最近、Amazon.comという会社に興味を持っている。いわゆるネット企業でインターネットで事業をやっている会社だが、アマゾンは他とちょっと違う側面を持っている。
アマゾンで有名なのは書籍のネット販売である。日本でも事業をやっているので専門書などをアマゾンで取り寄せた人は多いだろう。最近はキンドルという電子書籍の端末を出していて、これで小説などを読むことができる。E-inkという目に優しいディスプレイを使っていてパソコンの画面のように目が疲れない。早く日本で出してほしいものだと思っていたが、やっと今年の年末あたりに出るらしい。アメリカでは電子書籍の売り上げが紙の本を上回って本屋がどんどんつぶれているらしい。アメリカでは5年前から出ているのが日本ではなかなか出なかったのは著作権協会というか出版社との交渉が長引いたからのようである。
アマゾンが他の会社と違うのは自分で倉庫というか配送センターの大規模なものを持っていて実際の配送管理をしている点である。アマゾンは今や本に限らず色々なものを売っていて、日本では楽天が競争相手である。しかし楽天はネット上のマーケットを展開しているだけで実際の配送などは出品物を出している企業が行う。つまり楽天は昔のデパート(今でもそうかもしれないが)のようにネット上の店の「場」に対する出店料で稼いでいるのである。アマゾンは逆に企業から配送事業を請け負ったりしている。ただし、アマゾンが持っているのは倉庫で実際の配送には宅急便などを使っている。
倉庫とつながるのかどうかわからないが、郊外に大規模なコンピュータシステムを作ってそれを人に貸すクラウドサービスでもアマゾンはトップ企業である。このように実物に大規模に設備投資する点が一般のネット企業とは違っている。
アマゾンのことを調べるのにアマゾンについて書いた本をアマゾンのネット販売で買った。アマゾンはあまり自分のビジネスモデルなどを公開していないからである。しかし、この本は外れだった。ネット上で目次や一部立ち読みできる部分を読んで注文したのだが、詳しく書いてあったのは私の知りたい部分では無かった。まだ本屋でパラパラめくって買うことを決めるのに比べると精度は良くない気がする。
それでも、ネット販売は便利でこれから更に広がることは間違いないだろう。技術は進歩しており、問題点は次第に解決されていくと思う。ゆっくりなようでも10年も経つとかなり変わるのではないかと思う。その時に街の店舗数は減り、小売業はかなりダメージを受けているはずである。日本企業はそれに対する危機感が薄いような感じがしている。