ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

麻生内閣について

2008-09-30 17:36:56 | 社会
麻生内閣が成立したが、世界経済などいろいろなことがあったので、コメントしないうちに早くも大臣が一人辞任してしまった。少し時期外れになるがこの内閣に関して私の感じたことを書いてみよう。

全般的にはバランスの取れた内閣であると思う。選挙対策内閣などと言われているが私の感じでは福田改造内閣よりも選挙対策色は少なく、まともに国政を動かそうとしている印象である。

多くの人がコメントしているが、選挙対策内閣、お友達内閣などと本質を外れたものが多いと感じている。コメントは顔ぶれからどんな政策になりそうかを予想するのが本来の筋だろう。辞任した中山大臣ではないが日ごろの持論が分かっているのだからある程度見通せるはずである。それをしないで派閥の割合だとか仲が良い人ばかり選んだとかいうのは皆に対してマスコミを通していうことではなく、飲み屋で友人に言うべきことだろう。

麻生氏はバラマキ型ではないかといわれていたが必ずしもそうでは無いように思う。むしろ、経済危機に対して柔軟に対応するのと選挙で票を集めること、長期的に日本の競争力を高めることを特定の方向に偏らずバランスを取ってやろうとしているように見える。総選挙後自民党が勝ったらやはり同じような顔触れの内閣になるのではないかと感じている。

組閣前は内閣ができたらすぐ解散するなどと言われていたが、補正予算を通してから解散に向かうようである。これは当然のことで、解散は国費を浪費するのだから正当な理由がないのに選挙に勝てそうだからというだけの理由で解散して良いわけがない。民主党政権になればこういう党利党略解散を当然のように行うのだろうが、これを監視するのはジャーナリズムの役割だと思っている。

今、解散ムードが高まっているが、世界経済がこのように危機に向かっているときに解散などをやって良いものだろうかという疑問もある。今後の世界経済の動向によっては補正予算成立後の解散も考え直すべきだろう。

いずれにせよ、解散ムードが高まっているので、民主党もそんなに変な行動を国会でとるわけにもいかないだろう。小沢代表などはほとんど衆議院を欠席して票集めに地方を走り回るかもしれないがマスコミはこういう面もきちんと報道してほしいと思っている

中山国土交通相辞任

2008-09-29 19:49:13 | 社会
中山国土交通大臣が任命されてすぐに辞任した。

余計な事を言いすぎたという舌禍辞任であるが、日本の社会はこういうことに騒ぎすぎる感じがする。マスコミがこういうのを探し出して騒ぎ立てることで「特ダネ」として評価されて鵜の目鷹の目で失言を探しているような感じがする。

個人的には中山前大臣の発言には同感できる部分が多い。成田の問題に関しても私も前から同じような印象を持っていたし、日教組にも同じような印象を持っている。この人はおそらく普段からこのような発言をしていてそれが歯切れが良いと周囲の人に言われていたのではないかと想像している。

しかし、大臣という立場になって実際に権力をふるえる影響力の大きな人になったのだから発言には注意してほしいと思う。国土交通大臣が日教組のことに触れる、それも何か事件が起こったわけでもないのに批判するというのはやはり唐突な感じがする。大分県の教員採用汚職事件が明らかになったときとか、何か発言が必要になった時にコメントするというのが妥当な態度だろう。

大臣には自覚がなく飲み屋での発言のようなことを繰り返す、マスコミはそれに過剰反応して叩く、といったことを繰り返して、政治家の発言が昔のように「言語明瞭、意味不明瞭」となるのではないかと心配している

エジンバラに入る

2008-09-29 15:26:10 | 生活
昨日の朝、日本を出てエジンバラに入った。スコットランドの首都である。 イギリスは3年ぶりくらいだがスコットランドは初めてである。

気温は私が好きだといった最高気温20度より低く15度くらいである。 夜暗くなってからの到着だったが上空から見ると海岸線が見える。北海につながる湾である。 昨夜は疲れていてそのまま眠ってしまったが、テレビを見ていると経済、特に金融の深刻さは日本の数倍のようである。本当に信用収縮になるのではないかという危機感が感じられる。

ホテルは街中で、目の前に大きな教会がある。朝から晩まで会議であるのであまり出歩けそうにはないが、土曜日に少し時間があるので歩こうと思っている。

朝は7時ころにやっと明るくなってくる。横浜より1時間半くらい早い感じである

小泉政治の総括

2008-09-28 10:50:09 | 社会
一昨日に続いて小泉氏が首相であった時期に日本がどうなったかを振り返ってみよう。小泉政治を振り返ることは日本がこれからどうしていくかと密接につながっていると思う。

2001年の初めから2006年の中ごろまでは小泉政権の時代であるが政治は効果が出るまでに時間がかかるので実質的には2002年から2007年くらいまでが小泉首相の影響を受けた時期といってよいだろう。この時期に関する私の見方は以下のようなものである。

バブル崩壊以後低迷していた日本の経済が回復基調になり企業は利益を得られるようになった。今のように日本の金融機関がアメリカの企業を買収したりできるようになったのはこの時期のおかげだと思う。最高益をあげた企業も少なくない。株価も上昇基調になった。 その一方で貧富の差が拡大して生活が苦しくなった人が増えたのも間違いのないことだろう。民主党はそこを攻撃している。

先に書いたように小泉首相は競争型の社会を目指していたので、これはある意味で当然の結果であると思う。むしろ、きちんと目指す方向へ日本を導いてきたというべきだろう。これで日本が良くなったと感じるか、悪くなったと感じるかは意見が分かれるところだろうと思う。

私のブログの読者は大企業の人が多いと思うのでほとんどの人は「特にどうということもない」という印象ではないだろうか。会社がつぶれるかもしれないとかいう不安が遠のいたという感じはあるが、特に良くなった感じもしない、という感じではないかと思う。一方、中小企業や農業関係者は「悪くなった」と感じている人が多いだろう。 人間、「良くなった」というのはかなり良くならないと思わないが、「悪くなった」とはすぐに感じる。つまりこの期間は大企業に働く人にとっては良くなったが中小企業や個人経営者にとっては悪くなった、というのが平均的感触だろうと思う。

それで日本全体は、良くなったのか悪くなったのかというと、私は良くなったと思う。 日本全体が良くなったというのは日本の国際競争力が回復してきたという意味である。実際私のいる情報通信産業は国際競争力は下がっているのだが、製造業全体では下げ止まった感じがあり、これは小泉氏の業績と言えると思っている。

競争社会になれば強い者は勝って、弱い者は負けるのが理の当然である。その場合個人事業などは負けるほうが普通だろうと思う。つまり、特殊な能力を持つ人以外は会社組織で営業、財務、開発などの専門家がいる組織と比べて、新技術への対応などが難しく、ついていけなくなるほうが勝ち組に入るよりもはるかに多いだろうと思う。

実際、小売業や飲食店などは独立店舗はどんどんつぶれてコンビニのようにフランチャイズ店に変わったり、系列店化したりしている。そのほうが材料を安く仕入れられるし、売れ筋もわかるのである意味で自然な流れだろう。個人商店の人は系列の下に入って前よりむしろ良くなった人とうまくいかなくなって苦しくなった人がいるが、むしろ良くなった人のほうが多いのではないかと思っている。

ところが大手企業が進出してこない田舎町や、農業は会社での運営に制約があるのでコンビニのように系列の下に入ることができずに、企業が外国から輸入してくるのに負けてしまう。こういう地域では「悪くなった」人のほうがはるかに多いだろう。これが「地方の疲弊」と呼ばれる実態だろうと思っている。

まだまだ頑張ってはいるが頑張りきれないで今後さらに悪くなる候補者もまだたくさんいると思う。

それではどうすべきか、「大企業は悪だ」と決めつけて農業を含めた個人事業者に補助金を出して生きていけるようにすべきなのか、ほかに何か手はないのか、が次の総選挙の後の政府の考えるべきことであり、これからの一連の国会審議や戦況公約で政治家が何を打ち出すかが注目の的である。

私自身は「元に戻す」ような動き方はあり得ない発想だと思っている

多摩プラーザ散歩

2008-09-27 13:57:42 | 生活
今日は大分涼しく、午前中にたまプラーザ方面を散歩してきた。家内は涼しすぎるというが私は最低気温10度、最高気温20度位が一番好きである。

あざみ野から多摩プラーザ駅前まで行って、多摩プラーザの団地から尻手黒川線に出て王禅寺ふるさと公園を経由して帰ってきた。多摩プラーザの団地の歩道橋を見ると昭和43年8月竣工とある。まだ田園都市線ができていないころである。団地はエレベータのない5階建てであるが棟の間は広く開いており緑が豊かで歩道も幅広くゆったり取っている。いかにも住みやすそうな感じがする。

こういう団地を造って沿線に一切踏切のない電車を走らせることによって高級感のある街づくりをして富裕層を呼び込む。東急電鉄の大きな構想を感じる。 団地を抜けると一戸建ての住宅街であるが個々の区画が広く高級住宅地という感じである。このあたりはまだ空地がありいまでも造成が進んでいるが、最近の街づくりにはそれほどの特徴を感じない。東急も五島昇までか、と思う。

木の葉はまだ青々としているが柿の実は色づき始めている。これからしばらくの間、散歩をして帰りに「湯けむりの里」のスーパー銭湯に行くのが私の楽しみとなる。 その「湯けむりの里」だが、前に新装開店してきれいになったが工夫が見られなくなったと書いた。新装開店してから3か月が経過して、あちこちで蛇口が壊れるなどの不具合が出始めた。ここをどう乗り越えるかが正念場だと思っている。

明日から、イギリスへ出発の予定である

小泉元首長、国会議員を引退と発表

2008-09-26 15:51:10 | 社会
元首相の小泉純一郎氏が国会議員を今期限りで引退し、次回の総選挙には出馬しない意向を漏らしたというニュースが流れている。

今朝の新聞でも大きく取り上げられていた。通常、この種のニュースが流れるとその人の業績を簡単に振り返るものだが、毎日新聞の記事を見て失望するというよりむしろ呆れてしまった。

小泉氏の業績としてあげられていたのは、郵政解散の大勝利、刺客、靖国神社の参拝、北朝鮮の拉致問題対応、劇場型パフォーマンスであり、申し訳程度に郵政民営化や、アメリカ型の経済を目指したと付いている。要はその人の総理の時代が日本に何をもたらしたかにはほとんど興味がなく、ニュースになるイベントだけに興味があるという、日本のマスコミ特有の記事であると感じた。

私自身は小泉元総理を高く評価している。小泉氏の行動は一見乱暴なような面もあるがその行動にはきちんと筋が通っていたと思う。小泉氏の目指したのはアメリカ型の透明な環境での競争原理を軸とした社会である。

そのために始めたのが政治家、官僚、企業が癒着して出来上がっていた既得権とそれに伴う収益の構造を壊して透明性のある社会を作ることである。最も大きいのは郵貯と道路族関係だが小泉氏は郵貯に眼をつけた。これをやると自民党の収益源を断つことにもなるので、彼が言っていた「自民党をぶっ壊す」は本音であったろうと思っている。 経済的スタンスとしてはアメリカの共和党スタイルなので、アメリカと仲良くして中国を敵視するような態度で一貫していた。

自らの資金源を断つ、というのは大変難しいことである。小泉氏自身は郵政族の資金は受けていなかったとしても、自民党の財政基盤が揺らぐような改革を行ったのは「このままでは日本は世界と戦えなくなる」という危機感からだったろうと思っている。おそらくマスコミは郵便局が減ってお年寄りが不便になる、位の認識しかなかったのだろうが。

現在の自民党は昔の構造に戻そうとする勢力が勢いを増している。しかし、いったん崩れたものは元には戻らず、徐々にあるべき姿に進んでいくだろうと思う。麻生総理も逆戻りするところまではやらないと思う。

私は最近、デイ・トレーダーとか空売りで儲けた利益には高い税金をかけるべきだとか言っているが、これは納得性は得られても実行に移すのは極めて難しいだろうと思っている。それはこういうことを決める立場にある人たちが、実際にはこのような投機で利益を上げているだろうと思うからである。

小泉元首相のような政治家の資金源に踏み込むような人はこれから何十年も現れないのではないかと思っている

哲学とは何か

2008-09-25 07:19:39 | 生活
昨日、日本の金融機関には哲学が必要、と書いたが哲学とは何だろうか?

高校の世界史でギリシャ哲学とかカントの哲学とかいうのを習ったのが私が「哲学」という言葉に触れた最初である。その時は哲学とはどういうものを指しているのか理解できなかった。哲学者という学者がいるので学問の一種かと思ったが学問にしては継続性というか蓄積性といったものが無いように感じた。周りの人に聞いてみたが納得いくような答えは得られなかった。

岩波文庫に「哲学とは何か」という本があったので買って読んでみたが、一般向けの本ではなく哲学を専門にする人向けの本のようで私にはさっぱり理解できなかった。それ以来、哲学に対する興味は失せていた。

40年たった今、私なりに「哲学」の意味を理解できているつもりである。人間国宝のような人に「あの人には哲学がある」ということがよくあるが、ここで使われている哲学が学問としての哲学とおなじものだと思う。つまり、「何が自分にとって幸せか」ということに対しての答えが哲学だと思う。哲学者とはそれを一般化して「何が人間にとって幸せか」を深く追求し言葉に書き表す人たちのことだと理解している。

その意味では哲学は宗教に近いと思っている。宗教との違いは宗教は布教活動をして積極的に広めていこうとするのに対して哲学は自分の考えを公表するのにとどまって「他の人を救おう」というような押しつけがましい面がないところだろう。

いずれにせよ今の日本には「お金を持つことが幸せ」という哲学があまりに強すぎる感じがしている。お金が不足するのは困るが、ある一定以上のお金を持っている人たちが「哲学」を語り合う場をもっと設けてもよいように思っている

日本企業のアメリカ金融界進出

2008-09-24 08:44:38 | 経済
ノムラがリーマン・ブラザーズの一部を買収し、東京三菱がモルガンスタンレーの大株主になるということが大きく報道されている。

「英断だ」とか「うまくいかないだろう」とか色々な人がいろいろなことを言うだろうが、私に言わせると「違うんじゃないの?」という感じである。

何が違うかというと「目指すべきところが違う」と感じている。 今の金融資本主義の頂点に立っていたのが現在苦境に立っているアメリカの証券会社や投資銀行である。そしてこれらの会社が苦境に立ったのは戦略の失敗とかいう表層的な問題ではなく「金融資本主義自体を見直す」必要が出るところまで来ていると私は思っている。これについてはすでに何度か書いてきた。

ヨーロッパの金融界は何となくアメリカ型とは異なる自分の哲学を持っていて、しかし土俵がアメリカ型ならそこで戦おうとしているような感じがするが、日本の金融界は独自の哲学はなく、アメリカ型を目指しているのだが実力不足でできなかった、という印象である。そこでアメリカがうまくいかなくなったこの機会に進出しようということだろう。

日本の製造業が力をつけてアメリカに進出していった70年代から80年代にかけて、アメリカは対応策を検討し、製造業はあきらめる。そして知識集約型産業に注力する、という方針を打ち出し、プロパテント政策を引いて知識産業を保護するようになった。この結果一定の成果を収めたが、プロパテント政策自体の見直しが言われ始めているので大成功とは言い難い。とにかく、アメリカの製造業は苦境に立ち、弱体化していった。

現在、このような大きな動きに相当する方針の見直しが、アメリカ内部で金融業に関して論じられていると思うし、そうでなければ世界全体が不安定になると思う。ひょっとするとヨーロッパから新しい枠組みが提案されるかもしれないとも思うが、その場合は長い時間をかけて移行していくことになるだろう。

いずれにせよ、日本の金融業界の今なすべきことは、手を広げることではなく、足元を固めて、「金融業界が産業全体に貢献するには何が必要か」といった「哲学」を持つことであると思う

秋分の日

2008-09-23 08:35:16 | 生活
今日は彼岸の中日である。 「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので今日は朝からすがすがしい秋空が広がっている。

ウィトラは旗日は休みにしておらず、原則として土曜、日曜だけを休日にしているので今日も朝歩いて出勤してきた。ちなみにトヨタも土日のみの休みだそうである。

鶴見川沿いの梨畑は実がほとんどもぎ取られて残っているのはわずかになった。代わりに栗の毬がはじけて中の実が顔を出している。10月からは栗の季節だなと思う。

やはり休日なので川沿いを走っている人が多い。プロのような猛スピードで走っている人もいれば、殆ど歩くようなスピードで走っている人もいる。私も12月のチャリティーランニングに参加することにしたので少しはトレーニングをしようかと思う。走ると言ってもわずか2Kmだが全く走っていないと筋肉痛を起こしそうである。

ハイキングシューズを履いて、リュックサックを背負って歩いていたので熟年夫人に「お山に行くの?」と声をかけられた。「いえ」とだけ言ってすれ違ったが、何となくさわやかな気持ちが残った。その人もリュックサックを背負っていた。

今度は丹沢へでも行こうかと思う

アメリカ政府の経済対策

2008-09-22 10:12:22 | 経済
アメリカ政府が金融機関から不良資産を買い取る発表をしたことで安心感が広がって株価は戻している。しかし、このまま安定状態に入るかどうかはまだしばらく推移を見極める必要があるだろう。

ベアスターンズ救済から始まる一連のアメリカ政府の対応に対して場当たり的だという批判が多いようだが、私はリーマンを救済しなかったことを含めて的確だと思っている。日本政府ではこうはいかなかっただろうな、とも思う。アメリカの場合には問題は自国にはとどまらず世界的規模になる。世界の中央銀行と連携しての動きには底力を感じる。

私が、今回の対応で注目しているのは不良資産買い取りよりも、「空売り」規制である。先に書いたように私は「空売り」が今回の問題に大きく影響していると思うので、この方が安定化には効果があると思っている。規制すると全体の取引額が減少するので株式市場にとっては全体としてマイナスに働くだろうが、安定化には大きな効果があると思う。

そもそも、持っていないものを「売る」というのは変な話である。私には投機をあおっているとしか思えない。2月17日の記事で書いたが、このような投機的動きには規制をかけるべきだと思っている。いきなり禁止すると影響が大きいので投機で得た利益に対しては税率を高くするのが適当であると思っている。

ある会社に投資してその会社が何年も後で成功して株価が上がったという利益と、持ってもいない株を売って値段を下げ、買い戻して得た利益とは同じ株の売買による利益でも性格が違うと思う。2月17日の記事では一日のような短期の売買に対して税率を上げてはどうかと書いたが、空売りによる利益も同様に税率を上げるべきであると思う