最近になって嘉田由紀子滋賀県知事が未来の党を結成し、小沢一郎氏が率いる「国民の生活が第一」が解党して合流を決めた。私はこの動きは嘉田知事の動きというより小沢氏の動きだと思っている。そして「国民は馬鹿にされている」という感じがして腹を立てている。
私の想像だが小沢氏は自分の政党を作って活動しているものの、ダーティなイメージがあってこのままでは殆ど選挙にならないと感じていたのだろう。そこでクリーンなイメージを持つ人を探していた。そんな中、嘉田知事が反原発で協調してきた橋下氏の最近の動きに反発していることを知って新政党を作るように働きかけ、「あなたは卒原発を言うだけで良い。他の政策は私が作るから」といって働きかけ、合意に至ったものだと思っている。遠因は太陽の党と維新の会の合流にあると私は思っている。
そもそも政党とは何なのか、国の政策を一緒に考える政策集団のはずである。それが「反原発」という一点だけの主張で政党を作る。外交、経済、福祉、財政、教育といった国の基本をなす部分に関しては何も語らない。ルール上は禁止されていないので作ることができる。こういう政党ができて大きく報道されること自体が、政党を作る側が「国民をその時の話題だけで投票行動をする存在」と認識していると感じている。
私は政党を作るときにはそれなりに国を運営するイメージが無くてはならないと思っている。嘉田氏に対するインタビューでマスコミが「外交は?、経済は?、福祉は?、財政は?、教育は?」と問いたださないことが不思議でならない。おそらく巧妙にそういった質問が来るのを避けているのだと思うが、もしそうなら「政策全般については語ろうとしない」という不満がマスコミから漏れてしかるべきだと思う。
日本では野党、特に弱小政党は反原発、反増税、反TPPといった政府のやろうとしていることに反対するだけで存在できてしまう。それもその中の特定の1項目を挙げるだけで。山田元農相が反TPPで旗揚げをしたときに、「こんな狭い政策で政党とは何事か」と叩かなかったことが現在の動きにつながったような気がする。以前このブログに「まともなマニフェストを掲げないと政党助成金を出さないようにしてはどうか」と書いた。「まとも」の判断が難しく実行は極めて難しいのだろうがやってほしい気持ちは強まっている。
この頃は頻繁にマスコミが政策に対するアンケートを実施している。政党支持率であったり、政策に対するアンケートであったりしているが、その結果を見ている限り、日本国民はちゃんと物事を見ていると思える。ただ、政治家の側が「国民は馬鹿だ。いかようにも踊らせられる」と思いこんでいるように感じられて腹立たしい。