ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

ユニバーサル・スタジオ

2009-06-30 02:01:37 | 生活
現在、ロサンゼルスの隣のユニバーサル・シティというところに来ている。

会議に出席するための出張だが、日曜日の午後に着いたので夜は近くのユニバーサル・スタジオに行って夕食を取ってきた。

ユニバーサルスタジオは日本でも大阪にテーマパークができたのでご存知の方が多いと思うが、映画のスタジオを後悔したようなテーマパークである。 夕方に行って入場料が$70近くするのでテーマパークには入らなかった。

テーマパークの外側に無料で入れるアトラクション街がある。東京デズニーランドの中にはお土産屋さんとレストランの続くようなアーケードがあるが、ここではテーマパークの外側にある。お土産屋が軒を連ね、あちこちで路上パフォーマンスが行われている。

面白いと思ったのはスカイダイビングのシミュレータで、良く飛行機から飛び降りて途中でパラシュートを開く光景がテレビなどで放送されているが、円筒の中でここでは下から強烈に風を吹き上げて体が空中に浮く経験をさせている。 子供がスカイダイビングの格好で中に入りインストラクターが体の向きなどを教える。なかなかできないとインストラクターが一緒になって空中に浮く。子供は空中で親に向かってVサインなどをしており、楽しそうだった。日本でも流行るのではないかと思う。

食事もおいしかった。量が多いので食べ過ぎないようにしないと・・

ここを見ている限り、ヒトはたくさん出ているし、マスクもしていない。インフルエンザも不況も関係ないような印象を受けた。多分普段の日曜日よりは空いているのだろうが

私のマイクロソフト離れ

2009-06-27 17:33:45 | 生活
私は個人ユーザーとして最近マイクロソフト離れを起こしている。

はじめはグーグルが出したGoogle Chromeというブラウザを使い始めたのがきっかけだった。それまでは当然、パソコンを買ったときについてくるIE(インターネット・イクスプローラー)を使っていた。検索にはグーグルを使っていたのでグーグルのサイトにはよく行っていたのだが、ある時そこでグーグルが新しいブラウザを作ったというニュースを見てダウンロードしてみた。

使い勝手は多少違うのだがすぐに慣れた。 普通にサイトを見るだけならばグーグルのほうが圧倒的に早い。しかし、ホームページからソフトを起動するような場合には動かない場合が多かった。そこで両方を使うようにして、ただ見るだけのサイトはグーグル、凝ったサイトに行くときはIEを使っていた。 半年ほどでグーグルはどんどん改良が進み使えないサイトも少なくなった。そこで今月に入ってデフォルト(標準)のブラウザをグーグルに切り替え、グーグルでうまくいかないときにマイクロソフトを使うようにした。 ここまで来るとあとはどんどんマイクロソフトの使用頻度が下がるだけだと思う。

メールも切り替え始めた。メールはやはりパソコンを買ったときについてきたWindows Mailを使っていたのだがやたらに速度が遅い。そこでこちらは探して、モジラのThunderbirdというメールを使い始めた。グーグルのGmailも使っているのだがやはりインターネットにつながらないと過去のものも含めて一切メールが見られないというのは不便である。そこでこちらはモジラのものを使っている。

モジラはFirefoxというブラウザも出しており、これもなかなか評判がよくシェアはグーグルよりも上らしいがこれは使っていない。 メールは仕事の上で重要な情報が入っており生命線なので簡単には切り替えられない。当面個人用のメールをThunderbirdにしている。いずれ、ブラウザ同様しだいに使用頻度が変わっていくのではないかと思う。

このように私がマイクロソフト離れを起こしているのはWindows Vistaが動作が遅いというのが大きく影響している。Windows XPからVistaに変えて急激に遅くなった。次のWindows 7ではまた早くなるらしいが、はたして自分がマイクロソフトに戻るかどうかは疑問だと思っている

初めての学会発表

2009-06-25 08:49:50 | 昔話
久しぶりに「昔話」の話題である。

会社の研究所に配属されると新しい研究をしてそれを学会で発表することが重要な仕事となる。通信の分野は私が入社したころは企業の学会発表が盛んだった。

特にアメリカのベル研究所はアメリカのNTTの研究所のような位置づけでノーベル賞を取ったような研究者を何人も抱えていて、盛んに学会で研究発表していた。 メーカーから見るとお客さんになる通信事業者が学会発表をするので、メーカーも発表して自分の会社が良い技術を持っていることをアピールするのが重要な仕事だった。

家電業界では一般消費者がお客さんであり、その人たちは学会発表には興味はないので家電業界はあまり学会活動は盛んではない。ものに作り上げて展示するというのが重要な仕事になっている。

時代は流れて、最近では通信業界では世界標準化が進んで世界標準のものを使うというのが世に中の流れになった。通信事業者が強力な研究スタッフを抱えているのは日本くらいでほとんどの先進国では通信事業者の研究所は解体してしまった。 現在は、学会活動はすっかり下火になり、その代りに標準の方式を作り上げる標準化活動が通信業界の先進技術を研究する人にとっては極めて重要になっている。

今日の話はまだ学会活動が盛んだったころの私の若き日の話である。

私が初めて論文を投稿して発表したのは入社2年目の終わり頃だったと思う。最近では学生時代から発表する人も少なくなく、当時でも1年目で発表する方がむしろ普通だった。しかし、私は理学部の物理という分野から無線通信に転身した、しかも予備知識がほとんどなく転身したので時間がかかった。

通信関係の学会は電子情報通信学会というがこの学会では春と秋(当時は春だけ)に全国大会というのをやっている。これはA3の用紙1枚に学会原稿を書いて投稿するもので審査はなく提出すれば受け入れてくれる。若い人の最初の発表はほとんどがこの学会だった。

原稿は手書きだった。私は字を書くのが苦手だったので苦労したものである。発表は質疑を入れて10分くらいが普通である。初めての学会の時には原稿も何度も先輩から直されるし、発表自体も大変緊張した。しかしこれも2度、3度と繰り返すと急速に慣れていく。英語の発表と同じである。

初めての発表の日は首都圏で大規模な交通ストが予定されていた。私は朝一番のセッションだったので時間までに会場につけるかずいぶん心配した。そこで上司に頼んで前日、発表会場(大岡山の東京工大だった)の近くの社員寮に泊まらせてもらった。

発表はOHP( Over Head Projecter)と呼ばれる、透明なフィルムの上にマジックペンで書いた図をスクリーンに投射して映しながら説明する。今はパソコンであるが当時は手書きだった。これは話しながら書きこんでいくこともできるのである意味で便利だった。

初めての学会発表はストのせいで参加者も少なくあっけなく終わってしまった。若干物足らなく感じたのを記憶している。 これを機会に学会に参加するようになったのだが、私はいつも積極的に手を挙げて質問することを心がけていた。

これはある先輩の言葉で「自分が分からないと思うことは、つまらないことでもたいてい半分くらいの人は同じようにわからないものだ。その人たちのためにもなるから疑問があればどんどん質問すべきだ」という言葉が心に残っていたからである。

質問をすると、自分の理解もぐんと深まる。また他の人の質問とその解答のやり取りを聞いていても理解は深まる。

最初は「どうしてそうなるのですか」といった類の質問が殆どだったが次第に「こういう考え方もあると思うがそれと比較してどうですか」といった話を前に進める質問ができるようになって行って学会の中でも知られるようになっていった

経済対策資金の行方

2009-06-24 09:46:13 | 経済
最近、日経新聞や日経ビジネスで「金余り」という言葉を時々目にするようになった。非常に気になる言葉である。

急激な経済の悪化を食い止めるために、世界各国政府は大規模な資金を市場に投入した。おかげで経済は底を打った感があるが、それは実は「濡れ手で粟」の不労所得が市場に大規模に出回ってミニバブルの様相を呈しているだけではないか、という話である。

オバマ大統領はグリーンニューディールとかいって省エネの研究開発あるいはビジネスに大々的に資金を投じると言われている。それは大変結構なことだと思ったのだが、どうもそれだけではなく金融機関を救うために流れた金がまたしても投機資金として動き始めているようである。

オバマ政権が投機と投資を区別していないことは間違いないようなのでありそうな話ではないかと思う。しかし、事実だとすると世界経済の回復は大きく遅れるか、あるいは変な方向に行って各国が国外からの資金流入を抑える、いわゆる保護主義貿易の方向に走りかねないと思う。

日本ではどうか?いわゆる2兆円の定額給付金は各家庭の銀行口座に振り込まれる。しかし、銀行口座の残高が数万円増えたからと言ってどれほど消費を増やすだろうか?私は消費促進の効果はほとんどないと思う。

最近の15兆円の組成予算の経済対策はどうか?これはどうも各省庁が予算の取り合いをしてそれぞれが関係する業界にばらまかれるようである。日本の予算の場合には年度内に使い切らないといけないという制約がある。これが予算の使い方を大きくゆがめていると思うのだが、今回はその点は置いておいて、実際に補正予算が使えるようになるまでに手続き的にしばらくかかり、年度内に使い切らないといけないということでモノを買うしかない、というのがほとんどだろう。

これは過剰在庫を処分するには大きな効果があるのだが、既に生産調整はかなり進んでいて在庫処分はかなり進んでいる。むしろ変な仮需要を生むのではないかと危惧している。それでも資金が投機に回るよりはましだろう。

私は、経済対策資金が企業体力の強化に有効に使われる欧米に対して、ほとんど有効性は無く、余分なものを買い込むだけに日本の対策がまずく、不況から抜け出した時には日本の国際競争力は下がっているのではないかと危惧していたが、欧米では有効な使われ方もあるがむしろマイナスになる使われ方もあり、結局のところ良い勝負ということになるのかもしれない

梅雨時、作物の成長期

2009-06-23 09:16:24 | 生活
梅雨の時期になって蒸し暑くなってきた。

幸いにして朝は雨が降っていないのでこのところ毎日歩いて通勤している。 温度はそれほど高くないのだが湿度が高いので80分も歩いていると大汗をかく。腕に玉のような汗がたまり、それを拭きながら歩いている。職場に到着するとシャワーを浴びで着替える。これでさっぱりする。職場が普通の民家であることのメリットである。

歩きながら道の両側を見ると色々な作物が身をつけており、まさに成長期である。私の歩いている鶴見川沿いの地域は農業保全地区なので畑がたくさんある。

トマトはもうかなりの大きさの実をつけているし、トウモロコシも大きくなってきた。カボチャも花から実をつけてきているし、なすは花をつけている。朝顔やアジサイが咲いていて蝶々も飛び始めた。 先日書いた梨の実も日に日に大きくなってくる。栗の花もほぼ終わってこれから実をつけるだろう。植物にとっては今が一番成長できる良い時期なのかもしれない。

汗をかきながら蒸し暑い中を歩くのは大変ではあるが、冷房の利いた満員電車で人ばかりを見ながら同じ時間かけて通勤することを思うと、やはり今の通勤スタイルの方が豊かな感じがする。

来週再び出張で、それが終わるとしばらく出張は無い、落ち着いた生活になる。東海道踏破計画をどうしようか考えているのだが、時間が比較的あるので、無理をせず午前中だけ歩くくらいの気持ちで歩こうかと思っている

総理の国会解散権とは

2009-06-22 08:47:22 | 社会
日本郵政の社長問題も決着がついて、マスコミの興味は「いつ国会が解散されるか」に移っている。麻生総理へのインタビューでも必ずこの質問が出る。

以前も書いたことだがマスコミは総理大臣の国会解散権というものを勘違いして理解しているのではないかと思う。 総理の国会解散権とは行政府としての内閣と立法府としての国会の意見が異なった場合に国民の意見を問う手段として総理大臣に与えられているものである。

国会を解散すれば審議も止まるし、選挙には多額の費用がかかる。自分の都合で「選挙に勝てそうだから」と言って解散して良いわけはない。今の時期は任期切れまであと数カ月である。こんな時期に国会を解散するのはよほどのことがある場合に限るはずである。 それなのに、マスコミは総理大臣が自分の都合で解散することを良しとして、いつ解散するのかを盛んに聞いている。

そもそも総理大臣と国会与党の党首とは別の地位であり、本来の総理大臣は自民党の党首と異なっていてもまったく構わない。むしろ国全体のことを考えるべき総理大臣と、一つの政党の隆盛を図る党首は利益が合わないことがあり、分離する方が望ましいくらいだろう。会社でいえば社長が会長を兼任しているようなものである。

しかし、これに対して疑問を挟む人は野党、マスコミを含めて聞いたことがない。本来の総理大臣は国会議員全体の中から選ばれるべきであり、与党のものではない。たまたま人数が多いので与党から総理大臣が出ているだけである。

こう考えると、総理大臣が辞任して新しい総理を選ぶときには、本来なら国会を解散して選挙からやり直すべきであろう。しかし、これに対しても野党を含めて追及しておらず、「総理は好きな時に自分の都合で国会を解散できる」という国民的合意を政治家とマスコミが一緒になって作り上げようとしているように私には見える。

日本の民主主義の未熟さをここにも感じる

決まってから言うな、決める前に言え

2009-06-19 09:38:36 | 社会

またまたマスコミ批判である 。

国会で脳死を人の死と認める決議がされた。今朝の日テレのニュースを見ているとほとんど脳死状態だが生きている人のことが繰り返し報道されていた。その人は脳死に近いとはいえ、まだ生きているので今回の決議で脳死と判断されることはないと思うが、やはり家族としては割り切れない思いがあるだろうし、「困ります」ということを言っていた。

そういう人がいることを私は初めて知ったのだが、問題はマスコミが脳死の議決が出た直後に、この話を大々的に報道している点である。なぜ決議前に報道しないのか。私は以下の二つの理由からだと思う。

ひとつは報道が議決に影響を与えて、「あの報道のおかげで決まらなかった」というように責任を問われるのが嫌だっとということ

二つ目は、決まってからのほうがニュースとしてインパクトがあるからということ

この二つは現在の日本のマスコミの典型的行動パタンだと思う。しかし、決議が出た後で、それも直後にその決議に対する否定的情報を流すのは足を引っ張ることにはならないか、と思う。

私の知る欧米の企業では、少なくとも私の出席する国際会議では、欧米人は物事を決定する前には色々なことをいう。中には鋭い指摘もあるし、屁理屈と思えるものもある。いろいろな意見を戦わせて最終的に決議する。

決定が出されるとそれには従う。昨日まで反対と言っていた人もまるで前から賛成だったかのように態度を変える人が少なくない。つまり、決める前には色々な意見を言って議論を深めるが、決めた後は「これは我々が決めたことだ」という意識に皆がなって、その決定をうまく実行できるように考えるようになる。

問題が指摘されるのは実行されてしばらくして当初は予想されていなかったような問題が出てきてからである。決めた翌日に反対意見などを言うと、「なぜ決める前に言わなかった」と批判されるだけである。

ところが日本では決める前には何も言わないでおいて決まってから文句を言うことが非常に多い。マスコミの反応はその典型である。企業などでは上下関係があるので公式に文句を言うことができずに陰口を言うことになる。

今回の国会決議は党議拘束もなく国会議員個人の判断にゆだねられたので、国民の代表が決めたことと言える。それに対するこの反応である。

欧米流と、日本流、どちらが推進力があるかは明らかである。特に政治的問題は全員が幸せになることはきわめて稀、で喜ぶ人もいれば困る人もいる、という決定がほとんどである。

こういうマスコミの態度が日本の政治を弱くしていると改めて思う


鶴見川沿いの梨園

2009-06-18 10:25:06 | 生活
私の通勤路途上の鶴見川沿いに梨園がある。

梨は花も終わって実をつけ始めている。まだ小さく直径3cmくらいである。梨園は結構広くあるのだが、その1区画に既に袋をかぶせているところがある。木下もきれいに下草が刈り取られており、そこだけが別扱いである。

今の時期は雨も多く、今から鳥が梨の実をついばむこともそうないと思うのだが、ご苦労なことだと思う。ひょっとするとその区画だけは新種の梨の実験的栽培をしているとか、特別な育成方法を試しているのかもしれない。

いずれにせよこのような風景を眺めるのは季節感を感じて良いものである。

ところで、先日、アジサイについて色によって開花時期が違うと書いたが、あれは私の間違いだった。真ん中にある部分が開花前のつぼみかと思って3分咲きなどと書いたのだがあれは額のようなものでその後も一向に咲いてこない。花の形態が違うのだとわかった。

アジサイはもう何十年も見ているのだが注意してみないとこういうところに意識が行かずに気がつかない。お恥ずかしい限りである

イギリスの電波行政

2009-06-17 08:33:32 | 社会
今朝、歩きながらラジオのNHKニュースを聞いていたら「自民党の一部に・・・という声が出ています」と報道していた。はたして7時のニュースで流すことだろうか。

このニュースを6時、7時、8時、12時、19時、21時と繰り返し流す。誰が言ったのかも、責任の所在もわからない。その目的は世論操作以外には思いつかない。鳩山事件で味をしめた政治家がこういう話を流すことが今後大幅に増えてしまうだろう。

なぜ、こうなってしまうのか?一つの大きな理由は放送局の生命線である電波の認可が総務省に握られているため、放送局は総務省に弱いからであると思う。日本の電波行政はなかなか良くやっていると私は評価しているのだがこの分野では官僚ではなく政治家が問題だと思う。

イギリスでは電波認可事業をOFCOMという外部団体に委託している。この団体は日本でいえば日銀のような立場で、政府と深く関係しながらも政府とは独立した関係を保つ、という形を取っている。こうすれば電波を利用して政治家が世論操作をしようとする傾向は多少は防げるのではないかと思う。

OFCOMの活動内容を多少紹介すると、電波割り当てに関する考え方を以下の3つにすると言っている。
①国家管理型 国家が積極的に関与して管理する電波で防衛や航空管制などがその典型例である。
②市場原理免許型 特定の事業者に対して免許を与えるものであるが、その免許自体は資産と考え、売買を許す。放送や通信の免許はほとんどこれにすると言っている。日本のように電波免許を受けたものがきちんと活用しているかは監視せず、市場原理の観点から免許人は有効活用を図るだろうとしている。ただし世論操作のリスクがあるので独占禁止法の観点からは介入すると言っている
③機器認定型 免許人という概念がなく無線LANのように認定を受けた機器であれば国民が自由に勝ってきてる変える分野である


従来は、全てが①であったのが次第に③が出てきて現在は②の分野を増やそうとしている。日本では②の分野は存在していない。このように基本的考え方を明示して時間をかけてその方向にもっていくやり方はいかにもヨーロッパ的だと思う。

いずれにせよ、電波管理部門を政府から切り離すという考え方は極めて先進的な考え方だと思う。

将棋の名人戦と囲碁の本因坊戦

2009-06-16 08:18:48 | 囲碁

将棋の名人戦と囲碁の本因坊戦の挑戦手合いが並行して進んでいる。このブログにもこれまで何度か挑戦手合いについて書いた。しかし、今年の挑戦手合いは私の中ではどうも盛り上がらない。

将棋は郷田九段が羽生名人に挑戦していて郷田九段の3勝2敗である。郷田九段は一刀流と言われ切れ味鋭い気風である。私から見ると郷田九段が振り下ろした刀を羽生名人がガッキと受け止めそのまま刀があった状態で押し合う、いわゆるつばぜり合いが続く。そして離れるときに横なぎに払って速い方が勝つ、というイメージである。どうも見ていて面白くなく、素人受けしない。

将棋界は羽生、佐藤、森内の3強と渡辺竜王を中心に回っていると思うが、この3強の戦いは互いにチャリンチャリンと刀を合わせて剣の妙技を見せてくれる感じがする。渡辺竜王に羽生名人が挑戦した竜王戦では双方走り回りながら戦って息が上がり、体力に勝る渡辺竜王が最後に勝ったイメージだった。 それらと比べるとどうも今回は地味なイメージがある。

囲碁の方は、「レベルが低いな」と感じてしまう。素人の私がトッププロの碁に対して「レベルが低い」などというのは大変僭越なのであるが正直なところそう感じてしまう。

囲碁は羽根本因坊に高尾九段が挑戦している。昨年と立場が入れ替わっているが同じ顔ぶれである。この二人の戦いは序盤でどちらかの構想が成功して優勢になる。やや有利というよりはっきり優勢といえるくらいの差で、普通ならそのまま逃げ切るくらいである。事実昨年は優勢な方が逃げ切っていた。

しかし今年は逆転している。それも形勢の悪い方がうまい手を打って逆転したというよりも、優勢な方が失敗して逆転している感じである。プロの間では敗着がはっきり分かっていて「どうしてあんな手を打ったのだろう」という感じではないかと思う。

このレベルでは韓国や中国のトッププロにはとてもかなわないだろうと思う。5回に1回も勝てない勝率1割台ではないかと思う。

トッププロは「これより上があり得るのか」と思わせるくらいの技を見せてほしいものだと思う。フィギュアスケートや体操ではアマチュアでもそう感じる演技を見せてくれることが何度もある