民主党のマニフェストが出た。これを見ると民主党はアベノミクスのインフレ政策を止めてデフレ政策にしようとしているように見えるのだが、そうなのだろうか?
経済政策に的を絞ると、
・日銀に異次元緩和を止めるように要請
・公共投資を削減
・成長戦略を重視
とある。
アベノミクスの3本の矢のうち、実際に効果を生んでいる第1の矢と、第2の矢を止めて、効果が出ていない第3の矢に注力するとある。それでは民主党の成長戦略はどういうものかというと、グリーン、ライフ、農林水産業、中小企業の重視とある。それ以外はコンパクトシティ(効果が出るまでに10年かかる)、NPO税制(小さな話)で目玉とは呼べない。消費税引き上げは延期して、福祉介護を強化、原発は止めて災害対策を打つ、TPPは脱退も辞さず、そして財政健全化は行うという。原発とTPP以外は自民党と同じだが、全体的にデフレに戻そうという政策に私には見える。
アベノミクスの特徴はインフレ政策である。そしてインフレ・円安にして企業競争力を高めようというのが自民党の政策なのだが、民主党はこれを止めてデフレ政策にしようというのだろうか。成長戦略が重要で今うまくいっていないことは誰もが認めている。しかし残念ながら、それが民主党のこの政策でうまくいくとは到底思えない。
自民党は成長戦略がうまくいっていない現在、金融緩和と公共投資だけででも、強引にでもインフレを実現しようと思っていることは明らかである。インフレに誘導しようという政策が良いのか悪いのか、テレビの討論会などで徹底的に議論してほしいと思っている。
民主党は成長戦略の中核にICTを位置付けるとあり、この点には期待したいと思うが、おそらく中身は私が期待しているものとは違うだろう。民主党がデフレ政策なら争点がはっきりするのでそれでも良い。自民党側から「民主党はデフレにしたいのか」と問えば答えざるを得ないはずで、ぜひその点を選挙の争点にしてほしいものだと思っている。