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伊坂幸太郎 : 「陽気なギャングが地球を回す」 「ラッシュライフ」

2010年03月08日 | book & comic
群像劇を二本。
自分の中では最近ダダ嵌りしている日本人作家で、
これまでにも「死神の精度」「アヒルと鴨のコインロッカー」を読んでいる。
サラサラっと読めるのが魅力的。

■陽気なギャングが地球を回す

カバー周りのデザインが気にくわないけど、そんな事はどうでも良くなる面白さ。
複数の登場人物が織り成す群像劇となると、
映画だとSnatchやロック・ストック~を挙げるんですが、
小説で何か挙げろとなると、コレを挙げるしか無いよなぁとまで思えました。

以前「ハサミ男」でちょこっと触れたように、
伊坂作品のテンポの良さは(波長が合うという意味で)お気に入り。
登場人物たちは作中ではドライに映るかもしれないけど、
実際人間一人ひとりを文章で表現していきゃそんなモン。
むしろ過剰な描写が無いオカゲで、すっきりと肉抜きされてシャープにシンプルに浮かぶ人物像。
やってる事や持ってるモノは現実的じゃなくっても、
読んでて「あーたぶんこんな感じの人間なんだろうなぁ」って絵は浮かぶもんな。

自分がこの本を知った頃には、既に続編が出てるんですよね。緑の。
映画化もされてるし、書店のプッシュっぷりも今より熱かったかも。
先程挙げた二作に今回の二作、加えて「重力ピエロ」や「グラスホッパー」なんかまで、
それこそ出した作品の殆どが映画化されてるみたいだけど、
この「陽気なギャングが地球を回す」ほど映画化に向いてた作品は無いんじゃないかなぁ。
逆に目に浮かびすぎるからこそ、映画で見る必要は無いのかも知れんけどな。


■ラッシュライフ

言葉遊びから始まる。
英語だとスペルも発音も異なるんだけど、カタカナ表記だと全部「ラッシュ」だもんな。
受け取る意味合いが一般的かどうかはさておき、こういう言葉遊び、嫌いじゃありません。

カバー裏の煽りでも押されてる、歩く死体は鍵のようなオマケのような。
くんずほぐれつの群像劇目当てだし、自分の中で占める割合が薄かっただけなのかもね。
唯一ケチをつけるとしたら死体の存在なんだがなぁ。

ミステリとしての「歩く死体」を追う流れと、5つのエピソードが交差する群像劇と、
どちらを求めたかによって読後に残る風味は変わるだろうなぁ。
割合はどうであれ、死体の貢献度もあっての本作だとは思うけど、
少々フィクションに過ぎるモノだったのかもなぁと。
「アヒルと~」も国語辞典目的の強盗っていうキーワードがありましたが、
あの時もキーワードに引きずられて、イマイチ良い後味を感じなかった覚えがある。
手に取る時に惹かれこそすれど、そこまで意識する必要は無い言葉ってコトで、
今後読もうと思う方、友人家族に勧める方は御一考してみてはどうでしょう。

急かされる事も無くオフ・ビートな心地よさで読める安定感はいつも通り。
しっかし泥棒・強盗が大好きだよな。
河崎・成瀬一味・黒澤と、読んでる作品の3/4に噛んでくる。
そろそろ泥棒が出てこない作品も読んでみてもいいかなぁ、と思いつつ、
次は「オーデュボンの祈り」「チルドレン」あたりを攻めに行くかぁとも思うのですよ。