また、英国Economist誌からの話題で男女の関係に関する話題を2代紹介しよう。
1)健康な国では「女らしさ」がモテる
フィンランドの大学の研究結果だが、世界各国の男性に色々な女性の顔写真を見せて「好ましいと思うか?」を聞いた。その結果を女らしさ(フェミニン度合い)で分類するとはっきりとした傾向が出たと言う。下の図がその結果だが、日本は突出して女らしさを好んでいる。縦軸が女らしさを好む度合いで、下のほうの国はいかつい顔の女性を好むと言うことである。研究者はこれは国民の健康と関係があると考えた。つまり健康状態が悪い国では子供を育てるために強さが求められるので男らしい女性が好まれると考えたのである。それを横軸にしてプロットしたのが下の図ではっきりとした相関関係が出ている。何で健康度合いを測ったのかは書いていないが平均寿命ではないかと思う。
しかし、長年日本で暮らしていた日本人としては今一つピンと来ない。私が生きてきた時代の中で日本人の健康度合い(少なくとも平均寿命)はかなり上がったはずだが、好まれる女性についてはそれほど変わっていないように感じる。日本人の健康度合いが変わったと言ってもナイジェリアやネパールとは大分レベル差があるだろうから、誤差の範囲と言うことかもしれない。いずれにしても興味深い話である。
2)中国では「嫁に行き遅れるな」キャンペーンを始めた
中国共産党が都市部で「女性が結婚相手に高望みをしすぎると、結婚が遅れてしまう。年をとると自分の価値も下がってくると言うことを認識すべきだ」というキャンペーンを始めたそうである。中国では毛沢東の改革開放路線で女性の地位が一気に上がり、現在でも中国における女性の地位は日本よりはるかに高い。しかし、近年では徐々に女性の地位が低下してきているそうである。1990年、中国の都市部での女性の給料は男性の78%だったが、2010年には67%に落ちたそうである。就業率も77%から61%に落ちている。更に、離婚した時の財産分与も女性に不利な方向に向かう法律改正が行われていると言う。中国では女性を職場から台所に戻そうとしているようだ、と同誌は言っている。それでもまだ日本より女性の地位はかなり高いが気になる傾向だ、と結んでいる。