昨日は、神保町にある学士会館に囲碁を打ちに行き、帰りに古本市を見た。路上に古本を売る屋台が出ていて、分野別に様々な本が出ている。単に古本を売っているというより、お祭りのような感じで、空揚げやビール、流しそうめんの屋台も出ていた。大通りではなく裏道で屋台が出ているので道が狭くなっているうえに人出が多く、なかなか歩けないような感じだった。古本市は古本を見に行くというよりお祭り感覚で行くもので、古本を買いたい時は普段の空いている日に行くほうが良いという感想を持った。
あざみ野に帰ってきて、駅近くのイデアリーナという高級住宅街を通りかかると、各家の前にお母さんたちがきれいに包装されたお菓子を並べた屋台を作っており、子供たちはマントのようなものを着て集まっている。ハロウィンのイベントの準備をしているのだと分かった。ハロウィンのイベントが日本で行われるようになったのは最近で、年々派手になってきていて、経済的効果も高まっているという。私は大人になってからはハロウィンで何かしたことは無いのだが、かすかに子供のころの記憶が残っている。
多分私が小樽に住んでいた小学生の頃だったと思う。大きな缶詰の空き缶に釘で穴をあけ、中にろうそくを立てて「カンテラ」を作る。日が暮れると子供たちは各々カンテラを持って、家々の前で「♪ろうそく出せ、出せよ。出さないとかっちゃぐぞ(ひっかくぞ)」と謳う。すると家のおばさんが出てきてろうそくと、お菓子(飴玉など)をくれる、ということをやった記憶が残っている。10人くらいの子供たちで練り歩いたような記憶がある。季節は秋だったと思う。その時「ハロウィン」などという言葉は使っていなかったと思うが、あれは「ハロウィン」のイベントだったのではないかと今にして思う。小樽には小学校1年から5年まで住んでいたが、小樽以外ではこのようなことをやった記憶はない。小樽全体でやっていたのか、私の住んでいた家の近くだけでやっていたのかは分かっていないが、お祭りのような商業的イベントではなく、ご近所のイベントだったと思う。イデアリーナでやろうとしていたイベントに近い感じである。
50年以上前の話で、当時の小樽は札幌に次ぐ北海道第2の都市だったが、田舎町でまだ馬車で荷物を運ぶ人もいて、道に馬糞が落ちていたような時代である。誰か海外生活をした人が居てその人が持ち込んだのだとすれば当時としては随分おしゃれなことをやっていたと思うし、それに乗っかったご近所さんも先進的だったな、と今にして思う。そのハロウィンのようなイベントは小樽で今でも続いているのだろうか。