ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

民主党はデフレ政策か?

2014-11-24 16:54:34 | 社会

民主党のマニフェストが出た。これを見ると民主党はアベノミクスのインフレ政策を止めてデフレ政策にしようとしているように見えるのだが、そうなのだろうか?

経済政策に的を絞ると、

・日銀に異次元緩和を止めるように要請

・公共投資を削減

・成長戦略を重視

とある。

アベノミクスの3本の矢のうち、実際に効果を生んでいる第1の矢と、第2の矢を止めて、効果が出ていない第3の矢に注力するとある。それでは民主党の成長戦略はどういうものかというと、グリーン、ライフ、農林水産業、中小企業の重視とある。それ以外はコンパクトシティ(効果が出るまでに10年かかる)、NPO税制(小さな話)で目玉とは呼べない。消費税引き上げは延期して、福祉介護を強化、原発は止めて災害対策を打つ、TPPは脱退も辞さず、そして財政健全化は行うという。原発とTPP以外は自民党と同じだが、全体的にデフレに戻そうという政策に私には見える。

アベノミクスの特徴はインフレ政策である。そしてインフレ・円安にして企業競争力を高めようというのが自民党の政策なのだが、民主党はこれを止めてデフレ政策にしようというのだろうか。成長戦略が重要で今うまくいっていないことは誰もが認めている。しかし残念ながら、それが民主党のこの政策でうまくいくとは到底思えない。

自民党は成長戦略がうまくいっていない現在、金融緩和と公共投資だけででも、強引にでもインフレを実現しようと思っていることは明らかである。インフレに誘導しようという政策が良いのか悪いのか、テレビの討論会などで徹底的に議論してほしいと思っている。

民主党は成長戦略の中核にICTを位置付けるとあり、この点には期待したいと思うが、おそらく中身は私が期待しているものとは違うだろう。民主党がデフレ政策なら争点がはっきりするのでそれでも良い。自民党側から「民主党はデフレにしたいのか」と問えば答えざるを得ないはずで、ぜひその点を選挙の争点にしてほしいものだと思っている。



総選挙後の政治をイメージすると・・

2014-11-22 06:32:01 | 社会

本当に解散が行われた。大義なき解散とはさんざん言われていて、批判されている。この解散に対する批判はどんどんやるべきだと思う。しかし、実際の選挙では一番ましな候補者に投票するしかなく、やはり自民党が勝つだろう。安倍総理も過半数が取れなければ退陣と言っているが、過半数が取れないほど自民党が減ることはないと、だれもが思っていることだろう。しかし、自民党は増える可能性は極めて低いと思う。皆がそう思っているだろう。それなのになぜ解散をするのか?

前回書いたように、9月の改造人事の失敗で女性閣僚の金の問題が取り上げられ、いやな雰囲気になってきた。それをリセットすることが安倍総理の狙いだろうと思う。本当にそうなるなら、この解散にも意味があったといえるのではないかと私は思っている。

しかし、選挙が終わって新しい体制で動き始めたときに、昨年から今年初めのような状態のもどるという期待は甘いと私は思っている。第2次安倍政権における野党はここ10年くらいで稀なほどまともで、是々非々で国会議論に応じていたと私は思っている。民主党が与党を経験した効果だと思う。それが今年の後半になって海江田氏が党首を続けるようになって民主党が劣化してきた。維新の会も、みんなの党も分裂した。野党には政権を取れる見込みはなく、批判のための政党に成り下がっていくと私は思っている。

そうすると、新任大臣のあらを探して「政治と金」だとか「SMバーに行った」だとかいうような本質的でない悪口ばかりを探す状態は続くし、むしろ悪くなるのではないかと思う。安倍総理は政策議論ができると思っているだろうが、多分そうはならないと私は思っている。従って、この解散は無駄でしかなかったということになるだろう。

政策に関していえば、安倍総理は消費税再値上げを延期したが、次回の2017年には景気条項を外して消費税を上げると言っている。これはそれまでにはアベノミクスの効果が出ていると信じているからだろう。日本の状況だけを見ればこの判断は正しいと思うが、世界の状況を見ていないのではないかと思う。リーマンショックのようなことが起これば、日本も増税どころではない状況に追い込まれることは間違いない。そのリスクとして中国経済の変調がある。中国経済の変調で世界経済が大きな落ち込みとなる可能性は結構あると思う。こうなった時こそ、増税実行前に解散をして国民の意見を聞いてほしいと思っているが、安倍総理のその度量があるかどうかは疑問だと思っている。

解散するとテレビ各社では街の声を拾って「国民の声」としてインタビューを流している。この街の声を私は全く信用していない。あれは言わせたい人の声をテレビ局が拾っているのだと思っている。探せばどんな意見でも必ず見つかるものである。あれは国民の声ではなくマスコミ各社の意見だと思って聞くことにしている。「自分の生活が苦しいので自分の分野にお金を付けてほしい」という声は情報として意味がない。こういう声が多いのは、そのメディアのレベルが低いことを示していると思っている。



沖縄の人達はなぜ翁長知事を選んだのだろう

2014-11-21 17:57:22 | 社会

世の中は衆議院の解散で大騒ぎだが、その直前に沖縄の知事選挙が行われて、普天間基地の辺野古移転に反対する翁長氏が現職の仲井間氏を破って当選した。翁長氏は「あらゆる手を使って辺野古移転を阻止する」と言っているが、沖縄の人達の気持ちが私にはどうにも理解できない。

翁長氏は普天間の完全撤去または県外移設を言っているが、これは鳩山元総理と同じである。このことは沖縄だけで決められる訳では無く、アメリカや他の県の同意も必要である。沖縄県知事よりもはるかに権限が上の総理大臣がその気になってもできなかったことを、自分たちの力でできると思っているのだろうか。結局、鳩山氏の時と同じことになり、現状維持、つまり普天間基地が長く残ることになるのは目に見えていると私には思えるのだが・・。

失敗しても言いたいことを主張できて政府の意見を変えさせることができればよい、という考えで実より名をとることを目指しているのだろうか? 辺野古に基地を作りたくない、という気持ちは理解できる、だがそれは現状維持を意味している。仮に現状が良くなくても、変えたくないという気持ちのほうが強いのだろうか、どうも私には理解できない。どうも、言葉の勢いに押されて、流されてしまったような気がしてならない。

スコットランドの独立を問う住民投票は最後のところで反対派が増えて、イギリスに留まることになった。そういった現実論がもっと日本にも根付いてほしいと思う。



解散の大義を問うべきだ

2014-11-16 17:17:46 | 社会

まだ確定ではないので書くことにためらいがあるが、安倍総理が消費税増税を先送りして、衆議院を解散するのが確実なようである。今回の解散に関しては自民党の一部や、野党からも「大義がない」という意見が出ており、マスコミでも少なくとも毎日は解散に批判的である。自分に直接利害関係のある政治家は自分に都合の良い方向で発言するのだろうが、マスコミは中立的な立場でものを見るべきで、報道各社の社説などを見てみようと思っている。

このブログにも何度か書いたが、総理が解散をちらつかせるたびにマスコミは「大義はあるのか」を問うべきである。これまで大部分のマスコミは「解散は総理の専権事項」とか言って自らの判断を避けており、今回、政治家の中でも「大義がない」という声が出て初めてマスコミの中にもそういう意見を言う人が出てきた感じがしている。日和見的で不満ではあるが、これを機会に総理が解散を言うたびに「大義はあるのか」を問うことになれば、安易に解散を言えなくなると思う。

今回の解散には明らかに大義は無い。安倍総理が9月の内閣改造に失敗して新任閣僚に問題が続出したことをうやむやにするための解散であると私は思っている。消費税増税を先送りするかどうかについては難しいところでどちらもあり得ると思う。元々、消費税の再増税は景気の動向を見て判断することになっていたので、増税を延期するからと言って解散する理由にはならない。例えば増税を延期して2017年にする法案を出し国会で否決されたらそこで解散というなら筋が通る。

野田前総理が、「選挙でどちらが勝っても国会議員の削減と消費税増税することを条件に国会を解散したのに、定数削減には手つかずで解散してうやむやにするのは約束違反だ」と怒っているがこれはもっともである。アベノミクスの賞味期限切れだろうか。

ここ何回か、日銀の追加緩和に対して批判的なことを書いてきたが、私はインフレにしようという政策自体には賛成である。最近、NHKラジオで「今回の金融緩和の最大の狙いは年金機構GPIFの動きを補うことだ」という解説を聞いて「なるほどな」と思ったところだった。

つまり、巨額の預り金を持つGIPFが資産運用を国債に偏っていたのから株式などを増やしバランスを取るようにすることを発表している。この場合、GIPFは国債を売って投資信託を買うことになる。この国債の買い手がいないと、国債の金利が上がり日本経済が混乱する可能性がある。今回の緩和は日銀が国債を買い入れることで日本国債のだぶつきを防ぐのが主目的で、投資信託を買うなどはこれに比べれば額もかなり少ない、というものである。

この考え方には納得できる。GPIFが国際偏重からバランスを取るというのも納得できるし、そこで余って出てくる国債を日銀が引き受けるというのも納得できる。ただ、第3の矢である成長戦略がうまくいかず金融緩和に頼り切ってインフレを起こすのはうまくいかないと思っている。民間(と言っても日銀などは半官半民だが)は頑張っているのに政治家やマスコミには自分の都合で動いているようで不快感を感じる。



辛いものは好きだが、辛さにも色々ある

2014-11-14 15:07:39 | 生活

私は基本的に辛いものは好きである。標準化会合で良く欧米に出張していた頃には、大抵一度はアメリカ在住のインド人の友人と一緒にインドレストランに行っていた。そこではカレーを頼むのだが私はいつも「ベリーホット」を頼んでいた。そのインド人の友人に負けないくらいに辛さに強いと言われていた。欧米のインド料理店の「ベリーホット」は辛いとはいってもそれほど辛くなく十分に楽しめるレベルの辛さである。

ところが一度、一人で入ったロンドンのインド料理店で「ベリーホット」を頼んだら、飛び上がりそうに辛いカレーが出てきたことがある。周りを見ると客はインド系の人ばかり。少し食べると汗がだらだら出てくる。店の人も、「汗をかいているね。ライスを追加しようか」と言ってくれた。」それでも、ライスを追加して水を飲みながら普通の3倍くらいの時間をかけて完食した。腸が刺激されて活発になり、その意味では良かったのだが、とても連続して食べられる感じでは無い。インド人の「辛い」はこういうレベルかと思ったが、時々思い出してまたあの辛いカレーを食べたいと思うことがある。

日本でも辛いカレーを出す店はあり、時々食べるのだが、辛さが尖っていて丸くない感じがする店が結構ある。トウガラシを入れて辛くしたような感じの辛さである。これは海外では感じたことは無かった。大岡山駅前にもインド料理店があるのだが、「辛くして」と言うと尖った辛さになるので私はあまり好きではない。最近石川台駅の近くのラシカというインド料理店で上から2番目の辛さのカレーを食べたらところ、丸みのある辛さだったので、この店には時々行こうかと思っている。

韓国料理はトウガラシの辛さである。韓国料理も私は基本的に好きなのだが、あまり辛いのは好きではない。キムチやコチジャンで辛みを補うくらいが好きである。中国の四川料理には「ラー」というトウガラシの辛さと、「マー」という山椒の辛さとがある。どちらも好きなのだが、地元でも辛いと言われるような店の物は一度はおいしいのだが続けて食べる気はしない。滞在中に一度食べればよいくらいだと思っている。ワサビの辛さも好きだが鼻に来るので大量には食べられない。

最近良いなと思うのは玉葱やネギ、大蒜などを生で食べた時のピリピリする辛さである。大根おろしの辛いのなども良い。ネギ類や大蒜は加熱すると辛みが甘みに変わる。この甘みも好きなので、自分で調理する時は、玉葱を生と野菜炒めと両方で食べることが多い。この辛さは毎日食べても飽きない辛さだと思っている。



日銀が株を買うというのは良いことなのか?

2014-11-11 10:54:28 | 経済

日銀のサプライズ金融緩和から10日ほど経過して、いろいろなコメントが出てきた。私は賛成派の意見にも反対派の意見にも違和感を感じている。今回の金融緩和で黒田総裁は投資信託の買い入れを大幅に増やすといったのと、年金機構が投資信託の保有率を増やすといったのが同時だったので株価は上がった。日銀は380億円の買い入れを年間80回行う勘定になるという。

賛成派の意見の中心は「サプライズだったので皆が慌てて円売りドル買い、株買いに走り効果があった」というものである。円が上がりすぎている、或は株価が下がりすぎて問題だ、という時期ならばこういったコメントは理解できるがそういう局面ではなかった、正確に言うと、前回書いたように、危ないところを切り抜けた感じが明確になってきた時期だっただけにこのようなコメントは当たらないと思う。こういうコメントを出すのは金融機関に努める経済アナリストと呼ばれる人たちで、株が上がれば自分の会社が儲かるからであり、輸出企業が「円安は良いことだ」というのと同じようなものだと思う。

反対派の意見の中心は「株は上がってもそれを実感できる人はごく一部である。大部分の人は物価が上がって困っている」というものである。これはアベノミクスで政府と日銀が一体となって目指している「インフレを目標にする」というのに真っ向から反対するものである。「インフレは悪だ」というなら「デフレのほうが良いのですか?」という問いかけに対する答えを持っていなくてはならない。しかし「デフレのほうが良い」という人は殆どいない。「物価が上がるのは困る」という人たちは「給料が上がらないのは困る」という言い方にするべきである。

アベノミクスの狙いはインフレに伴って給与を上げて経済を活性化することである。最低限、インフレ率だけの給与が上がれば生活者にとっては差し引きゼロなので、それでも良いと考えていると思う。インフレが定着すると、タンス預金や銀行の普通預金のお金がどんどん目減りするので、皆が塩漬けにしているお金を投資に回す、という副次効果を期待している。政府債務の価値も目減りしていくという効果もある。

仮にインフレが定着したとして、70歳代後半から80歳代の人は銀行に預金していれば自然にうまくいっていた世代だし、今更特に儲ける必要もないので投資にお金を回したりしないだろう。日本企業は大量に内部留保を持っていて異常だといわれているが、企業は回収できる見込みのある投資でないと、しないものである。成長戦略が見えない状況では投資に回さないだろう。団塊の世代はまだ若く、アベノミクスの狙い通りに預金を投資に回すと思うが、日本経済全体を動かすほどにするには不十分である。私はアベノミクスの基本的考えには賛成だが、アベノミクスの成功には企業としての成長が見えるようになる成長戦略が不可欠だと考えている。

日銀が投資信託という形で株を買うというのは証券会社に対する利益供与にはならないのだろうか。投資信託を運営している銀行や証券会社は確実にメリットを供与できる。しかし、それが一般国民にまで回るのは長い道のりである。第3の矢である成長戦略が弱いままでやたらに金融緩和を行うのは経済をゆがめてしまうと思う。


アメリカ議会選挙、民主党大敗に思う

2014-11-06 08:52:18 | 社会

アメリカ議会で民主党が大敗し上院、下院ともに共和党が過半数を占めた。アメリカの政治は停滞が予想されており、多分そうなるだろう。今回の民主党の大敗はオバマ大統領の不人気が原因だと言われている。実際、最近テレビに映るオバマ大統領は人相が悪くなったように感じているのは私だけではないだろう。これから日本のメディアはオバマのあそこが悪い、ここが悪いとオバマ叩きに走るだろう。

しかし、オバマ大統領の政策がそんなに変だったか、と私は疑問に思っている。その前のブッシュ大統領はおかしな判断が数多くあったと思うが、オバマ大統領の判断でそれほどおかしなことがあったとは、少なくとも私は思っていない。イラクから撤退して、その後でIS問題が起こってから再び空爆を始めたのは一貫性が無いと言えるが、ある意味で仕方が無いとも思う。撤退の仕方に問題があったのかもしれないが。目玉であった健康保険のオバマケアがうまく行っていないと言う話しは聞くが、これは方針が悪い訳では無く実施方法が悪いということだろう。具体的にどこが悪いのか、私は理解していない。

私はむしろ問題は共和党にある感じがしている。今の共和党は、日本で言うと政権獲得前の小沢氏に率いられた民主党のような感じがしている。つまり、政府に対するネガティブキャンペーンに徹していて建設的なことは言わない。選挙には勝ったかもしれないが、アメリカの国政を停滞させるだけになり、大統領選挙ではまた民主党のヒラリークリントンが勝つのではないかと言う気がしている。ねじれ現象は続き、アメリカの判断は出にくくなり、中東のIS問題などはますます抑えられなくなるだろう。

安倍政権はこれまで「アメリカとの密接な関係」といってアメリカの方針に従うことを方針にしてきたが、アフリカや中東の内戦等に対するアメリカの判断が出にくくなるので、アメリカよりも先に日本の判断を出す事例を作って自分で考えることを実践する良い機会になるのではないだろうか。後でアメリカが異なる判断をしたとしても、正反対ということは無いと思うので調整は可能だろう。日本政府の自立を高める機会にしてもらいたいと思っている。



ドコモは利益で挽回できるだろうか

2014-11-05 15:45:17 | 経済

上期の携帯オペレータ各社の決算が発表され、最大手のドコモが利益で3位となったと言って大きな話題となっている。通年でもドコモの利益が最下位となる見通しだという。ドコモとKDDIを比較するとAUの加入者数が4200万人、ARPUが4300円、ドコモは加入者数6300万人、ARPUが4400円である。携帯電話の収入はAUが2.17兆円、ドコモが3.33兆円となるはずで1兆円以上の売り上げの差がある。設備投資はドコモが6900億円、KDDIが5800億円でドコモのほうが多いがこの差を引いてもドコモのほうが1兆円ほど売り上げが多いのにどうして利益が少なくなるのだろうか。従業員数もKDDIとドコモは同じくらいである。

KDDIは固定のビジネスも行っているが主な利益源は携帯電話だと思っている。ドコモの運営に問題があるのだろうと思う。

その一方で、契約者数の純増では久々にドコモがトップに立った。上期の純増数ではドコモが119万、ソフトバンクが112万、KDDIが107万と接戦である。4-6月の数字ではドコモが大きく負けていたので、7-9月にドコモが頑張ったということだろう。新型iPhoneでドコモが挽回したのではないかと私は思っている。買い替えは少ないが、新規加入者が多かったということではないだろうか。

今後は加入者数純増に関してはこのような団子状態が続くのではないだろうか。ドコモが高コスト体質をどう改善するかが当面の課題だが、これまでどんどん手を広げてきて果たしてうまく行くだろうか、と言う感じがしている。



大幅株高はうれしいけれど・・・

2014-11-01 07:49:04 | 経済

昨日は朝から打ち合わせがあり、出かけていた。戻ってきてみるとものすごい株高になっていて驚いた。日銀が追加緩和を決定したからである。私の持っている株もずいぶん上がったのでうれしいことではある。しかし、このタイミングでの追加緩和はどうなのかな?と思う。

追加緩和の気持ちは良くわかる。10月に入って株価が大きく下がり景気の先行きを不安視する声が高まった。実際、ヨーロッパと中国は景気の先行きに大きなリスクを抱えている。このままだと総理も消費税の追加値上げの凍結を判断せざるを得なくなってくるのではないか、という空気が一週間前くらいまではあった。

しかし、今週に入って株価は戻してきており、アメリカもFOMCが金融緩和QE3の中止を決定した後でもアメリカの株価は上がっている。株価の下げは投機筋のゆさぶりだったと判断してよいのではないだろうか。おそらく、日銀が特に何も決定しなくても株価はジリ高になっていただろうと思う。アメリカは株安に揺さぶられなかったが日本は揺さぶられた、という気がする。

消費税判断のためには今が最適だという考えが黒田日銀総裁にはあったのだと思う。それはそれで一つの見識であるが、その一方、これからヨーロッパや中国で大きな悪材料が出た時には切れるカードは残っていない。

今の日本経済は世界経済の一部で、中心にはいない。日本から世界の好景気を発信することはできないのに対して世界の不景気は確実に日本経済に波及する。日銀の切り札は手元に残しておいた方が良かったのではないか、という気がしている。

これから円安が進むだろう。それが日本景気にどう影響するか、良い面も悪い面も出て円安の影響は微妙なところだと思う。