ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

イギリス・オランダの選挙制度

2009-09-30 09:11:37 | 社会
以前、衆議院選挙で投票所に行ったときに、候補者の人柄が分からないと書いた。この点、気になっていたので出張中に、オランダ人とイギリス人にどういう投票の仕方をしているのかを聞いてみた。

オランダは比例代表制だそうである。投票用紙には全候補者の名前が出ていて、政党別に分類されている。各政党内では政党内の順位の順番で名前が並んでいる。選挙民は投票したい人の名前のところにチェックを入れる。当然どこかの政党に投票していることになる。

集計は政党別に行われ比例配分で各政党の当選者の数か決まる。政党内でだれが当選するかは得票を多く集めた人の順番だそうである。従って政党内での順位が下でも、得票を多く集めれば当選できる。投票者は普通は候補者の人柄は知らないので、政党をまず選び、大抵の人はリストの中の上位5人くらいの中から適当に人を選んでチェックしているそうである。たまに有名人が出ている場合には下位でも得票を集める場合があるが普通は上位者が当選するそうである。

イギリスの場合には完全小選挙区制で選挙区の中の候補者にチェックを入れる。その場合には候補者は各政党で一人であり、その選挙区で最大の得票を集めた人だけが当選するそうである。イギリス人の人も候補者個人に関する情報はほとんどなく、政党で選んでいると言っていた。

最近ドイツで選挙があったが2大政党制ではなく3大政党制になっているようなので比例代表制のようである。メルケル首相は日本では公明党に相当するキリスト教民主同盟の出身でこれまで、民主党に相当する社会民主党と連立を組んでいたのだが、今回、その連立を解消して、自民党に相当する自由民主党と連立を組みなおすことを表明していた。そのせいか、社会民主党は議席を減らし、自由民主党は議席を増やしたそうである。

要するに、ヨーロッパでは、比例代表制にせよ、小選挙区制にせよ、選挙民は候補者を選んでいるのではなく政党を選んでいるようである。日本ではまだまだ無所属で立候補したり、落選すると「私の力が足りなかった」と反省したりして、個人を選んでいる感が強い。

日本もマニフェストが定着していくと、候補者ではなくほとんど政党で選ぶようになっていくのだろうか? ここでもマスコミの態度が大きく影響を与える気がする

海外留学

2009-09-29 12:41:36 | 昔話
NECには海外留学制度というのがあり、毎年何人かを留学生として海外に出していた。銀行などは入社2年目くらいの人を出すようだが、NECでは30歳前後の入社してひと仕事した人を出していた。

私もそれなりの年齢になった時に申し込んでみないか、と上司から声をかけられた。英会話などを積極的にやっていたので行きたがっていると思われたのだと思う。

申し込んで1981年の夏から1年間の留学が決まった。 留学先は自分で探して決める。修士の学生で行くのと、研究者として行くのとがある。

当時はボストンのMITやサンフランシスコのUCバークレイといった有名大学に行く人が多かったが、私は名前よりもできれば教授などを知っている人のところに行きたいと思っていた。

上司からは「せっかく仕事と離れるのだから、これまでとは少し違う分野を開拓してはどうか」と言われた。そこで、当時盛り上がってきていたコンピュータネットワークの分野をやってみようと思った。当時はゼロックスがイーサネットを提案したり、アメリカの軍から転用されたARPA-Netという大学間ネットワークが動き始めていた時期だった。インターネットという言葉はまだなかったと思う。

コンピュータネットワークといっても私はコンピュータにはそれほど詳しくなく、その分野は大変だと思っていたので待ち行列理論という理論を使ってネットワークの性能解析をする分野を選ぶことにした。

当時はUCLAの教授がこの分野で有名だったので、社内のこの分野の権威の人に紹介状を書いてもらって、出張の時に足を延ばして会いに行ったのだが「まあ、受け入れてやらないわけでもないが、ドクターくらいは持っていないと」というようなえらくお高くとまった感じだったので、私のほうで意欲が失せてしまった。

もう一つの、この分野で頭角を現しつつあったコロンビア大学のほうに行くと、その人は准教授だったのだが「どうぞどうぞ」という感じだった。

当時その人はコロンビア大学で新設されたコンピュータサイエンス学部に所属していたが、電気工学部にもコンピュータネットワークをやっているグループがあり、そことよく話をしている、との事だったので、コロンビア大学に行くことに決めた。

修士の学生で行くと私の技術バックグラウンドでは卒業が厳しそうだと思い、研究生で行くことにした。

コロンビア大学は政治・経済といった文科系の学部は有名だったが工学部などはそれほど有名ではなく、私が実質的にはじめてのNECからの留学生だった。私が行った後は「なかなかいいよ」と言って後輩に紹介したのでその後しばらく毎年誰かが行くことになった

囲碁名人戦 井山挑戦者二勝一敗

2009-09-28 09:19:22 | 囲碁

囲碁の名人戦7番勝負が第3局まで終えて井山挑戦者の2勝1敗になっている。

第1局で名人が勝ったことはこのブログで書いたが、その後挑戦者の井山八段が2連勝した。内容的にも第1局も井山八段が押し気味だった。第2局、第3局ともに序盤は名人がよさそうだったが、中盤でのわずかな隙をとらえて挑戦者が優位に立ちそのまま押し切った。

昨年、19歳で挑戦者になった時には、第1人者である名人を相手に良く戦っている、これは勝つかも、という感じだった。実力的にはやや名人が上の印象だったが、今年は挑戦者が強くなっていてまったく互角、ひょっとしたら挑戦者のほうが実力的にも上かもしれないという印象である。

しかし、技量伯仲、わずかなあやで勝負は揺れるので最終的にはどうなるかは分からない。いずれにせよ、現在の日本の囲碁界での最高峰の戦いである。今後も注目していきたい