ウィトラのつぶやき

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日本人の平均賃金は下がっている?

2014-08-20 12:05:44 | 経済

安倍政権になって景気は回復し最近は人手不足が叫ばれていて、日系ビジネスなどは「従業員を大切にしないといけない」という特集を組んだりしている。春闘でも久々にベースアップが多くの会社で実現したし、アルバイトの時給も上がっていて人集めが難しくなっているという記事を連日のように目にする。ところが私の愛読している英国 Economist誌の記事に日本の平均賃金は下がっている、と言う記事が出た。

上の図がその切り抜きだが、ロイターの調査によると失業率の減少と共に平均賃金が下がっている様子が出ている。実態はどうなのだろうか?私はこれは数字のマジックで、それぞれの家庭で見た場合には収入金額が減っている家庭は殆ど無いはずだと持っている。それでも賃金が減っているように見えるのは新たに職を得た人の殆どが非正規雇用だからである。非正規雇用の賃金は正規雇用よりもかなり低いので平均賃金は下がってしまう、と言うのが実態である。Economist氏の記者はそれをわかって書いているようで、正規雇用と非正規雇用の賃金の差が問題だと記事の中には書いている。

しかし、今まで働いていなかった人が働き始めて収入を得るようになるので、主婦やニーとが多いとはいえ生活は楽になっているはずである。私が日本に住んでいるからこういう感覚が分かるので記事だけを呼んだ人は日本人の生活は苦しくなっているのではないかと言う誤解を生む恐れがあると思う。

このグラフは正規雇用と非正規雇用の賃金の差が大きいことを示していてそれは重要な話だがそれを指摘するならもっと直接的な表現があるだろう。記者は一般的な認識と異なるグラフを見つけて、かつ間違いではなさそうなので取り上げたのだと思うが、イギリス人の皮肉屋の一面が見えたような気がした。

 


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