ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

今は本当に円高か?

2012-06-27 07:01:23 | 経済

今は円高だと言って皆が騒いでいる。もっと円安に誘導しないと大変なことになると多くの人が言っている。今が本当に円が実力以上に高く、それが投機的な動きで支えられているのなら、いずれ修正が入るだろうと私は考えていた。しかし、なかなかそうはならない。ユーロが危ないからだと皆思っているだろうが、本当にそうなのかを考えてみたい。

2007年頃、1ユーロは160円くらいだった。1ポンドは250円くらいだった。当時私は良くヨーロッパに出張していてポンドは明らかに高いと感じていた。物価が全て高い感じなのである。良くこれでイギリス国内で問題にならないものだと思っていた。考えてみるとイギリス国内には製造業は殆ど無く、強いのは金融や資源関係なので問題になっていないのかと思っていた。ドイツも物価が高いと思っていた。それでもドイツの大幅な輸出超過で、私は不思議に思っていた。

今はポンドは120円くらい、ユーロは100円くらいである。今ヨーロッパに行けば物価が安いと感じるだろうか? 少なくとも2010年末くらいまではヨーロッパに行っていたのだが特に物価が安いとは感じなかった。高かった物価が調整されて同じくらいになった、という印象である。従って、投機的な動きを別にすると、このままの状態で行くのではないかという気がする。

加えて日本はデフレで物価が下がっている。これが続けば日本の物価は割安になり数年後にはまた円高に向かうことも考えられる。デフレが問題だということは多くの人が言っている。基本的には国民が物を買わなくなっているからだ。なぜ物を買わないかというと、経済的先行き不安と、高齢化して物を必要とする人口が減っているからだ、ということだと思う。後者は今後50年くらい変わりようがないので前者に対する対策をかなり抜本的に打たなくてはならない。

民主党政権は年金・社会福祉を抜本的に改革してこの先行き不安を払拭しようとしたが無理だと分かり、増税に転じた。しかも今回決まった内容では社会福祉のほうの改良は小さなことなので先行き不安は一層強まるだろう。

なぜ、先行き不安があるかというと企業の業績が良くないからである。もともと日本企業の利益率は低かったのに円高に見舞われたので輸出企業の業績は大幅に悪化した。それを人件費を減らすことでしのいでいるので業績は回復しても、社員は先行き不安になっている。

日本人の給与は21世紀に入って下がり続けていると言われているが、欧米先進国と比べて安いというレベルではなくほぼ同レベルだろう。一方で日本の工場労働者の品質や効率は世界でトップレベルに高いと言われている。それなのに、なぜ利益は出ないか?

いわゆる6重苦という問題が足を引っ張っているのだと思う。税金や、運輸、交通と言った社会インフラが効率が悪い。この悪い部分の改善が遅々として進まない一方で海外企業の生産効率はトヨタ方式を真似たりして着々と改善している。それで輸出型企業が苦しんでいるのだと思う。内需型企業、(例えば電力会社のような会社)は国際競争にさらされていないので余り円高の影響を受けない。しかし本来ならこういった企業は最高益になるはずである。それがそうならないのは、問題が起こらなければそこに安住する(更に高みを求めようとはしない)という性格と、極端な安全を求める国民性にあると思っている。従って、内需型企業の国際競争力低い。

製造業が人員削減を含め国際競争力を維持することで円高を継続してきた。しかしそれにも限界が来ており、遠からず輸入超過になるだろう。そうなれば円安に向かうはずである。そして一度その方向に向かい始めると相当に長期間続くだろうと思う。一度失った製造業の強みはそう簡単には取り戻せないような感じがするからである。


消費税増税法案、衆議院で可決

2012-06-26 17:02:36 | 社会

消費税の増税法案が衆議院で可決された。50代の後半の人数の民主党議員が反対したそうだから、全員が離党すれば少数与党になる。これからしばらくこの話題で持ちきりだろう。

今回の件に関しては私は小沢氏の行動のほうが筋が通っていると思う。私の意見は自民党に近いので、野田総理に近いのであるが、野田総理の行動は筋が通っていないことは事実だと思う。

増税は待ったなしというがそれは政権を取ってから分かったことではないはずである。政権を取ってから何が変わったか、政権を取る前から国庫が厳しいことは分かっていた。しかし、民主党は無駄を省けば年金や福祉を増額できると言って選挙に勝った。

実際に政権を取ってみると財源が出てこないことが分かったので増税に走っているのだろうが、どこが誤算であったのかを野田総理は明らかにしていない。例えば公務員給与を2割削減と言っているが全然削減していない。8%削減と言っているがこれは地震対応の時限措置であり恒久的財源では無い。その一方で子供手当、最低補償年金など支出はどんどん削っている。どこが誤算であったかの認識が小沢氏と野田総理で異なっていると思うが、それを納得のいく形で明らかにしない以上、「選挙の時から増税が必要と思っていたのに、それを隠して選挙を戦った。不誠実だ」と言われるのは仕方がないだろう。

自民党は反対派を処分しないと参議院で賛成できないと言って圧力をかけている。民主党が分裂する可能性は高いだろう。自民党の中にも小沢氏に近い考えの人はいる。それぞれ分裂して再編するのが妥当だと思う。

今最も重要なことで意見が割れているのは経済政策だろう。経済政策の近い人たちが集まる政界再編を期待している。


大阪維新の会の今後

2012-06-25 09:17:11 | 社会

土曜日のウェークアッププラスに橋下大阪市長が出演していた。この番組のキャスターである辛坊氏と仲が良いのでこの番組に良く出演する。インタビューの仕方を聞いていても友達同士であることが感じられる。

それはともかく、「半年で結果を出す」と豪語していた割には成し遂げたことは少ない感じがする。まだ検討中のものが多いということだろう。方針は大分前からホームページに出しているということだから、実行に移す段階で難航しているということだろう。良くある話である。

並行して、国政進出を意識して橋下塾、正式には「維新政治塾」を開催している。400人の募集に3000人集まり、そのうち2000人を選抜して授業を行い最近、900人に絞り込んだとのことである。更に絞りこむ、としている。

維新の会は正式な政治団体ではないので政党助成金はない。橋下塾も手弁当でやっているのだろう。松下政経塾のような本格的な教育は望むべくもなく、候補者選抜の手段であることは明らかである。

私は、大阪都構想を含めた橋下構想には基本的に賛成である。大飯原発再稼働に関する発言には「?」であったが落ち着くべき所に落ち着いた。それ以外はほぼ賛成と言ってよいと思う。一つだけ、しかし大きな方針で気になるのは地方分権、つまり国の権限を地方に移すべき、という意見である。

私は大阪都構想には賛成だが、特区の感覚で大阪だけに適用すべきだと思っている。しかし政府民主党の動き方も、橋下氏の動き方も国全体の仕組みを変えようという方向で動いている。これには大きな危惧を抱いている。

大阪では橋下氏という問題意識の高い人が知事になり、行政をやる上で問題を感じ、それを実行するためにブレーンを集めて行動に移した。この点には高い評価をしているが他の地域ではそうではない。例えば名古屋の動きは偽物っぽい感じを受けているし、問題意識を持っておらず今の仕組みの中でやれることだけをやっているというのが大多数だと思う。つまり、権限を委譲されても移譲された側で使いこなすだけの人材がいないということだと思う。そういう状況で権限移譲を行えば日本の中にギリシャのような地域が出る可能性が高い、と思っている。

大阪では意識もあり、人材も揃ってきた。まずここで突っ走ることを許すべきだと思う。それがうまく行きそうになって次々と同じような構想が出てきたら、そこにもやらせてみる。成功例が3つくらい出る頃になると、ノウハウもたまり意識の高い人で動く人が増えてくるので全国展開できると思う。

維新の会が国政に打って出ることには賛成である。しかし、地方全般への権限移譲はじっくり時間をかけてやってほしいと思っている。


民主党の議論の仕方

2012-06-24 14:50:43 | 社会

民主党は小沢派が分裂して新党を結成するのではないかと言われている。この結果、どういう体制になるのかはわからないが個人的にはそうなったほうが良いと思っている。今の民主党は党としての方針があるとは思えない。前回の選挙を戦った民主党と今の民主党は全くやっていることが違うし今後はまた変わる可能性もある。基本方針があって、細かい実現手段が違うというレベルではない。

今回書こうと思ったのは民主党の両院協議会の議論である。議論は全くまとまらず、前原政調会長が一任を取り付けたと言われているが、「一任をお願いします」といってさっと居なくなった、と言っていた人もいる。まともな議論をしたとは思えないのである。

以下は私の想像だが、増税賛成派と反対派がそれぞれ自分の意見を主張し合うだけで全く相手の言い分を聞き入れようとしない。それで、前原氏が議論を打ち切ったのだと思っている。TPP参加の時もそうだがこういう国論を2分するような議論の場合に発言する人は相手が何を言おうが最初から聞く耳を持っておらず、自分の意見を言うだけだという感じがする。

私が参加していた国際会議でもそういうことは良くある。上司から「このアイデアをつぶしてこい」とか言われて、相手の言い分がどうであれ譲る権限は持たされておらず、同じ意見を繰り返し主張するだけの人というのがいる。こういう会社はいくらその人と話をしてもらちが明かないので一旦議論を打ち切ってその人が上司と相談して意見を見直すのを待つしかない。こういう会社は会議の中では存在感を持つことはできず、重要な情報も入らなくなる。その場である程度判断できるような人を出している会社が議論をリードしていく。

日本の会議では発言する人が殆どこのパタン、つまり意見は議論の流れと関係なく決まっている人が主流だという感じがする。そして最終的な意見は別の場で決定される。国会議員などはそれが普通だと思っているのではないか、と感じられる。

日本式は日本だけでやっているわけではなく世界中でやっている。しかし、そこの重みのかけ方の違いが、判断を現場で行わず、判断が遅い日本企業という文化につながっているような気がしている。


無線技術の今後の動向

2012-06-21 09:56:58 | 経済

先週、3GPPで無線技術の将来を語るワークショップが開催された。私が長年関わっていた団体であり、現在のモバイル通信には大きな影響力を持つ団体のワークショップで世界から40社以上が将来ビジョンをプレゼンした。

移動通信がこれだけ広く社会インフラとして定着した現在、この分野では3GPP以外の団体で社会に大きな影響を与えることはここ4-5年は難しいだろう。その意味では無線技術の将来を俯瞰する重要な機会だと思って注目していた。スロベニアで行われて出張予算を持たない私は参加できなかったのだが、資料は一通り見た。

率直に言って物足らない感じがする。無線技術は飽和に近付いており、それほど大きな技術革新はもう来ないだろうとは私自身も考えており、そういった意見を人に話したりもしている。しかし、実ビジネスとしてはこれからまだまだ大きくなる分野であり、社会的な影響も大きくなるはずである。利用者が増えるので周波数資源が不足するというのは世界的な共通認識である。学会では無いのだから実用的な観点を含めて工夫の余地はまだまだあるはずである。

3GPPといえば世界のトップレベルの企業の、トップレベルの技術者が集まる場であり、こういった企画があればその中でも選りすぐりの人が集まるはずである。実際250人ほどが集まったらしい。しかし、誰かが言っていることを繰り返しているようなものが多く、イマジネーションが不足している感じは否めない。

こういうことを書く以上、自分で何もアイデアを持っていないのではつまらない。私自身のもやもやとした考えは整理しておこうと思っている。内容には不満があるが、この時期にこういった企画をしたのはタイムリーであり業界を引っ張っていく上で重要なことだと思っている。このワークショップを企画した現在のRAN議長(日本人)には敬意を表したい。

 


昨夜の嵐

2012-06-20 09:38:54 | 生活

昨日は台風が来た。夕方、台風が接近することは分かっていたのだが私は軽く見て小さな折りたたみ傘しか持っていかなかった。18時くらいまで総務省の委員会に出席して、帰りの電車は遅れた。台風の影響ではないと思うがものすごく混んでいた。

自宅はあざみ野駅からバスに乗りバス停から5分くらい歩く。7時半頃だったが、その5分の間にびしょ濡れになった。風はまだそれほど強くは無く、傘が壊れることは無かったが、雨が強く、傘は上半身を雨から防ぐ程度にしか役に立たなかった。家では家内が風呂を沸かしてくれていて、さっぱりとした後で夕食を食べた。9時頃からは風も強くなってきた。関東地方は直撃はされなかったが、いわゆる「台風が来た」という状態になった。

梅雨時は低気圧が日本にかかっているので台風の通り道になる。、この時期に台風が日本を通過することはおかしくないのだが、この次期は台風はあまり発生しない。あるいは発生しても大きくはならないのが普通なので私は軽く見ていた。しかし、昨夜の台風は雨風ともに私の予想をはるかに超えていた。これも地球温暖化の影響なのだろうか。

今朝は、台風一過で晴れている。まだ風は結構強いが気持ちよくウィトラの新オフィスまで歩いてきた。道には台風で折れた枝がたくさん落ちていた。結構太い枝も折れておちている。こういった強風で枝が折れたりするのは、木にとっては弱い部分を整理することになり悪くないと聞いたことがある。私の今の通勤路では団地の並木林の中を歩いてくるので、ある程度選定などの手入れされている林のはずだが、やはり人の眼では分からない、勢いを失った枝があるということだろう。

自然の摂理としてこういったことがあるのを素直に受け入れたいという気持ちになっている。


増税法案可決へ

2012-06-18 08:18:40 | 社会

この週末には大きな動きがいくつかあった。増税法案で与野党の合意ができたこと、大飯原発再稼働の正式決定、ギリシャの再選挙などである。今日は増税法案について書いてみたい。

政府は「税と社会保障の一体改革」と呼んでおり、マスコミも正式発表するときはこの名前を使っているが、実態は単なる増税法案である。社会保障のほうの「一体改革」と呼べる大きな部分は全て棚上げされ、現行の社会保障に細かな修正をしたものだけが合意された。実態としては自民党が出した合意案を民主党がほぼ丸のみすることで自公民の合意がなったのだと理解している。この点に関しては妥協案を提示した自民党の茂木政調会長を私は評価している。今週、民主党内の反対派が色々画策するだろうが、自民と公明を味方につけた影響は大きく、、たいしたことはできないだろう。

私は増税自体には反対ではない。多くの国民がそうだろうと思う。しかし、国民にとって痛みを強いる増税法案を通す際に他の様々な不合理を正すということは結局何もなされなかった。今後独立した議論として扱われていくことになるだろう。消費税が現状5%というのは他の先進国よりも低く、国家財政を立て直す原資がある、とは皆思っていたのだが、その余裕が5%無くなった。つまり今回の5%の消費増税は単に国のカネで生計を立てている地方を含めた公務員、各種公共団体、国からの受注が大きなウェイトを占める企業などの人達に役に立つことに使われてしまうだろう。そして最終的には20%の消費税にする必要があったのが最終値が25%に上がった、ということにつながる可能性はかなり高いと感じている。

国家財政を立て直すために様々なことが議論されている。「身を切る改革」、「社会補償の見直し」などなどであるが他のものはおそらく時間がかかるだろう。来年の国会で、「国の財政は消費増税で改善した」というような議論が出てきたら、この増税は失敗だったということになると私は思っている。今後の推移を見守ろうと思う。

野田総理の増税に対する意欲は大変なものである。増税という国民に痛みを強いる政策を決められない日本の政治と決別しようという気持ちは分からなくはない。しかし、増税は目的ではなく手段のはずである。その手段の実現のためになりふり構わず突っ走るという姿勢にはやはり違和感を感じている。


総理の専権事項とは?

2012-06-15 08:07:18 | 社会

良く、「衆議院解散は総理の専権事項」ということが言われる。解散を決定する権限は総理大臣個人にある、という意味で使われていると思う。このブログにも書いたことがあるが私はこの言葉に違和感を持っている。

調べてみると、解散権限が総理大臣にあるというのはどこにも書かれていない、より厳密に言うと解散の権限は天皇にあるが天皇は政治判断を行わないことになっているので、実際は誰かの進言によって解散を決定する。それが誰かということはどこにも書かれていないということらしい。解釈として解散の権限は内閣にあるというのが(国会では無くて)通説である。内閣不信任案が可決されると内閣総辞職するか衆議院を解散しなければならない、ということは明記されているのでそのあたりから来た解釈だろう。

しかし、解散権は内閣にあって総理大臣個人にあるのではない。解散するときは閣議を開いて閣僚の全員一致で決めることになっているようである。小泉内閣の時には解散に反対した閣僚がいた。そこで小泉総理はその閣僚を罷免して自分がその役職を兼任することによって解散を決定したそうである。

つまり、解散権を総理が持つというのは閣僚の任免権を総理が持つ、というところから来ているようである。衆議院選挙が終わると過半数を握る与党から総理大臣が選出される。そしてその総理大臣が閣僚を任命する。従って閣僚の任免権が総理大臣にあるというのは納得できる。

しかし、閣僚の任免権に関してでも「総理の専権事項」と呼ぶことには私は抵抗感がある。野田総理は最近、内閣改造を行った。国会で野党が「どうしてこの人を変えたのか?」と質問しても「現在の情勢にマッチしているからです」としか回答しない。これで良いのだろうか。

総理が大臣の人事を行うこと自体には問題は感じない。しかし、国会会期中に大臣を変えるとなれば国政の継続性に問題が生じる。それをあえて行うことに対する国民に対しての説明責任はあるはずである。野田総理はその責任を全く果たしていない。解散に関しても同様である。解散を総理が決めること自体には問題は無い。しかし衆議院を解散すれば国政は停滞するし、費用もかかる。国民への説明責任はあるはずである。つまり、「反対派を困らせるための解散」は許されるべきではない。

今の政治家はこの点をはき違えているとしか思えない。昨年菅総理の頃に「菅おろしをするなら解散」といったことが報道された。こんなことも許されるはずがない。政治家が間違えているならマスコミがいうべきだと思うが、マスコミは「解散しそうだ」ということは大々的に報道するが「解散に大義はあるのか」ということは追及しない。

この問題に関しては政治家はほぼ全員がはき違えていると思うので政権交代しても変わりそうにない。国民が声を上げるしかないと思うのである。


野田総理の原発再開宣言で感じたこと

2012-06-12 08:38:11 | 社会

野田総理が原発再開宣言をテレビで国民に対して行った。これで実際に原発は再開されることになると思う。批判的な意見が多いが私は原発再開賛成論者である。

テレビで聞いた感じでは「私が大丈夫だというから大丈夫なんだ」というようなトーンでやや説得力に欠ける。もう少し事実を踏まえたうまい言い方は無いのか、と思うが、基本的には原発は再開したほうが日本のためには良いと思っている。私の原発に対する意見は以前にも書いているが今から50年くらいたって原発停止、22世紀に入って全て廃炉、くらいの極めてゆっくりした原発削減が本来あるべき姿だと思っている。その意味ではまだこれから10年くらいは原発を作ることがあっても構わないくらいだと思っている。

原発に事故があったと言っても、まさに予想もしない大津波が来たからで、津波対策はおそらく既に取れているだろう。問題は一旦事故が起こったときの対策が十分ではない点だが、万が一事故が起こったらどう避難するか、政府はどういう情報を流すべきかは十分に練っておく必要があると思う。福島原発事故の反省を受けてある程度はできていると思うが、きちんと整備しておくべきだろう。しかし原発を稼働させないというのは、20mの津波が来たので標高20m以下のところには建物を建てないというのと同様に過剰反応だと思っている。

私が野田総理の会見で不満に思ったのは、菅前総理の脱原発宣言との関係を一切言わなかった点である。私個人の意見としては菅氏の方針は人気取りの間違った方針だと思っており、野田総理の方針のほうを支持しているが、民主党政権の方針としては明らかに異なったものだと思っている。一切触れずに違うことを言ったために民主党政権の方針には継続性が無いことが一層明らかになった。これまでは選挙前のマニフェストと実際にやることが違うという指摘がなされていた。この原発問題は1年以内の方針転換であり、民主党は党としての方針を持っていない印象が一層強くなった。仮に野田氏が次回の民主党党首選で負けて別の人が総理になったらまた全く違う方針を打ち出すだろうという不安定さを感じる。

もう一つ、テレビに出てくる評論家の類の人は一様に野田総理を批判している。私は自分の身を守るためにそう言っておいたほうが安全だという意識が働いているのだと思うが、本当に大部分の人が再開反対で、私のような意見は少数派なのだろうか、気になっている点である。


高校の卓球部のOB会

2012-06-11 09:28:44 | 生活

昨日は、高校の卓球部のOB会があった。私は高校は卓球部、大学は囲碁部だった。こういうクラブ活動のOB会には特別な用事が無い限り参加することにしている。異なった年代、異なった職業の人が趣味を切り口に集まる、数少ないチャンスだと思っている。

囲碁部の場合は、集まって碁を打つことができる。囲碁は年齢制限が無く、たいていの人は今でもやっている。卓球の場合には集まって卓球をするというのは極めて難しく、幹事に大変な労力がかかる。従って、集まって酒を飲む会ということになる。大阪の高校なのでOB会長は関西在住だが昨日はその人が東京方面に出てきたということでそれをきっかけに持たれた会だった。

こういう会は年代別に集まる世代と集まらない世代が分かれる。私の世代は良く集まるほうである。会長の話によるとここ数年間女子部員がいないそうである。一度居なくなってしまうと元に戻すのは難しい。会長の悩みの種である。

話題はクラブ内での有名人の話になる。長年OB会に尽力した人、今でも卓球を続けている人、長年尽力してくれた顧問の先生、などが話題になる。今は顧問の先生で実際に活動に関わってくれる人を探すのはなかなか難しく、名前だけのような状態が続いているようである。

OB会の場所。東京駅の近く、八重洲である。

楽しい一日だった。