ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

湯けむりの里

2008-08-31 13:52:06 | 生活
私の家の近くに「湯けむりの里」というスーパー銭湯がある。
各種ジャグジーやサウナ、露天風呂などがあり、10回の回数券で5000円(最近5500円に値上がりした)である。他に別料金で岩盤浴、マッサージ、10分散髪、レストランなどがある。

私はすでに何回も回数券を買っており、常連である。数年前にできたのであるがその時には2店舗目だった。店も結構流行っている。私はこの「湯けむりの里」は銭湯界の「ブックオフ」になるのではないかとひそかに思っていた。それは行くたびに細かい工夫が感じられたからである。シャンプーの出具合を変えたり、入れ物を変えたり、空きスペースを使って様々なイベントをしたり、入浴グッズを売ったりしていた。いわゆる「仮説と検証」というセブンイレブンのようなやり方をやっていてそれが企業文化になっているように感じられたからである。

これを「思っていた」と過去形で書いたのは最近少し違ってきたと感じるからである。今年6月に工事をして新装開店をした。内部はきれいになり、無駄なスペースは無くなって有効利用されるようになった。反面、空きスペースがなくなり工夫の余地が少なくなった感じがする。実際、感じられていた細かい工夫は減ってきた感じがする。整ってはいるが、変化に乏しい感じになってきた。

経営者が変わったのかもしれないと思う。経営のやり方としては設備投資をするよりも改善の企業文化を保持する方が大切なのではないだろうか。

今後、どうなっていくか注目していきたいと思う

妙な気候

2008-08-30 06:19:35 | 生活
このところ妙な気候が続いている。

明け方に雷が鳴る。そしてどしゃ降りになる。30分ほどすると止んでしまう。まるで夕立である。従来夕立は夏の暑い日に地面が暖められて上昇気流ができて、入道雲が発生し、その下で土砂降りになるというものである。良く絵に描かれているようにその発生は局所的であり、ほかの場所では晴れていてその入道雲を見ることができる。

今回の現象はかなり異なる。確かに局所的に雨が降るのだが、それが広域にわたっていて、しかも夜から明け方である。地面が温まって上昇気流ができたとは思われない。気流の関係だそうだが、どうしてこんなことが起こるのか、私の生きてきた五十数年、こんな現象はなかったと思う。原因はつかめていないようである。

これも地球温暖化と関係があるのだろうか?
大規模ハリケーンが起こるとか、大規模な竜巻が起こったりという世界的な現象と関係がありそうである。この現象はCO2の増加と関係しているかもしれない。大気の成分が微妙に変わることによって上昇気流ができやすくなっているのかもしれない。原因を解析してほしいものである。

気象学者はスーパーコンピュータを使ってシミュレーションをしているようだが、シミュレーションに頼りすぎているのではないだろうか。シミュレーションを行うための仮説を考える態度が下がっているような気がする。こういうツールを手に入れると、コンピュータを回せば近未来の予想はできる。しかし、それは現象を後追いで確認しているだけで、現象の本質を見極めることはできない。 仮説と検証ということを繰り返す態度を減らさないでほしいものだと思う

民主党分裂、始まる

2008-08-29 07:14:56 | 社会
二日前に「次回の選挙では民主党は大敗し、分裂して民主党はなくなると私は予想している。それを一刻も早く実現してほしいものだと思う。 」と書いたら、昨日、早速数名が民主党を出て新党を結成するというニュースが流れていた。

私が「民主党は分裂する」と予想したのは民主党が自民党よりもひどい寄り合い所帯だからである。民主党の中には旧社会党から来た人がまだたくさん残っている。さらに自民党の中心部にいたような人たちが自民党内部の権力闘争で飛び出してきた人たちがおり、松下政経塾などで学んだ理想主義者も入っている。今の民主党執行部のやり方に「こんなのは政治じゃない」と思っている人はたくさんいるはずである。

こういうバックグラウンドの違う所帯をまとめるにはまず内部で話し合って自分たちの考え方の軸を決める必要がある。個別の細かい点ではいろいろ違った意見があってかまわないが、この「軸」だけは民主党の存在感そのものなので守っていこう、という決定をすべきだと思っている。これをせずに権力奪取のための行動戦術だけでまとまっていてもいずれうまくいかなくなるのは目に見えている。

私は自民党に対する対立政党はぜひ必要で早く育ってほしいものだと思っている。しかし、この1年の民主党の行動を見て、その可能性が今の民主党にはないと思うので早くつぶれてほしいと思うのである。

戦後、日本は長く自民党対社会党という対立軸で政治が動いてきた。これは資本主義対共産主義という対立に端を発しており、資本主義寄りの政党と共産主義寄りの政党が世界中でできた。日本も同じ構図で政党が組まれた。支持母体は自民党が経営層および自営業者、社会党が労働組合という構図だった。そして政策は富の配分を経営側に多くするか、労働者側に多くするかというのが基本的対立軸だった。

時代が動いて共産主義はうまくいかないことが明確になってきて世の中から消えていった。会社の中では経営層と労働者の対立は消えて、誰もが会社が儲からない限り給与も増えないということを理解するようになってきた。労働組合の力は急速に衰えてきた。

世界のほとんどの労働者寄りの政党は高い税金としっかりした社会保障・福祉をめざす政党に脱皮し、資本主義寄りの政党が小さな政府で競争促進する政党というように脱皮していった。

日本の社会党は「労働組合を支持基盤とする」というじり貧の構造から脱皮できずに実質的に崩壊していった。これは社会党としての新しい軸を確立できなかったことが最も大きな要因であると思っている。「税金は安く、社会保障は厚く」といった責任のない立場での非現実的な主張しかできなかった。社会党は税率が高くても日本が世界の中での競争でやっていくためにはどうすべきかを真剣に議論すべきだった。

今、世界は資本主義が過剰に進みすぎて、特に金融技術が進みすぎたことによるひずみが明確になってきている。私はこのブログで「成熟社会を目指して」として何度か書いているが、この私の考えは本来社会党が考えるべき枠組み、具体的に言うと北欧の政府のような枠組みに近いことをこのブログの読者なら感じられると思う。

資本主義の問題点が顕在化している今が、野党が対立軸を確立するチャンスである。志ある政治家が集まって本気でそのような枠組みを作ることを期待している。

大学1回生

2008-08-28 11:30:04 | 昔話
今回は私の大学生活に関する話である。
当時関西では1年生、2年生、と呼ばずに1回生、2回生と呼んでいたのでこの言葉で通したい。

私が大学に入学したころは多少下火になったもののまだ学生運動が盛んなころだった。それで、学生がしょっちゅうストをやって授業が中止になっていた。4月から5月中旬まで授業があるとそのあと一カ月ほどスト、また1カ月ほど授業があると夏休み。秋の授業が始まって1カ月ほど授業があると一カ月ほどスト、といった具合だった。

それを良いことに私は囲碁部の部室(「Box」と呼んでいた)に入り浸った。当時の新入部員は7-8人ほどで一人私より強いのがいて同じくらいのが一人、あとは自分より弱いという感じだった。そうはいってもレギュラーの先輩とはかなり力の差があった。前にも書いたが私は入学した頃アマチュア初段くらいだったがレギュラーは皆アマチュア5-6段だった。

Boxは細長い畳の部屋で15畳くらいあって7-8面の碁盤を並べて対局できる広さだった。当初私は自宅から2時間近くかけて通っていて、朝の1時限目に間に合うように大学についていたが、授業のない時も多かったのでそんな時は朝からBoxに行っていた。隣は将棋部で下では軽音楽部がギターな何かの練習をしていた。

Boxに言って相手がいたら碁を打つがほかに誰もいないときは囲碁の雑誌や単行本を読んだ。このとき私は初めて囲碁の理論というものに触れた。それまでは実践しかやっていなかったのが布石の考え方、手筋とはどういうものか、手筋を身につけるための問題集、詰め碁などである。これは非常に面白かった。それで毎日雑誌(「棋道」という日本棋院の機関誌)を持って帰って行き帰りの電車の中で1日1冊のペースで読んでいった。過去数年分あったが半年くらいで全部読んでしまった。

こういう読書と実戦、特に強い先輩と打ってあそこが悪かったとか指摘してもらうことによって、ぐんぐん強くなっていった。自分が今まで自分の「土地」だと思っていて敵が入ってきたらとろうと考えていたようなのが、このくらいの固さでかこっていれば入ってこられないが、このくらいなら入られて当然、といった相場観を身につけていった。

その年の冬には碁会所で5段で打てるようになっていた。大体その頃には入学したときには私より強かった1回生と並んで二人が将来のレギュラー候補というような位置づけになっていた。

前にも書いたが、この間、読みの力が上がったという実感はなかった。手筋とか相場観とかいうものを身につけて、無駄な手を読まずによさそうな手からまず読むようになったのが強くなった原因だと思っている。

1回生の終わり頃から対外試合に出るようになった。

クローズアップ現代 「グローバル・インフレの衝撃」

2008-08-27 08:45:56 | 経済
昨夜のNHKのクローズアップ現代は非常に良い内容だった。どうもNHKは経済に強く、政治に弱いように思う。最近は国谷裕子さんがそうなのかもしれないと思えてきた。

それはさておき、昨夜の内容を紹介しよう。
・現在の世界経済の変調の原因は二つの要因の複合したものである
・ひとつはアメリカの住宅バブルの崩壊
・二つ目が新興国の躍進による資源不足である
・この二つが複合しているのでモノの値段は上がるは給与は増えないという現象が起きている
・このうち資源不足は世界の社会現象であり、一過性のものではなく継続的なものである・資源の値上がりを「投機」だという人がいるがこれは投機ではなく「金融商品化した」ということである。
・投機との違いは短期で売買しない点にある
・このままで手をこまねいていると日本のように材料を輸入して付加価値をつけて製品を輸出している国は、材料費は上がるが製品の値段は上げられたいという行き詰まりになり国力全体が落ちてくる

と指摘したうえで、国としての処方箋を以下のように語っている
・資源の安定確保が日本にとって最も大切
・そのためには中国のように官民一体で資源確保に動くべき
・予算も苦しい業界を救うためではなく、資源確保に使うべき
・為替は円高に誘導すべき

という趣旨である。主に榊原英資氏の考えである。 この考えには全く共感できる。一点だけ違うかな、と思うのは「金融商品化」のところである。榊原氏は「実需」と「投機」の中間的状態として「金融商品化」という言葉を使っているのだが、私にとっては金融商品化は限りなく投機に近いと思える。それでも榊原氏の処方箋には全面的に賛成である。

今の政府が人気取りのために漁民やトラック業界に補てんするために予算を使う。それを見て我も我もと業績の悪くなった業界が泣きついてきてバラマキ型の行政を行う、ということに対する強い警鐘である。番組では今の行政については全く触れなかったが私としてはそのように受けとている。

残念ながら、今の政府が榊原氏の方向に動くことは期待薄だと思う。

その前にねじれ国会を解消しないと無理だろう。政府は当分の間総選挙を行うつもりはないようだが、この一年の民主党の動きを見ていて、彼らは権力奪取にしか興味がなく、奪取した後のことはほとんど考えていない。従って行動は政府を困らせることばかりである、ということは国民の目に明らかになってきていると思う。

次回の選挙では民主党は大敗し、分裂して民主党はなくなると私は予想している。それを一刻も早く実現してほしいものだと思う

日本画への興味

2008-08-26 07:22:08 | 生活
私の洋画への興味についてはすでに語ったので、今回は日本画についての興味について書こうと思う。

日本画の画集などを大学生くらいから時々見てはいたが、特別に魅かれることはなかった。なんとなく力強さに欠けるような感じがしていたからである。

私が日本画に興味を持つようになったには唐招提寺の東山魁夷の壁画・屏風絵を見てからである。画集で見るのとは全く大きさが違い、迫力があった。同時に絵から伝わってくる静かな心に感銘を受けた。 これをきっかけに日本画に興味を持つようになった。

日展や院展に行くと様々な画家の作品があり、異なった心象風景が出ていて面白い。私は日本画には悲しみとか平常心とか喜びとかいう心象風景を感じてそれに感銘する感じがする。

いろいろ見たうちで私が特に好きなのは吉田博という版画家の作品である。この人の作品を初めて見たのは伊藤忠のカレンダーであるが、捨てるには惜しいと感じてしばらく取っておいた。日本だけでなく、ピラミッドやタージマハルなどの海外の風景を版画にしたものであるが、やはり日本画独特の澄み切った心象風景が感じられる。

国内の美術館をいろいろ回ったがこの人の作品を見たことはない。しかし、ボストン美術館に行ったときに吉田博の作品が大量に展示されているのを見て驚いた。 ボストン美術館が買い集めたのだろうか、それともアメリカでの生活が長かったのだろうか?絵の質を見るとアメリカで描く絵には思えないのでボストン美術館が買い集めたように思う