最近のニュースを見ていると、政府が来年の選挙に向けてばらまきモードに入ったと感じる。消費税の軽減税率に関しては公明党が選挙目当てでゴリ押しをしている感じがしている。自民党の前の税調会長だった野田毅氏は消費税の軽減税率にも反対していたが安倍総理は軽減税率に反対する野田氏を税調会長から外してしまった。、私は野田氏に賛成だったので、総理独裁の匂いを感じて不満に思っていた。それでも、総理が『ない袖は振れぬ』と言って予算増額を拒否したと報じられた時には毅然とした態度に好感を持ったものだが、最近になって官邸から折衷案が出ていると聞くと腰砕けの印象である。
また、最近では法人税減税の話もでている。野田毅氏は『投資家は市場の将来を税率よりも重視する』と言って法人税減税にも反対でそれよりも財政赤字の改善を重視すべきという立場である。私は野田氏のこの意見にも賛成であるが、実態は法人税減税実施の方向で走りそうである。
更にTPPの結果でビジネス的に苦しくなりそうな農業関係者にも所得補償の話が出ている。何らかの形での所得補償が必要だとは思うが、その目的は競争力のない産業を延命させてみなし公務員を増やすことではなく、国際競争力強化を促すための資金とするか、国際的に勝てる見込みのない事業に関しては転職を促すための資金とすべきだと思う。私は競争力を高めるには法人化を推進することが一番良く、法人が参入しようとしない分野は集約を考えるべきだと思っているが、今の政府の動きは農家が事業を継続できるようにする延命資金を投入するように見えていて、これもばらまきだと思う。
更に、政府は補正予算を組もうとしている。これも選挙を意識したばらまき的性格の強いものになるだろう。
政治家は選挙に勝つことが最大の目的なので、国民の歓心を買うためにばらまきになることは、ある意味で当然の流れなのだが、膨大な借金が積みあがっている日本でばらまきを続けていけば破たんするのは目に見えている。今の自民党は支持率が高く、野党も弱いので、財政引き締めをやるには絶好のチャンスである。この時期に引き締めをできないならば、もう財政破綻への道を走るしかないだろうと思う。