番、第9番「新世界より」 ベルリン国立歌劇場管弦楽団 (1982年、1983年録音)
④モーツァルト 歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」(全曲) ベルリン国立歌劇場管弦楽団(1970年録音)
⑤スッペ 序曲集 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 (1970年録音)
その他、手元にドレスデンで録音したドイツ語によるモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」(全曲)のレコードがあります。この録音はCD化されたのだろうか?
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団との録音はその他忘れがたいものも多く、このコンビでの来日が一度も無かったのが残念です。さぞかし渋く、いぶし銀のような響きを聴かせてくれたでしょう。
今日は朝からスウィトナーのCDばかり聴います。今、モーツァルトの交響曲第29番が流れています。一人の音楽家が亡くなって本当に寂しく思ったのは久し振りである。
NHK交響楽団の名誉指揮者に名前を連ねた三大Sも存命なのはサヴァリッシュだけになってしまった。またサヴァリッシュも現在、引退同然で指揮台に立つことはない。
時代がどんどん流れていくのが実感するばかりである。

お断り
スウィトナーの名前の表記には一部スイトナーと表記されていることもありますが、当ブログではNHK交響楽団のHPでの表記に従っていますので、ご了承下さい。