ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

チリ地震の報道

2010-02-28 04:28:17 | 社会
今日、チリでマグニチュード8.8の大きな地震があった。

日本でこれがどのように報道されたのかは知らないが、CNNの報道ぶりは「さすが」と思わせるものだった。

現地のチリのニュースを同時通訳付きで伝える。
津波の警報を流すとともに、世界各地でどういう状況になっているかをメキシコなど近いところから順番に報道していく。
インターネットで地震情報サイトを立ち上げそこに24時間情報を流すと発表する。
被害に関しては、不必要に不安感をあおらないように被害の程度を見極めようとする。特に津波に関してはどの程度のものになるかを評価しようとしている。

アメリカ政府の対応も早い。オバマ大統領が声明を発表して国民に注意を呼び掛けると同時に米軍の艦隊がハワイに向かっている。そしてチリに対して救援を行うと発表している。 グーグルはホームページに救援物資の受け付けのページを開設している。

神戸地震の時日本での報道ぶりを見ていた私にはアメリカの危機管理対応の段違いの実力を見せつけられた感じがした。

日本だと、海外のニュースからどの程度の被害があったかを仕入れるのと、日本人に何人被害があったか、津波は何時ころ到着するか、といった情報を繰り返し報道する程度だろう。そしてできるだけ被害が大きく悲惨に見える画像を手に入れようとする。

CNNでは、アメリカ人に何人被害があったかというようなことは調べようともしていない。全体でどのくらいの人が死んだのか、どのくらいの被害があったのか、チリは過去にも大きな地震があったので対応体制は整っているがそれでも通信も途絶えて大変たといった報道をしている。

危機管理対応力ということを改めて考える良い機会だと思う。

キム・ヨナ対浅田真央

2010-02-27 06:30:06 | 生活

昨日、食事からホテルの部屋に戻ってテレビをつけたら偶然オリンピックの女子フィギュアをやっていた。

夜の11時過ぎだったので録画かとは思うが、キム・ヨナが滑り終わって点数を待っているところで、高い点数が出て喜んでいた。

次に滑った浅田真央の演技も良いと思ったが、キム・ヨナにはかなわないと本人が思ったに違いない。彼女が滑り終わったときにはじけるような笑顔はなかった。

この二人はスケート史上でもかなり高いレベルで競っていると思う。二人とも15歳くらいのときにはまったく互角の感じだったが、次第にキム・ヨナ有利になっていき、今シーズンははっきり差がついた。

私は昨日の浅田真央の滑りを見ても演技の差よりも構成力の差で負けたのではないかと思っている。浅田真央は3回転半という高度な技を披露したが、全体がジャンプに備えるといった感じで見ていて今一つ楽しくなかった。彼女が中学生だった頃のほうが明るく、見ていても楽しかったと思う。

私は二人の間に差が付いていったのはキム・ヨナが美しさを求めていったのに対して浅田真央がジャンプを求めていったことが原因ではないかと思っている。

女性の15歳から18歳と言うと体にふくらみが出てきて女性らしくなってくる時期である。その時期により高いジャンプを求めていったのが浅田真央の失敗だったと思う。安藤美姫も4回転を求めて調子を崩し、それを諦めて復活してきた。

自分の演技の売りをどこにするかは誰が決めているのだろう、と思う。もちろん本人の意思もあるだろうが、女子高校生には周りの影響も大きいだろう。プログラム構成を考える上で他の人がまねのできないようなものを持っていれば楽である。しかし、そこで楽をしたことが、無理な技術を追求したことになっていないだろうか?

私は、少なくとも2年前くらいまでは浅田真央の演技に他の人にはない表現力を感じていた。キム・ヨナと十分に戦えるレベルだと思う。それが最近は影を潜め、表現力で大差がついてきた感じがする。

数字で大きなものを求めるのは目標設定としては楽である。しかし、美しさという測りがたいものを追求するところに日本人の特徴があると思うので、そこを求めてもらいたいものだと思う。


FCC議長のインタビュー

2010-02-25 09:21:29 | 経済

会議の休憩時間にホテルの部屋でテレビを見ていると、FCCの議長がテレビで話していた。FCCとは日本で言うと総務省に相当する電波の管理監督をする官庁であるがアメリカの場合は政府の一部ではなく、独立した組織となっている。

その議長の話は概略以下のようである。「今、アメリカではAppleとかGoogleとかが頑張って新しい技術がどんどん出てきている。これに十分な電波を与えれば産業が発展し、アメリカはこの分野で世界のリーダになれる。モバイル・ブロードバンドに広い周波数帯を与えて競争を一層促進させたい」という、気合の入った内容である。

インターネット上の観測記事によれば今度のFCCのトップは前任者と違って通信業界との結びつきが薄い人なのでGoogle Voiceとかいった新しいサービスを推進するのではないか?狙っているのは放送の周波数帯らしい。などと書かれている。ケーブルTVの会社をモバイル事業に参入させるようなことも書いてある。

さすがアメリカ、と思われるようなダイナミックな考え方である。放送用の周波数と言うがテレビのデジタル化で空いた周波数は既に割り当てられたのだと私は思っている。まだこれから空けられる周波数があるのだろうか。

アメリカでは周波数オークションが行われるので周波数のライセンスを獲得するには多額の資金が必要である。そう簡単にうまくはいかないような気もするが、日本がケータイ先進国と言われた時代は過去の話になっていくような気がする。


ゼロの焦点

2010-02-24 02:58:44 | 生活
現在、出張でサンフランシスコに来ている。

成田からサンフランシスコに向かう飛行機の中で「ゼロの焦点」という映画を見た。松本清張の名作である。広末涼子が好きなので、見てみた。

私は「ゼロの焦点」を「点と線」と勘違いしていて博多の香椎を舞台とした鉄道推理小説のはずだが、と思ってみていたが映画はまったく違っていて、金沢を舞台とした話だった。

広末涼子の扮する新妻が、失踪した夫を探して歩くうちに次第に過去の夫の女性関係が分かってきて、戦後のアメリカ進駐軍を相手に商売をしていた娼婦との関係が見えてくる、という話である。

金沢の美しい情景、戦後の復興、女性の人権運動など時代背景などを良く捉えた映像で、ストーリーは松本清張のものなので面白いのだが今ひとつ物足りない感じがした。

松本清張のテーマによくある成功者が「自分の過去を隠す」という情念が殺人の理由にまでなる、というあたりが描き切れていない感じがしたのである。そこをきちんと表現しないと、殺人の動機が理解できないので今一つピンとこない。

最近は過去の身分が社会問題になることは無くなってきたのだが、私が子供だった「ゼロの焦点」が書かれたこの時期には、江戸時代の士農工商の名残だろうか、家柄とか経歴とかいうものが重視されており、出生の秘密などが良く小説のテーマになっていた。

韓国やインドなどではまだこういう感覚が残っているので、これらの国に輸出するとむしろ理解されやすいのではないかと思ったものである。

沖縄基地問題に見る鳩山総理の約束の本質

2010-02-21 15:42:12 | 社会

最近また話題になっているが、沖縄の基地の移設場所をどこにするかでもめている。

鳩山総理はこれまで自民党政権が取り付けたアメリカとの約束を取り消し、ゼロベースで見直して、5月末までにアメリカとの合意も取った上で決めると言っている。

これは大変におかしなことだし、言ってはならないことだと思うのだが、そういう観点からの論評は見かけない。私が問題に思うのはゼロベースで検討するなら、日本政府、アメリカ政府、地元の3者の合意が必要なのに、日本政府が一方的に期限を切った点である。

一般に交渉事は少しずつ合意を形成しながら進めるものである。それを、過去の経緯を無視して一方的に新しい決定の期限を切るというのは大変に失礼なことである。

例えば企業間での共同事業の交渉をしていたとして、社長が変わったからと言って、過去の交渉経緯を水に流し、再検討する、と発表した場合を考えてみよう。

社長が変われば方針が変わることはあり得る。したがって、過去の検討結果はいったん白紙に戻そう、と言うことはあるだろう。しかし、相手の都合も聞かずに新しい枠組みを半年後に決めると一方的に発表されたらどうだろうか? 普通は「こんなところとは付き合いたくない」と思うのではないだろうか。

鳩山総理があの発表を反省している様子はない。私が想像するに鳩山総理が「何何をします」というのは普通の人が言っている意味とは違って、全て「その目標に向かって努力します」という程度の意味でしかないのだろう。

公約の中には政府がその気になれば実行できるものが数多く含まれている。それですら、本当に実行したほうがよいのかどうかの検証すらせずに約束をしているので、その態度が外交問題にも出てしまうのだと思う。

どうして彼が日本政府のトップなのか、海外では不思議に思っていることだろう。


私のテニス経験

2010-02-21 07:43:11 | 昔話
私は会社に入ってしばらくしてからテニスを始めた。学生時代からテニスは優雅そうだし女性のミニスカート姿も良いなと思っていたのだが、周りにやる人もいなくきっかけがつかめなかった。

会社に入社して、寮を出て宿川原のアパートに住み始めた時、アパートが多摩川の堤防に近く、すぐ近くの河原に会社のテニスコートがあったので会社のテニス部に入部した。もっとも選手になって試合に出るレベルを目指すつもりはなく、人並みにでできるようになればいといった、軽い気持ちだった。

卓球の経験からストロークは比較的すぐに上達した。ボールが当たったときの手ごたえは全く違うが、手首を固定することを覚えると比較的簡単に感触をつかむことができた。卓球の経験でバックスイングでどちらの方向を狙っているかの予測ができたのでコートカバーは良かった。

その一方で、卓球にはないサーブやスマッシュなどラケットを上から降り下ろす動作はどうにも上達しない。ラケットの長さとボールの高さの感覚がどうにもつかめず、思いきるfるとスポットに当たらない。それなりに練習したのだが結局上達しなかった。

そんなわけで、ストローク中心の守備型のテニスだったが、河原のテニスコートだったのでバウンドするとボールのスピードが落ちる。私にとってはやりやすかった。しかし、都会の中の表面の固いコートは苦手だった。それでも、正式な試合に出るレベルではないが、団地などで好きな人が集まってやるようなときには十分に楽しめるレベルになったと思う。

テニスは、素人が仲間とやるときはほとんどがダブルスである。ダブルスだと自分が決めなくてもパートナーが決めてくれたりするので、楽しむことができる。卓球よりも、レベル差のある人同士でも楽しむことができるスポーツで、運動量も結構多い。メジャーなスポーツになるのももっともだという気がする。

ここ数年、やっていないが、機会があればまたやりたいと思う。

物足らない党首討論会

2010-02-19 09:31:05 | 社会

先日、党首討論会が行われて、マスコミも物足らない党首討論会だった、と報じている。私も同感である。

マスコミは「政治と金」の追及が甘い、と言っているが、私にはそれしか話題がなかったことが問題だと思える。時間の半分くらいはこの種の話でもよいが、残りの半分くらいは両党間での考え方の違いを論ずるべきだろう。いずれにせよ、これは自民党の谷垣総裁の問題である。

私としては公務員改革のことを追及してもらいたかったと思っている。特に高級官僚に関して、民主党は「権力を政治家に移すべき」と言っているのに対して自民党は「官僚をうまく使うべき」と言っており、スタンスが違うのだから話題に乗せるべきであったと思う。

谷垣総裁は民主党のやり方を「ファシズムのようだ」と何度か言っており、独裁のリスクを感じているはずである。公務員改革をして権力を自分のところに集中させるのは、独裁に向かう第2歩目である。(第1歩目は選挙に勝つこと)

独裁が悪いとは限らず、この話は明らかに相手側に問題があり、相手を攻撃できる類いの話ではない。現在の官僚システムに問題があることは多くの人が感じており、それをどう改善するか、その手法に異なった考え方があるということである。

こういう点を浮き彫りにしてどちらの考え方がどういうメリットがあるかを明らかにするのが本来の党首討論の趣旨だろう。


公務員制度改革 一般公務員

2010-02-18 08:46:18 | 社会

今日は、地方公務員を含めた公務員全般の改革についてである。私はこちらのほうが高級官僚対策よりもずっと重要だと思っている。

日本の公務員数は400万人といわれているが、公社・公団、政府系企業、地方公社地方公営企業職員を含めると2005年で538万人である。ドイツは同じ基準で570万人程度なので人口比率の公務員数はかなり少ないといえる。

一方、公務員人件費の総額は32兆円で、一人当たりの人件費はドイツの1.5倍くらいになっている。

政府は、公務員制度に関しては、総人件費の2割削減と複数年度予算を打ち出している。どちらも私は賛成である。ぜひ、確実に実行してもらいたいものだと思う。

公務員の意識は、予算遂行に関して言うと、予算どおり使いきることである。上司は予算を取ってくることに専念し、部下は予算どおり使いきることに専念する体質が染みついている。これが無駄が増えていく原因になっている。

一時的に、給与カットなどで人件費を抑えたとしても体質は簡単には変わらないだろう。公務員のそれぞれが自分の付加価値を上げるにはどうするかを考えるような仕組みを考えないとすぐに無駄が増えてしまうと思う。

公務員の意識改革を起こす最大の要因はその人事評価システムにあると思う。公務員の場合利益を求めているわけではないので評価システムが難しい。公務員に期待することは少ない支出で多くのサービスを提供することだが、支出を減らすという効率化を指標にすることはできるが、サービスの質を評価する仕組みは現在のところ存在しない。

第3者機関に公務員のサービスの質を評価するような仕組みを作り、その結果を人事評価に結び付けるような仕組みが必要だと思う。

中国の入国審査場では、審査官がパスポートのチェックをする。その審査官からは直接見えない場所に旅行者用のボタンがあって、その審査官のやり方に満足なら青、不満足なら赤のボタンを押すようになっている。私自身どちらのボタンも押したことはないが、こういうボタンがあるだけで、サービス向上の糸口にはなると思う。

今の雰囲気は一般公務員のほうの改革は流れてしまいそうな感じである。ぜひそうならないように、野党・マスコミで監視してもらいたいと思っている。さらに建設的意見があればもっと良い。


公務員制度改革で何を目指すか?

2010-02-17 12:13:44 | 社会
公務員制度改革については何度か触れたのだが、テレビの討論会とかインターネットの評論を見るとどうもおかしな意見が多いと思うので改めて取り上げる。

公務員制度改革は大きく二つに分類される。一つはいわゆる高級官僚の処遇の問題であり、もうひとつは何百万人といる公務員全体の処遇の問題である。

高級官僚の問題は、官僚たちが何かというと省益を重視して新たな財団法人などを作り、自分の天下り先としたがるという体質を改めさせようというのが主な狙いだろう。

現在の官僚たちは「予算を取ってくることが良いことだ」という縦割り行政の中でやってきたのでどうしても機会があれば「自分のところに予算をつけよう」という発想で動きがちなのは事実だろう。

しかし、その官僚の体質、あるいは仕組みを変えてどうしようとしているのか、という議論があまり見られす、「天下りや渡りを禁止する」とか「政治家が官僚を入れ替えられるようにする」とかいった話ばかりが、あたかもそれが目的であるかのように論じられている。これは手段でどういう体制にしたいのかがゴールであるはずである。

改革を行って官僚組織をどうしようというゴールには私は二つの考え方があると思っている。

一つは、官僚体制をダメにして、優秀な人材は集まらず、政治家に言われたことだけをするような組織にしようという考え方である。小沢幹事長ははっきりこれを狙っていると感じる。小沢幹事長は若い官僚に「君たちに明るい将来は無いよ」ということを示して、自分の意見に反対で気骨のある人物は早期退職して官僚組織から去るように仕向けていると感じている。

もう一つの考え方は、高級官僚を入れ替えて、省庁を超えた国全体の最適化を考えるような組織にしていこう、といういわば官僚機構を良くしようという考え方である。自民党はこちら側の考え方だと思う。

私は鳩山内閣はこの中間ではないかと感じている。つまり政府内に小沢派と反小沢派がいて意見が異なっているという印象を受ける。

最近、鳩山総理は局長や、事務次官を部長と同じ待遇にするという格下げシステムを発表した。小沢幹事長としてはこれで狙いの半分くらいは達成されている。後は特別評判の悪い人を格下げにして、待てばよい。3年もすればかなりの人が退職するだろう。 良くしようと思えば話は別である。今の人にとって変わるどういう人を持ってくるかが重要である。これからの政府の動きをみれば意図がはっきりしてくるだろう。

私に言わせればこんなことは議論するまでもなく、官僚組織を良くするべきである。しかしメディアに出てくるのは官僚組織をどんな組織にしたいかではなく、官僚の抵抗で改革が進まない、それをどうやって押しきるか、といったたぐいの話ばかりである。

官僚人事を政治家が掌握すれば日本は良くなるのか、政治家のほうがむしろ私利私欲で行動する人間が多いのではないか。誰が人事をコントロールするか以前にどういう組織にしたいかを議論すべきだろう。

高感度アンテナの開発を推奨せよ(2)

2010-02-16 06:48:51 | 社会

昨日、政府が端末用の高感度アンテナを規制している、と書いた。これは具体的には以下のような状況である。

通常電波を発射する機器は他の機器に迷惑を及ぼさないように、最大送信電力が規制されている。携帯電話の場合でいえば0.2ワットが普通の端末の最大送信電力である。

この端末に感度10倍のアンテナを付けたとする。そうすると送信する場合にも10倍の効率になり、実質的に2ワットの電力で送信するような効果が出る。これが規制されているために10倍の感度のアンテナをつけると増幅器の出力を1/10にすることが求められる。

これは端末自体を作り替えなくてはならず、しかもアンテナの向きによっては却って送信信号が届きにくくなってしまうので誰も作ろうとしない。このような高感度アンテナは、外付のアンテナとして、別部品として販売し、登山などをして困ったときにそのようなアンテナを付けるというのが自然な導入方法だと思うのだが、それは認められていない。

元々、アンテナ感度に規制が始まったのは、過去に感度を上げるために巨大なアンテナを設置する人が出たりして周りで干渉を受けるなどの苦情が出たからである。しかし、今は通信方式が進歩していて、基地局側から過剰な電波を出さないように制御することができる。

電波発射のルールも時代とともに見直すべきだと思うのである。