今年に入って株価の動きが変調である。年明けから連日下げ続けたと思うと金曜日の日経平均は一気に900円以上も上がった。ISのテロは各地で勃発しているし、イランとサウジの政治的緊張などもあるが経済的にそれほど大きな影響があるとは思えないし、中国経済の成長が鈍っていると言っても前からのことで今年に入って特に大きな動きがあったとは思え無い。今の株価は世界中で変調だが、原因の大部分は投機筋の心理的な動きではないかと私は考えている。
要するに昨年後半株価が上がってきたのだが危うさを含んでいると皆感じており、下がり始めたらすぐに売り逃げできるようにと皆構えていたからではないかと思う。投機マネーは株だけでなく原油などの自体経済にも流れており、こちらは必要としている企業などが影響を受けている。実需要を持っている企業も投機的動きに対応していかないと損をしてしまうので対応しているというのが実態だろう。それがドラギ総裁がユーロを緩和すると発言したことで日経平均の900円の急上昇などにつながっていると思う。
このような状況でさらなる金融緩和をして効果があるのだろうか、と疑問に思う。一時的な株価の上昇にはつながっても少し時間が経てば投機的傾向をますます強くするだけなのではないかと思う。金融緩和よりは政府が需要を作る、公共工事のようないわゆる財政出動のほうがましなのではないかと思う。財政出動は需要を作り仕事を作るからである。しかし、不要なものを作ると後で揺り戻しが大きい。過去の日本の公共工事などでは使われない建物などを建てて後で維持費用がかさんで大きな問題になったことがあったと思っている。東京オリンピックに向けての工事などもあまりに規模が大きくなればこのようになるだろうと思っている。
どうすれば良いのかは分からない。ただ、最近金融業界で言われている日銀のさらなる金融緩和は効果がないだけでなく、むしろマイナスになるのではないかと危惧している。