ウィトラのつぶやき

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日本共産党は変わった

2014-10-11 06:34:11 | 社会

また国会中継の話しである。先日、国会中継で辺野古問題の共産党と政府のやり取りを紹介した。その時は「共産党の議論の仕方が少し変わってきたな」と言う印象を持ったのだが、8日の大門議員の質疑でははっきり「共産党は変わった」と言う印象を持った。いくつかのポイントに付いて質問をしていたのだが、法人減税についての議論が印象的だった。

従来の共産党なら「大企業の利益になる法人税減税はけしからん」という言い方をするところだが、大門議員のポイントは「表面税率が問題では無く、雇用保険等を含めた全体のコストが問題である。国際的に減税競争をすることはお互いの首を絞めることになり、好ましくない。企業が投資するのは市場のあるところに投資するので、法人税率の投資促進効果はごくわずかである」という指摘をしている。麻生財務相はこの意見にある程度賛成し、「国際的に税率の安いところに大企業は動くようなことには歯止めをかけよう、と呼びかけている」と言うような答弁をしている。財務大臣が共産党に賛成するのを見聞きしたのは初めてである。安倍総理は減税必要と抵抗していたが分が悪い印象だった。

他にも大門議員は「アメリカは最低賃金を大胆に上げて成功している。現在さらに上げようとしている」と指摘し、政府側から「共産党がアメリカをほめるとは意外」と言うようなやり取りがあった。

大門議員の言っている内容は「最低賃金を上げろ」、「法人税減税はするな」と言う意見で従来の共産党と変わらないのであるが、理論武装が「貧しい人を助けるため」ではなく、「国全体の経済を底上げするにはこのほうが良い」という論理展開なので説得力がある。以前私はこのブログに「法人税減税には反対だ」と書いた。その時の視点は法人税減税で得られるメリットは小さく、失った税源を補うために色々手を打つことの副作用のほうが大きい、という視点で、大門議員の意見にも共感できた。自民党内部にも同様な意見の人が結構いる。

今、日本共産党がどういう方向に向かおうとしているのかを調べるために検索してみたが日本共産党のホームページは出てこなかった。党としての公式ホームページは持っていないようである。ウィキペディアで調べてみると、民主主義革命を経て社会主義に向かうとしている。民主主義革命とは資本主義の枠内で現行憲法の全条項を守り、国民主権の政治をすることであり、最終的社会主義のイメージは明確ではない。しかし、今回の国会の議論を聞いて、できるだけイデオロギーから離れて現実の生活を豊かにするにはどうするかを考え始めたのは間違いないように思う。日本共産党の発言というと、私は頭から「雑音」と決めつけていたが、もう少し聞いてみてもよさそうだと思った。但し、最終的方向性を打ち出さない限り指示はできないと思っている。最終的形態として「北欧型資本主義」を打ち出すなら、真剣に意見を聞いてみようと思っている。

ちなみに前回「弱い」と書いた女性閣僚は5人とも弱く、5人のうちで一番問題なのが松島法務大臣、一番ましなのが高市総務大臣というのが今の私の感想である。



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