日経でパナソニックが個人用スマホから撤退すると報じられている。基地局ビジネスも撤退するとしている。パナソニックの携帯電話ビジネスには私の個人的な知り合いも少なからずいるので寂しい気持ちを禁じ得ない。しかし最近の様々な発表からいずれこうなるだろうとは思っていた。
これで日本の携帯電話はソニー、富士通、シャープ、京セラの4社になった。このうちソニーと京セラは長期間事業を継続すると思うが富士通とシャープのどちらかは脱落するのではないかと私は思っている。感心するのが京セラのビジネスで、後発ながら、Qualcommの端末部門を買収したり、サンヨーを買収したりしてじりじりとシェアを上げ、最近ではアメリカで工事現場用をイメージした特徴のあるスマートフォンをSprintに提供し、これからはVerizonに提供すると言っている。日本の端末ベンダとしては最も安定していると思う。これがアメーバ経営の威力だろうか。
パナソニックは個人用スマートフォンから撤退すると言っているが、企業用は残すという意味である。おそらくノートパソコンのレッツノートのビジネスイメージだろう。私は家電メーカであるパナソニックが携帯電話から完全撤退するのは難しいと思っていた。どこで特徴を出すかは難しいと思うが、おそらく細く長く続けると思う。
今年になってNECも携帯電話の主力部分の撤退を表明したが、残す部分の考え方が違う。NECはスマホをやめてガラケーを残すという選択をした。基本的にドコモビジネスで採算の取れそうな部分を残すという考え方である。一方パナソニックはスマホを止めるとは言っておらず、その一方でこの冬のドコモへの供給を止めると言っている。携帯電話ビジネスをドコモビジネスから一旦切り離し、家電メーカの立場で再構築しようという考えに見える。
通信機メーカと家電メーカの違いで、ある意味では当然の選択のようであるが、今後の携帯電話ビジネスとしてはパナソニックのほうが復活の可能性があると思う。特定オペレータに頼らずに広い視野で消費者が求める機能を考えてセグメント化し、特定顧客セグメントに合わせた特徴のある機能を考えてそれを実現し、可能ならば世界に売り込んでいくという、京セラに近いアプローチになっていくと思うからである。
このブログにも何度か書いたが、私は機能的特徴は別にしてFirefox OSの出来の良い端末をどこが出すかに注目している。