ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

インドムンバイのテロ報道について

2008-11-28 17:21:06 | 社会
インドのムンバイで大規模なテロがあった。

私の知っている人もインドに出張中であったがすぐに切り上げて帰国するそうである。最も場所はムンバイではなく、バンガロールだが。

この種の報道を見るたびに日本の報道機関の弱さを感じる。日本人が何人巻き込まれたとかいう外務省の発表と、被害にあった日本人の家族から「許せない」とかいうコメントを取るばかりで事件の全貌がさっぱり見えてこない。 元々、「売れるかどうか」という発想でしかニュースをとらえていないのでこのような傾向になるのだろう。

それでも麻生総理のコメントは取っていて、「断固として反対し、インド政府を支持する」といったインタビューが流れていた。 前回も書いたが、これは総理の軽はずみなコメントだと思う。こういう問題は記者に「どう思いますか」と聞かれてコメントする前に、政府としての対応を指示するべきである。総理の意見が報道されているのに日本政府が何日間も正式コメントを発表しないようなら、対外的に問題である。

どうも総理は正式コメントと私的コメントの区別が弱いようである。側近の誰かがきちんと指摘すべきだろう。

 それにしても、マスコミの情報収集力の弱さは情けなく思う。CNNやBBCを見ているだけでももう少し情報は取れそうに思うのだが・・

総理の発言に慎重さを求む

2008-11-26 09:47:12 | 社会

麻生総理の発言がブレていると言われている。私もそう思う。

難しい状況は理解できる。いつでも選挙をやるぞやるぞと言いながら国政を進める。選挙対策も並行して進める。加えて対外的にも内部的にも次々と解決すべき問題がある。

民主党から見れば麻生総理は極めてやりにくい総理だと思う。明らかに民主党との対決を意識して、選挙になった時に戦える状況を作り出し、そこで解散しようという意図が見える。業を煮やして、民主党はすんなり通しても良いと言っていたインド洋の給油問題に反対すると言い出した。これで民主党は本気でインド洋の給油が問題だと思っていたわけではなく、政府を困らせる道具としてしか見ていなかったことが明白になった。こういう事実をいくつか積み上げるのが総理の狙いであり戦術だろう。低いレベルでの争いである。

それはそうとして、国政がそんなことで左右されるのは困る。私は総理の大きな方針はおかしくないが(給付金をのぞいて)、細かい点で、生煮えの状態で発言してるのが問題だと思っている。政府閣僚全体にそういう傾向があると思っている。

例えば、今度の元厚生省幹部襲撃事件である。私は背景が明確になるまでは、警察庁長官以外はコメントすべきでなかったと思っている。仮にテロであることがわかったとしても、コメントするのは警察の上部に当たる国家公安委員長や防衛大臣に限り、オウム真理教のような大掛かりなテロ組織であることが分かって初めて総理大臣がコメントする、といったような責任分担を明確化すべきである。アメリカ政府ではこのような階層化がきちんとできている感じがする。

 それをPTAの会合で発言したり、医師会について発言したりと総理の発言としては軽すぎると思う。先日辞任した中山国土交通大臣も畑違いの日教組に対してコメントしていた。 私は閣僚に対してどういうことに対して誰が発言すべきか、キチンと再教育すべきだと思う。これは官房長官の役割で、官房長官がプログラムを提示して総理が承認すべきだろう。

最近の歴代総理は毎日「ぶらさがり」と呼ばれる記者インタビューに応じているそうだが、これもやめるべきだと思う。記者は失言をとれば特ダネとして給料が上がるので失言を狙ってきていると心得るべきである。 おかしなことを言わないという絶対の自信があるならともかく、自信のない人にはマイナス面のほうが大きいと思う。

国会議員と、内閣閣僚は立場が全然違う。そこを皆キチンと再認識してほしいと思う


将棋の里見香奈女流二段、初タイトル

2008-11-25 09:04:05 | 生活
将棋の女流プロのタイトル戦である倉敷藤花戦で清水一代女流王将を下して初タイトルを手にした。

清水さんといえば女流棋士で歴代最高タイトル数を更新中の現在の女流の最高峰といえるので、堂々たる勝利である。

里見さんの名が有名になったのは昨年1月のレディースオープンで矢内女流名人と決勝を争ったときである。出雲の天才少女と呼ばれていていた。出雲市在住の女子中学生で、夜行バスで東京まで出てきてそのまま対局場に臨むという生活をしながらタイトルを争うところまできた、ということでマスコミの間で大きな話題になった。その対局は大熱戦だったが惜しくも矢内女流名人の前に敗れ去った。

出雲にはあまり強い相手がいないのでネット将棋を活用しているそうである。こういう人物が現れることがインターネットの効果だとして、梅田望夫氏の「ウェブ時代をゆく」にも紹介されている。

その里見さんも、高校2年ですっかり大人びできている。レディースオープンの後すぐタイトルを取るかと、注目していたが勝率は高いもののなかなかタイトルまでは届かなかった。今回のタイトル奪取を機にトップグループの仲間入りをして、そのうち抜け出してくるような気がする。

主だったリーグ戦には既に入っており、その中でも成績は良いのでそう遠い日ではないだろう。 女流将棋界では林葉直子さんが中学生の時にタイトルを取っているので、最も若いタイトル保持者というわけではない。しかし、当時と比べると女流将棋界の厚みが違うのでやはり快挙ということができるだろう。

ちなみに女流将棋界のプロ認定の規定は男性よりかなり甘くなっており、今まで男性棋士と同じ基準でプロの枠に入った人はいない。男性棋士との対局もオープン戦のような棋戦に限られている。そのせいか、将棋の女流棋士は女流棋士界を盛り上げないといけない、という危機感が強く、ファンに対するサービス精神が旺盛な気がする。

囲碁の場合には男性と女性で差はなく、同じ枠で棋士になっており実力差も少ない。中国の女流棋士などは名人経験者にも勝ったりしている。

女性の場合は対局姿が美しいので、公開対局などをどんどんやってほしいものである

大相撲、安馬が大関昇進確実

2008-11-24 09:48:24 | 生活
大相撲、九州場所で関脇の安馬が13勝2敗で大関昇進を確実にした。

大関昇進の目安が直近の3場所で33勝以上であるが安馬は35勝しており堂々たる成績である。昨日の千秋楽も横綱の白鵬との優勝決定戦であった。自力では白鵬が勝ると思われるが対戦成績はほとんど5部である。

私もテレビで見ていて「多分白鵬が勝つだろう」と思って見ていたが、両者の仕切りを見ているうちに「これは」と思い始めた。 仕切った後戻って塩をつかむのは、安馬はすっと戻ってすっとつかむ。一方、横綱のほうは汗を拭いたりしてマイペースで時間をかける。その間、安馬は横綱が塩をつかむのをじっと待っている。その待っている間の表情が、あせりも何もなく、集中していて、かつ相手に合わせるという「無心の仕切り」を感じさせた。立ち合いで安馬がリードしてそのまま押し切るということもあると感じられた。

実際は安馬がやや押しこんだものの、受け止められ、最後は力で投げられた。横綱の強さが光った一番だった。

横綱の朝青龍も、白鵬もそう大きなほうではないが小さくもない。力士の平均よりやや小さいくらいだろうか。これに比べて安馬は明らかに小柄である。幕内最軽量に近いのではないだろうか? 彼が出てきたときに、「この体では関脇がせいぜいかな」と私は思っていた。

しかし、今回見事に大関を射止めた。 安馬は小柄ではあるが技に頼ることをしない。決まり手は押し出しや寄り切りが多い。小柄な体にもかかわらず正攻法で攻めていく。それで大関まで上がれたのは稽古の多さからくる強じんな足腰と立ち合いの素早さだろう。

相撲のセンス、才能からすれば横綱白鵬のほうが上だと思うが、小さな体で地道に実力を積み上げてきた安馬関の生きざまは称賛に値すると思う。 過去の名大関、旭国のように「これが相撲」というのを見せてくれるように思う。

今年いろいろあった相撲界だったが最後に良い取り組みを見せてくれてありがとうと言いたい

ジョギング

2008-11-22 08:24:35 | 生活
今日は朝、ジョギングをした。

来月、アテネで行われるチャリティーランに参加するための準備運動である。今朝は快晴で大山に登ろうかと迷った。昨年この季節に登って紅葉が非常にきれいだったのでこちらにも魅力があったが、やはり準備運動を重視した。明日は天気が下り坂のようなので、今年は大山の紅葉は見逃すかもしれない。

私は普段たくさん歩いているが、走るのは2年ぶりくらいである。走るといっても時速7-8Km 程度で歩くより少し早いくらいである。それで25分間くらい、3Kmくらい走ったと思う。やはり久しぶりなので息が上がった。

私の住んでいるあたりは結構アップダウンがあるので、速度と距離の割には体に負担がある。走り始めは手が冷たかったが、終りの方は汗びっしょりだった。同時に爽快感もあり、これを機会に走り始めるかもしれないと思う。

アテネでは走るといっても2Kmだけである。これを2-3回やれば準備としては十分だと思っている。長いコースは10Kmであるがこちらはとても体が持たないと思う

元厚生省幹部襲撃事件の報道について

2008-11-21 13:04:27 | 社会
厚生省で年金関係の仕事をしていた幹部で現在は退官している人が二人相次いで襲撃されて大きな話題を呼んでいる。

マスコミは、「テロか」と騒ぎたてて連日現場から足跡が見つかっただの、どのようにして襲撃されたかだのを詳しく報道しているが、ほとんどテロと決めつけて報道している姿勢に私は大きな疑問を感じる。

犯行声明が出たわけでもなく、個人の恨みでやってるかもしれない、何もテロという証拠がないのに襲われた人の経歴と手口だけでテロと決めつけるのは早計だと思う。

政治家も「テロだとすると許せない」などのばかなコメントをしているが、テロでなければ許せるのかといえば許せるわけもない。「テロだとすると許せない」という言葉の裏には、「テロなら許せると思うかもしれないが私は許さない」というニュアンスを含んでいる。これはこれで問題発言だと思う。

テロであることは何も分かっていないのだから、背景がわかるまでは「一般論として人を指すのはだめだ」以上のコメントはしないのが賢明だろう。コメントが取れなければマスコミも静まってくるのではないだろうか

大学時代の趣味(囲碁以外)

2008-11-20 15:23:53 | 昔話
大学時代の趣味で囲碁以外のことについて簡単に触れておこう
1.卓球
卓球部には入らなかったが、高校の卓球部に行ったりして卓球は時々やっていた。自分でも不思議だと思うのだが大学に入って一時高校時代より強くなったように感じた時期があった。練習はしていないのだが何となく球の回転が読めて低い球でもスマッシュが良く入ったのである。現役時代と違って気負いが取れて、素直に打てたカラかもしれないと思っている。趣味としてやる卓球は楽しかった。
2.スキー
北海道にいたころは否応なくスキーをやっていたが、中学、高校は全くやっていなかった。大学に入って囲碁部の仲間と行ったり、理学部の同級生と言ったりするようになった。ボーゲンから始めたが子供の頃の感覚が思い出されて比較的すんなり入れた。しかし、北海道にいたころのスキーは必要もないのに何度も左右に曲がるなどしていなかったので少し違和感があった。スキーを開かないで曲がるパラレルは、一度だけならできるが連続回転はなかなかできなかった。それでもレベルの割には急なところに行けたと思う。
3.将棋
囲碁部の隣が将棋部だったので時々行って教えてもらっていた。囲碁部は実力が違うと置き碁言ってハンデ戦にするが、将棋部は駒落ちはやらずに、いつも平手線だった。当然勝てるわけはないが、周りの人が味方していろいろ教えてくれて私が勝ったことが一度だけあった。相手の悔しそうな顔が印象的だった。
4.マージャン
囲碁部には麻雀が好きで強い人が多い。当然私もやったのだが、どうも強くなれない。切り方を間違っていないのにツキがなくてずるずる負けたりすると腐ってしまう。どうも麻雀は自分にはあまり向いていないな、と思ってあまりやらなかった。それでも徹夜マージャンを2-3度はやっている。
5.ジャズ
ジャズはラジオで聴くぐらいだったが、倉橋由美子の小説に出てくる「しゃんくれーる」というジャズ喫茶に何度か行った。これが私のジャズ喫茶の初めての経験だった。下宿にはステレオ装置はなかったので家に帰った時にジャズのレコードを聴いたりもした。サラボーンのジャズボーカルが好きだった。
6.酒
酒も少しずつ飲むようになっていた。私は強いほうだったが、ウイスキーを飲むと最後のほうで味がわからなくなってがぶ飲みして翌日二日酔いになることが多かった。関東で焼鳥屋に相当するのが関西ではおでん屋で、おでん屋で飲むことが多かった。
7.読書
大学では色々な本を読んだ。デスモンド・モリスの「裸のサル」、オパーリンの「生命の起源と生化学」とかいった真面目な本と小説では日本人の推理小説をよく読んだように思う。一時ドストエフスキーにはまって彼の長編小説はほとんど読んだ。英語の小説も1年に1冊くらいのペースで読んだ。最初に読んだのがアイザックアシモフの「暗黒星雲の彼方に」でこれが面白かったので続けられた

轢き逃げ犯が被害者を引きずる

2008-11-19 10:38:48 | 社会
この頃、ひき逃げを起こした犯人が逃げようとしてそのまま被害者を引きずる、というニュースが相次いでいる。被害者を引きずったまま運転するなどはこれまでになかったことである。

犯人はいずれも「酒酔い運転だったので怖くなって逃げた」と言っている。

私はこれには今年初めに福岡で幼児3人をはねて逃げた犯人の裁判結果が大きく影響していると思う。あの事件では犯人はかなり酔っており、それをごまかすために逃げて水を大量に飲んだ、と報じられていた。

裁判は業務上過失致死か危険運転致死かで争われていたが、裁判所は飲酒の程度が立証できていないとして、業務上過失致死の判決を出した。現在控訴審が争われている。

裁判官からすれば、逃げて水を飲んだかどうかは立証されておらず、後にチェックしたときのアルコール濃度はそれほどでもなかったので「立証できない」と判断したようである。 私はこの判決が「酒を飲んで事故を起こしたら逃げろ」というメッセージを全国民に与えたように思えてならない。

この判決の負の影響は計り知れないように感じている。私を含めて、一般人は「おそらく逃げて水を飲んだのだろう」「それが立証できないとこういう判決になるのか」と思ったはずである。

判決に関して言えば「逃げた」ということを重視して厳罰に処すべきだろう。過失で事故を起こしてしまったときに、最善の対処をすべきである。それを隠そうとして逃げたほうが仮にあとから捕まったとしても刑が軽くなると思えば皆逃げてしまう。

マスコミにも責任があると思う。裁判で立証できないような情報をどうして報道するのか。おそらく報道は事実だと思うが、それが理由で負のメッセージを撒き散らしてしまったと思う。さらにその後も「逃げた」ことを非難するよりも「飲酒運転」を非難する声のほうがはるかに強い。これでは逃げたくなる心理をあおっているようなものである。

飲酒運転は確かに悪いことだが、事故を起こして逃げようとするのはもっと悪いことだ、という社会的コンセンサスを築く必要があると思う

G20金融サミットについて

2008-11-18 12:41:16 | 経済
G20金融サミットが終了した。

金融関係の監査を強化するとか、格付け機関の内容をチェックするとかいった内容が盛り込まれたのは良いのだが私には少し物足りない感じがする。 何となく、現状の課題をつぶしている感じで、これでは「もぐらたたき」になってしまうのではないかという印象である。

基本的に自由競争で資本優先主義でいけば、楽をして金もうけをしようという人は後を絶たない。今回の問題を反省して規制しても、必ず新たな方法で一層儲けることを考える人が出てくると思うのである。 喉元過ぎれば熱さを忘れるで、またどこかでバブルが再燃するだろうと思う。

今回の問題は資本主義の根幹にかかわるような問題であり、資本主義の在り方自体を見直すような動きがあってしかるべきだと思う。 発表には出ていないが裏で様々な話が動いており、まだ合意には至らなかった、というような状態であってほしいと願っている。

日本政府がIMFに基金を入れると発表し、他の国にも賛同を求めたのは評価できる。ただ、ほかの国が賛同していないところをみると急ぎすぎたのではないかという気がする。具体的に基金の扱いをどうしようとしているのかは知らないが、扱いについての条件をほかの国と話し合って、3カ国くらいの共同提案にすれば、大きな流れにつながったのではないかという気がする。

考えは良かったが、具体的な進め方は失敗したといえるのではないかと感じている

G20への期待

2008-11-14 16:32:51 | 経済
もうすぐ世界のトップが集まって経済問題を協議するG20が開催される。

プラハにいるとヨーロッパのニュースが良く入ってくるが、ドイツのGDPがマイナス成長に陥り、フランス、イタリアもマイナス成長、スペインもマイナスは避けられないだろう、というような話が大きく報道されている。

金融危機が実体経済に影響を及ぼし始めたということだろう。 前にも書いたが、ドイツは1年前のユーロ高のときでも大幅な輸出超過だった。それが現在はかなりユーロ安(対円だけでなく対ドルでも)になっており、貿易上はかなり有利なはずである。ロシアの原油高に助けられていたのかもしれないがそれだけではないだろう。現在は市場が冷え込んでいるのでマイナス成長になっているがユーロ安で市場シェアを高め、遠からず復活してくると思っている。

G20では成長は鈍化したとはいえ依然成長基調にある新興国の発言力が増すだろうと言われている。私はこれは良いことだと思っている。
基本的にはマネーゲームを抑制し、実態経済が世界景気により強く反映されるように圧力がかかるものと思われる。

私の考えている「投資を奨励し、投機を抑制する」という第一歩を踏み出してくれるのではないかと期待している