ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

全ての広域無線をLTEに

2013-05-31 09:21:10 | 東工大

最近、私は全ての広域無線通信方式をLTEに統一すべきだと考え、色々なところで発言している。通信だけでなく、テレビ、ラジオのような放送もLTEにすべきだと考えている。

LTEにしないのはレーダーや電波天文のような特殊用途とスイカや無線LAN、Bluetooth、ワイヤレスマイクといった短距離通信だと考えている。LTEにすべきなのは、放送、各種業務用無線、警察無線、軍用無線、消防無線、防災無線、固定無線通信、衛星通信などである。アマチュア無線もLTEにしたほうが良いと思う。

LTEは無線市場で圧倒的な規模を持つ携帯電話の世界統一方式であり、現在複数ある世界の携帯電話の通信方式は将来的には全てLTEに集約されていく。そうなると、生産規模も圧倒的で回路の低消費電力化も進み、価格的に他の方式に対する優位性がどんとん高まっていく。上に挙げた各種無線通信にはそれぞれ特別の要求条件があり、歴史的経緯もあって別の通信方式になっているのだが、今のLTEは極めて自由度が高く殆ど全ての要求条件を満足することができる。軍や警察は盗聴防止が重要であるがそれは暗号化で実現できる。業務無線ではグループ通信などが重要であるがそれもLTEで実現できる。テレビのような放送機能もLTEで実現できる。

LTE方式には周波数利用効率を高めるために様々な工夫が盛り込まれている。方式をLTEに統一すればあらゆる用途でこの工夫を利用でき、周波数不足を補うことができるし、高速サービスを提供することもできる。更に携帯電話に組み込むことが容易になり端末のコストダウンにつながる。警察官などは警察無線と携帯電話の両方を持っているが一台で共用できるようになる。

アメリカでは既にこの動きが始まっている。アメリカの警察や消防と言った公共無線はLTEに統一することを決め、現在のLTEで不足している機能を補うように標準化団体に働き掛けている。この動きには経済合理性があるので、次はヨーロッパに広がり、いずれは世界に広がっていくだろう。一般的に電波行政は変更するのに長い時間がかかる。欧米で広がってから日本に導入するのでは大きく遅れてしまう。巻き返すには、まだアメリカでも議論されていないようなことを含めて大胆に動く必要があると思っている。


インド経済はなぜ伸び悩みなのか

2013-05-30 09:01:47 | 東工大

今の世界経済の状況をみると、アメリカと日本は復活、欧州は低迷、BRICsは減速で元気の良いのは東南アジアとアフリカ、というところだろう。ラテンアメリカは良く分からない。この中で中国の減速は「世界の工場」が中国離れをしているのに加えて、一人っ子政策での高齢化が見えてきたという構造的問題であり、なかなか抜けられないだろうと思う。国民に不満がたまり国民の目をそらすために中国政府が日本に攻撃的無態度をエスカレートするのではないかと心配している。

私が不思議に思うのはインド経済がなぜもっと伸びてこないかである。人口は増えており若者は多い。そして平均所得は低い。英語が公用語である。東南アジアよりも先に伸びてきても良さそうに思うのだが「世界の工場」は中国から東南アジアに移る方向でインドはぱっとしない。最近英国エコノミスト誌がインド低迷の理由を分析した記事があったので紹介してみよう。

エコノミスト誌の分析ではインド低迷の理由は製造業が伸びてこない点にある。サービス業は伸びているのだが製造業は伸びない。なぜ製造業が伸びないかという理由には、雇用に対する厳格な規定があり、怪しげな雇用で低賃金で労働者を働かせることができない点を挙げている。従って、正規雇用者は少なく、非正規雇用ばかりになり製造業の大きな企業はできにくい、成功した製造業はインド国外に生産拠点を作る、としている。電気が水道、道路などのインフラ整備が進まないのも大きな理由だとしている。インドではサービス業、それも金持ちの家を警備するガードマンのような仕事が増えているが、これは生産的な仕事では無いのでGDPの増加にはつながりにくい、としている。

ここからは私の想像だが、インドでは製造業を低く見るような文化的背景があるのではないかと思っている。インドでソフトハウスが成功したのはインドのカースト制度でソフトウェア産業が規定されておらず、多くの優秀な若者が参入したことが理由だと聞いたことがある。製造業が伸びないのはそれと逆に低い仕事だというようなイメージがあるのではないかと想像している。

もう一つ、重要だと思う点に10年前には騒がれていたインドのソフトウェア産業の話しを最近は聞かなくなったという点がある。インドのソフトハウスは世界中からソフトウェア開発を請け負って業績を伸ばしていたのだが、そのソフトウェア開発市場そのものの伸びが鈍化してきているのではないかと思っている。いわゆるオフショアという海外のソフトの開発を請け負う事業では依然として強みを発揮しており、国際的なシェアも無視と高なっているが、オフショアブーム自体が下火になってきたという印象がある。これはソフトウェアの標準化が進んでいるからだと私は思っている。特に企業が使うソフトウェアを昔はそれぞれの企業がばらばらに開発していたものが、イージーオーダーで基本は出来合いのものにちょっと手を入れるだけになり、更に既製服でサイズに会うものを選ぶようにできあいのソフトをメニューから選んで使っていくようになる。これがクラウドの進展と共に急速に進んでいるのだろうと思っている。

以上の私の見方はデータを持っている訳ではなく、何となくそう感じているだけである。一度時間をかけてインドの産業構造を調べてみたいと思っている。


大規模修繕、終わる

2013-05-29 08:19:21 | 生活

ウィトラのオフィスが入っているすすき野団地のアパートの大規模修繕が終わった。過去のブログを調べてみると「大規模修繕始まる」という記事を書いたのが2月16日だったので3カ月余り、棟全体に幌をかぶせて、周りに足場を組んで工事の人がベランダあたりをうろうろする、という状態が続いていたのだが、それもやっと終わった。

この写真が現在のすすき野団地の姿である。外壁を塗り直し、側面にはタイルを張った。郵便受けは若干大きくなり、玄関のドアも塗り直した。大きな変化ではないが、やはり大分きれいになったと思う。工事が始まる前は他の棟の工事の様子を見ていて「ずいぶんゆっくりやっているな」と感じていたが、自分のところの工事が始まって見ると、結構いろいろやることがあり、リーズナブルだと思った。急げばもっと短縮はできるだろうが、たらだらやっている感じでは無かった。

ついでに写真をいくつかUpしておこう。

これは散歩の時に早野聖地公園で撮った竹林。筍は既に伸びきっているが、竹林には一種独特な静寂感を感じる。

これはどこかの公園で撮った花。花の名前は知らないがちょっと珍しい花だと思う。時々、この花が咲いている家の庭を見かける。

最近、ANAのマイレージを使って黒酢セットを取り寄せた。家内は「黒酢の味は嫌い」というので、ウィトラのオフィスに持ってきて少しずつ飲んでいる。普通の黒酢とラズベリー黒酢、梅黒酢がセットになっている。まず、飲みやすそうなラズベリー黒酢を牛乳で割って飲んでいる。なかなかいける味だと思う。黒酢は体に良いというが特にそれを感じてはいない。まだ飲み始めて4日ほどだが続けると何か変化が出てくるだろうか。

大規模修繕が終わったらベランダ菜園をやろうかと思って苗木を買ってきた。今はまだ自宅に置いてある。枯らしてしまうかもしれないが、収穫ができたら写真と共に紹介しようと思っている。

 


スマホのつながり易さ、統一表示方法の確立へ

2013-05-28 09:36:03 | 社会

携帯電話事業者が総務省の指導のもとでスマホのつながり易さの客観的データに基づく統一表示方法の作成に取り掛かったと報じられている。

これは、最近報じられたAUのiPhoneが今年の3月末で96%の地域でLTEが使えると謳って販売していたのに実際は14%の地域しかなく、また96%にする計画の無いことから総務省が改善命令を出したところに端を発していると思う。最近ソフトバンクがテレビで盛んに「つながり易さNo1」と宣伝しているが、これも果たして客観的データなのか私は疑っていた。「ある計測によれば」ということだと思うが、それを大々的にテレビで宣伝することはどうなのだろう、と思っていた。

今回こういう動きが出たことは歓迎すべきことだが、議論はかなり難航が予想される。アメリカでは電波を監督するFCCが前面に出て、固定網を含めた通信品質の表樹基準を策定し、実際に測定して結果を公表しようとしているが、日本の政府はこういう面では受け身で問題が出てから動く感じがする。実際、通信品質を客観的に評価するのはかなりの難事業である。

まず、電話とデータでは品質の考え方が違う。電話では「つながり易さ」と「切れにくさ」が基準になる。つながり易さとは電話をかけた時にと野くらいの確率でつながるかであり、「切れにくさ」は電話中に人が移動したことにより電話が切れてしまう確率である。電話中に切れるというのはユーザにフラストレーションが大きくできるだけ抑えなくてはならない。電話がつながらない場合も、相手が話し中の時と、ネットワークが混雑していて、電話をかけた人に話中音を返している場合とがある。

96%、とか14%とかいうのも何が96%なのかの定義の問題がある。96%とは面積ではなく、人口である。人口をカバーしていることの定義として、現在日本では役場で使えればその村全体で使えることにする、という定義が普通に使われている。96%とかいう高い数値になるとカバーされていない地域は過疎の村であり、役場をカバーしているからと言って村民全体が使えるとは限らない。一般人の感覚から言ってかなり甘い定義になっていると思う。

データに関しては最高速度と平均速度の問題がある。これまで事業者は100Mbpsとかいう最高速度をいうことが多かったが、最高速度が出ることは極めて稀で実際はそれよりかなり遅い。私が使っている感触では1Mbpsいつも出ていれば安定しているほうで、新しいWebページがなかなか出なくてイライラすることが少なくない。実態に即した速度表示をどうするかも大きな課題である。

上記はいずれも一般的な通信品質の表示に関するものだが、それに加えて今回のAUのiPhone問題のような周波数対応の問題がある。AUでは2GHz帯、1500MHz帯、800MHz帯という3つの周波数帯を持っており、800MHz帯を中心にLTEの基地局を展開していた。しかし、世界のオペレータと共通バンドになっているのは2GHz帯だけで、800,1500MHzはAU独自の周波数帯である。ぎりぎりの交渉で決まったiPhone5が2GHz帯にしか対応していなかったとしても無理からぬことである。そこでAUは急遽、2GHz帯のLTEを始めたのだが間に合わなかったというのが今回の問題である。

以前は日本では事業者が力を持っていてメーカは事業者の言われるままに端末を作っていたのでこういう問題は起きなかったのだが、AppleやSamsungのように世界市場を見て端末を作るベンダから事業者が買うということになれば、今後も特定の端末は最高速度が出ない、というようなことは起こりえる。この点も明確にすべきである。私は個人的にはAUの2GHz帯のLTEが3月末で14%しか無かった、という点よりも96%にするという計画が無いという点が引っかかった。何か事情があるのだろうが、こういった周波数利用計画も消費者にも見せるべきだろう。

難しい課題が多く、しかも議論するのが利害関係の当事者で、それぞれが自分のところを良く見せたい、という意識が強いので議論は難航が予想される。政府がもっと前に出て引っ張ったほうが良いのではないかと思っている。


九品仏から大岡山まで

2013-05-27 08:10:29 | 東工大

このところ、朝に大学に出るときは九品仏駅で降りて、浄真寺の境内を散策してから大岡山まで歩くことが多くなった。

今日もそうだが朝7時前、駅前の交番にはお巡りさんが立っている。交番の前を通って、隷書体の大きな看板のある総門をくぐると浄真寺の境内である。ここは全て造作が大きく、ちまちましていない。境内にはゆったりした間隔で樹齢数百年と思われる巨木が植えられており、小さな木はあまりない。私が入っていく時には境内からお年寄りの団体が出てきた。おそらくラジオ体操をしていたのだろう。建物も一つ一つが大きな建物になっている。フェイスブックに載せようと写真を撮ってみるのだがどうも自分の眼で感じた大きさとか、荘厳さが感じられないので止める。撮影技術の問題だろうか。

掲題を一回りして外に出て10分も歩くと自由が丘の街である。ここは浄真寺とは対照的に道が狭く、一つ一つの建物も小さい、何となく猥雑な感じだが、上品さを感じさせる街である。朝の通勤時間帯なので、駅へ歩く人と、駅まで夫を送った奥さんの車とがすれ違う。店に材料を運んでいる小型トラック見かける。典型的な朝の街の風景である。

自由が丘を過ぎると、小川を埋め立てて造ったと思われる緩やかに曲がりくねった緑道を歩く。散歩に絶好のコースで犬を連れて散歩している人が多い。今日は緑道に出たところで前のほうに私と同じくらいの年輩でワイシャツを着てリュックを背負った人を見かけた。東工大の先生だろうと思いつつ後ろから歩いていくと、いつも私が通る道とは違うところで曲がった。「これは新しい道を発見できるかもしれない」と思い、その後をついていく。「ビンゴ」。私の知らなかったキャンパスの入り口から東工大のキャンパスに入った。緑が丘駅の西側、最も自由が丘に近いあたりの入り口で、大岡山キャンパス、緑が丘地区を縦断するようなコースである。朝の7時台、キャンパス内はひっそりとしている。

キャンパス内の緑の中を10分強歩いて、オフィスに着く。全体で40分ほどの朝の散歩は気持ちが良い。


バブルの兆候をつかみ早期に抑え込みを図るべき

2013-05-24 09:26:28 | 経済

昨日の株価の変動は激しかった。日経平均が午前中に300円くらい上がったと思ったらその後急激に下がり、前日比1000円以上下げて終わった。この動きは最近の株高がバブルの前兆であることを意味していると思う。株で儲けたり損したり色々あるが過去に大きく儲けた人はその味が忘れられず、最近の株高傾向でまた始めているのだろう。最近はアジアの富豪が日本株に対する投資を増やしているらしい。

昨日の動きをみると投資銀行などのプロや一日中パソコンに張り付いて株価を見ているような人の影響が以下に大きいかが分かる。明らかにバブル的傾向である。以前、投資銀行は投機で大もうけをしてバブルがはじけた時には大損失をこうむり国に救済してもらった。まさか国がまた同じことをするとは思えないが警戒すべき状態になっていることは事実だろう。日銀が金融緩和した金はまず銀行に入る。銀行がその金をどう使うかは良く追跡しておくべきだろう。

以前私は、「投資を奨励し、投機を抑制すべき」と書いて、同じ株式売買益でも短期の利益には高い税率をかけるべき、と書いた。その気持ちは今でも変わらないが、技術的にもっと簡単な方法として株式売買に消費税をかけるのはどうだろう、と最近は思っている。一回株を買うごとに5%の消費税を取られるのでは株式市場が一気に冷え込んでしまうだろうから、0.1%くらいから徐々に調節しながらやって行ってはどうかと思う。ただし、日本だけでやらないで世界の主要市場で同時にやることが大切である。

この半年間で株で儲けた人は多く、飲み屋やタクシーに金を使う人が増えて、景気の明るさにつながっているのは事実である。しかし、投資家が過去の経験から学んでいるだけに一層バブルになり易く、早く投資して早く引く人が増える。バブルのサイクルが短期化するのは好ましいことではないと思う。実際に付加価値を生まない金儲けからは税金を取る仕組みをG20などで世界的に議論すべきであるという私の思いは前にも増して強くなってきている。


維新の会の今後

2013-05-23 15:18:30 | 社会

維新の会の勢いが無い。このところぱっとしない感じが続いていたところへ持って橋下市長の従軍慰安婦発言で大幅にイメージダウンしている。参議院選挙では敗北間違いないだろう。維新の会の中でも「しばらくは大阪で頑張ろう」という意見があるようだがそれが正解だと思う。

ところで、維新の会が政権を取って大阪は良くなったのか、あるいは良くなりつつあるのかが良く分からないので調べてみた。大阪市の財政を見る限りあまり変わっていないように思う。大阪の将来構想はでているがそれが数字として反映されてくるにはまだずいぶん時間がかかるだろう。

大阪府はどうか、橋下市長は前は大阪府知事をやっていたので大阪府のほうならばもう少し結果が出ているかもしれないと思い、大阪府の財政を調べてみた。大阪府は黒字化したといっているが実は借金を大幅に増やして収支を改善しただけで、実態は悪化しているとネットで叩かれている。確かに3-4年前から大阪府の債券発行額は大幅に増えている。2012年には自由に債券を発行できない「起債許可団体」になっている。

税収はわずかながら増えている。パナソニック、シャープ、サンヨーといったいわゆる関西家電が絶不調の中で税収が増えているのは頑張っていると思うが、借金の大幅増加はいただけない。維新の会の公約に対して大阪の人達が期待を込めて投票したのに結果はダメということになれば、維新の会の存続自体が危ぶまれるだろう。構想は良いと思うのだが地方公務員の使い方がうまく言っていないのではないだろうか。実務を担う公務員の元気を出すには構想通りに動いてみたら結果が出始めた、というのが一番である。維新の会は当面はそこの全力を尽くすべきだし、結果を出せないなら解散しても仕方がないだろうと思う。


「サイバー交番」のススメ

2013-05-22 08:53:26 | 社会

朝、散歩をしていて交番の前を通りかかると、交番の中には制服姿のお巡りさんがいる。朝、6時台で既に交番に居るのだから相当に早い出勤である。2か所の交番で朝の6時台にお巡りさんを見たので、おそらく大部分がそういった勤務体系になっているのだろう。「ご苦労さまです」と心の中で思う。その一方で「こんな朝早くから、何か起こるだろうか?」とも思う。することがない時間が長いのではないだろうか。

今日の話しは、ネット上のサーバー空間にも交番があったほうが良いのではないか、という私の提言である。最近、政府は情報セキュリティ政策会議で「サイバーセキュリティ戦略」の案を固めたと報じられている。内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)を強化すると言っている。NISCについて調べてみると数十人の専門家から成る組織で、国の戦略を作るための委員会のアレンジや省庁間の連携、外国との調整を行うハイレベルの組織で実務は行わないようである。これはこれで必要だと思うのだが私がイメージする「サイバー交番」はもっとローレベルの実務者集団である。

ネット上では日々いろんなことが起きている。役に立つ情報提供もあれば詐欺や犯罪に関わる話し、子供の教育上よろしくない話などネガティブな話も少なくない。「サーバー交番」ではネット上のお巡りさんがインターネット上を巡回して問題になりそうなことがあれば、そのサイト運営者に注意するなどして、犯罪や事故につながることを未然に防ごう、というものである。リアルの世界でも交番のお巡りさんの役目は落とし物を届けるとか道を聞くとかいった日常の話から、犯罪を予防する、といった事件を未然に防ぐところに役割があり、事件になってしまえば交番の手を離れて警察署の仕事になる。「サイバー交番」も犯罪捜査ではなく、犯罪予防を想定している。

調べてみると全国に派出所や交番は六千ほどあり、勤務者は五万人弱である。この数を若干減らしてでも千人くらいのネット上を日々巡回する組織、「サーバー交番」を作ると良いのではないかと思う。千人を五十チーム位に分けて、ゲーム、ソーシャルネットワーク、アダルト、医療、健康、教育、ネットオークション、物販・・・、などそれぞれの分野で問題になりそうな行為はないかをチェックする。国民からの苦情の受付窓口にもなる、というイメージである。お巡りさんの注意は事件では無いが何度注意しても聞かないようだと、捜査に入る場合もある、というような位置づけで、お巡りさん自身はそれほど専門家である必要はなく、普通の人の技術と、社会常識、正義感といったものを期待したい。それでもこういった仕事を五年も続けると、相当に知識がたまって就職にも苦労しないのではないかと思う。

ネットの世界は成長が早く実世界にも影響がどんどん強まっている。問題を指摘する人は多いが具体的にどうするかという話しはどうも抽象的な感じがしたり、関係者の利害関係で決まったりしている感じがする。実態を把握し、対応するしっかりした実務部隊を政府として作ったほうが良いのではないかと最近私は考えている。


飯島勲氏の北朝鮮訪問報道について

2013-05-21 07:57:25 | 社会

飯島勲内閣官房参与が北朝鮮を訪問したとして大きな話題になっている。日本政府としては極秘のつもりだったのだが北朝鮮側が画像を流して報道したので世界中が知るところとなった。但し内容については拉致問題の解決について交渉をしたということ以外に情報が流れていないので、朝鮮総連の建物売却が不調に終わったことが関連しているのではないか、など色々な憶測が流れている。日曜日の午前中の政治報道などでは色々な分析が出ていたのかもしれないが、それはハイキングをしていて見ていなかったし今のところ、私の見方と会うような意見をあまり聞かないので書いておこうと思う。

今回の飯島氏の訪朝は北朝鮮側からの働きかけだと思っている。日本側も機会を探っていたのだろうが、直接的には北朝鮮側が声をかけたのだと思う。その理由は中国の締め付けが効いてきたのだと思う。飯島氏が北朝鮮の幹部と面談しているところを流したのは中国に対する「日本と交渉しますよ」というメッセージが一番強いと思っている。内容は時間があったので結構いろんなことを話しただろうと思う。飯島氏は以前テレビで対北朝鮮対応として「締めつけるだけではだめで、締めるところと緩めるところが必要だ」というようなことを言っていたと思うので、拉致問題だけでなく、色々な話をしただろうと思う。北朝鮮にいる間はあらゆる言動が監視されているし、発言が録音されていると思わないといけないだろう。そういった環境下で個人の意見を含めてそれなりに手応えのある発言をして相手側の狙いを把握するには飯島氏は適任だったと思う。

日本にとっては力の均衡が動き始めた状況での一つの外交チャンスだと思う。マスコミは内容を詮索しようとしてあの手この手を使っているが、ここは交渉の経過を探るよりも、政府に任せてどういう結果になるかをじっくり待つべき時期だと思う。


西谷先生の退官記念講演会

2013-05-19 20:35:31 | 東工大

今日はNEC時代の先輩で今は首都大学東京の教授になっている西谷教授の退官記念講演会とパーティに行ってきた。

場所は首都大学東京の南大沢キャンパスなのだが、ハイキングで行けそうな距離に思えたので自宅から南大沢まで歩くことにした。南大沢にあるスーパー銭湯「いこいの湯」を目的地としてそこで汗を流し着替えて大学の講演会に出席することにする。

「いこいの湯」は鶴見川源流の少し先のほうだが、源流に行ってしまうと道がなさそうなので途中からコースをそれることにする。講演会は午後2時から。朝8時に家を出る。

まず、家の近くの鶴見川に出て、ここから川沿いに上流へ向かう。5年ほど前に源流まで歩いたことがある。

1時間半ほど歩いて小田急の鶴川駅の近くを通る。

更に1時間ほど歩いて、日大3校のあたりで鶴見川から分かれる。しばらく行くと遊歩道に出る。この道は尾根緑道という名前で延々と北のほうに続いている。

12時少し前に「いこいの湯」に到着。ここで1時間ほどゆっくり湯につかって、体をリフレッシュし、下着から全部着替える。1時頃に「いこいの湯」を出る。ここから30分もあれば南大沢駅前に着くと思ったのだが道を間違えて遠回りしたせいもあって、南大沢駅に着いたのは1時40分、そこから大学の会場まで10分以上かかり、会場に着いたのは2時5分前位。昼食を食べそこなった。

NECの研究所で私は無線グループ、西谷さんは信号処理グループで一緒に仕事をしたことはなかったのだが、時々回覧される報告書を見ていて「できる人だなー」と思っていた。信号処理プロセッサという新しいプロセッサを世界で初めて設計した有名人だが、実力の割には出世はあまりしなかったと思う。

その後、西谷さんは大学へ出て信号処理の研究を続けていた。定年退職だが特任教授と客員教授という肩書で首都大学東京に残るらしい。会場にはNECの昔の知り合いがたくさん来ていて懐かしかった。

運動をして、温泉に入って、懐かしい人にあって、有意義な一日だった。