今朝の毎日新聞の記事である。2009年の統計で900人以上ということである。こういう統計を取ったのは初めてらしく昨年の数字が無いのだが増えているのではないかと想像される。教員全体は70万人ほどいるそうなので数字的には0.13%で普通の企業と比べて多いと言えるかどうかは分からないが、全体の半分というのは多いと思われ、教育現場の荒廃を思わせる話である。
最近はあまり聞かなくなったが学級崩壊といって生徒は席につかずに授業にならない状態や、モンスターペアレントといって非常識なことを言う親がいたりして、教師に対する精神的圧力が高まっていることは容易に想像される。
私は日本の初等教育の問題点はその仕組み作りにあると思っている。具体的には教師個人の独立性が高く、組織としての動きが弱いために、問題解決能力にも大きな差がついてしまい、解決できない人は行き詰ってしまう。こういう話が出ると必ず心理カウンセラーを用意すべき、とかいう人が出てくるのだが、それでは解決しないと思う。
教育現場で問題が出た場合にはまず学校全体で取り組むべきだろう。教師個人に任せないで学校全体で取り組む体制ができている学校もあるだろうし、できていないところもあるだろうと思う。学校全体で取り組む姿勢がなければやはり問題は多くなるだろう。問題の多い学校と、少ない学校ははっきり色分けされるはずだから、問題の多い学校に対しては更にその上の教育委員会などで対策に取り組むべきだと思う。この学校間にまたがる問題解決は殆どできていないのではないかと思う。この仕組みを強化することが重要だと思っている。
社会全体を見ても、昔はパパママショップが多かったのが次第にチェーン店に置き換わっている。農協なども問題が多くどんどん合併して大規模化している。社会が変化して問題が複雑化してくると個人の能力では手に負えない面が出てくるので集団で動いてその中にいる得意な人な知識やスキルを使うことが不可欠になってくる。大規模化はこれに対処するある程度必然的な流れだと思っている。教育の現場にもこれを導入することが必要で、そのためにはいくつかの学校を合併させて分校形式にするなどが実際的には有効だと思う。
その一方で私も何度か書いたが教育の質は上がっているとは言えないだろうと思う。他の国との比較という相対関係で言えばむしろ下がっているのではないかと思っている。これは子供や、親のせいというよりも教師自身の問題が大きいと思う。このためには教員の人事評価をきちんとすることである。どこの学校にも「あの先生は良くない」と皆がが言うような先生が一人くらいは居る。こういう教員を排除して良い先生の待遇を上げる、というような仕組みを作らないと、教育現場は良くなっていかないと思う。私立学校ならこういうことができるはずで、掲題の精神障害も公立に比べて私立は少ないということがありそうに思うので、分けてデータを出してほしいものだと思う。