私はイギリスの雑誌「Economist」を購読している。9月の初めころだったと思うが、長期的な経済を振り返った記事があった。それによると
・1980年代は皆がアメリカを追い越す国があるとすればそれは日本だ、と思っていた。日本の企業における終身雇用、社員の会社に対する高い忠誠心、細かい改善を繰り返して性能を向上させていくやり方、などがアメリカではできないものとみられていた。
・中国は政情が不安定でポテンシャルはあるもののまだまだ成長するには時間がかかる、あるいはうまくいかないかもしれない、と思われていた
・今年、中国がGDPで日本を抜くのは確実だが、日本が抜き返すと思っている人はいない。むしろ、中国は本当にアメリカを抜くかもしれない、と言う観測が強い。次に来るとしたらインドだろうと思われている。
Economistはなぜこうなったかという分析を書いていたがそれは記憶に残っていない。それほど印象的ではなかったからだが、「なぜ日本経済は勢いを失ったか」という命題は私の印象に強く残った。それを考えることによりこれからの日本に対する処方箋が見つかるような気がしたからである。
何かで、ちらっと見たのだが内閣府は2050年には日本はGDPで世界8位になるとみているそうである。GDPは人口X平均所得のようなものだから、アメリカ、中国、インドにはまず勝てないだろう。ロシアやブラジルにも抜かれるかもしれない。しかし、8位と言うことは後2カ国あるはずである。それはドイツ、フランスなのか、パキスタン、インドネシアなのか・・
人口が減ることは仕方がないとしても(これも移民を受け入れれば緩和できるはずだが)、平均年収がどんどん減るのはたまらない。これから何度かに分けて私の見方での「なぜ日本経済は勢いを失ったか」を書いてみたいと思う。