今朝の新聞にNTTドコモが有機野菜の会員制宅配サービスを行う「らでぃっしゅぼーや」を買収し、傘下に収めると報じられている。
私はこのようにモバイルオペレータが小売りに参入するのは賛成である。携帯端末をコントロールできる立場にあること、携帯端末で門を購入したときの決済の仕組みを持っていることで小売業のかなり重要な資産を持っていると思うからである。
ただ、「らでぃっしゅぼーや」といういわばニッチのマーケットから入るのが良いのかどうかは多少疑問がある。記事を読むと、誰か下のほうで熱意のある人が立案し、リスクをできるだけ抑えて、仮に事業として失敗してもドコモのイメージアップにつながる、といったリスク対策を考え抜いてこの結果に落ち着いたという感じが伺える。その分、経営陣の本気の判断ではない感じがして、不安を感じる。
ただ、うまく行けば、アマゾンや楽天をライバルとして食品のネット販売、宅配事業の大手に育てようという意思があるのかどうかは疑問に感じる。こういったインターネット販売は速度の勝負である。うまく行きそうになればソフトバンクでは孫社長が自ら決断してもっと大規模に参入するだろう。そのような競争になった場合に果たしてドコモの経営陣が意思決定の速度で対抗できるのか、疑問に思う。
私はむしろ、ローソンのようなコンビニを傘下に収めるほうが良いのではないかと思っている。今回の配収ではローソンも一枚かんでいて提携するそうである。したしそれは「らでぃっしゅぼーや」を間に挟んだ提携である。やるなら買収とは行かないまでもローソンとの本格的提携をやるべきだと思う。ドコモの端末にはローソンに宅配を依頼するソフトが最初から入っている、というようになれば、ローソンの売り上げは増えるのではないか、そして決済の仕組みはドコモの持つ仕組みを使うようにする、ということで両方にメリットがあると思う。
いずれにせよ、面白い動きで今後注目していきたい。