ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

動き出した国内政治

2017-09-29 14:53:48 | 社会

衆議院が解散し、新しくできた「希望の党」が自民党に対する対立軸になることがはっきりしてきた。事実上、民進党を解党する決断をした、前原代表の英断だったと思う。

私はここ数回、「民進党は解党すべきだ」という立場でブログを書いてきた。代表選挙で前原氏に決まり、その後の動きを見て「解党は無いな」と思っていたのだが、突然の衆議院解散に対して、大負けは必至とみて希望の党に組み込むことを決断したのは大きな展開である。民進党が解党する場合、「どう分かれるのか、誰が残るのか」が大きな問題となる。私などは左派を切ってほしいと思っており、前原氏が代表に決まった時にそのような行動をとることを期待していたのだが、それはできず、今回の決定は誰を切るかという判断を希望の党にゆだねたことになる。

民進党からは公認候補を出さず、希望の党に入党してそこから立候補するか、無所属で立候補するかが民進党議員に残された道である。参議院もあるので民進党自体は無くならず、希望の党と連携することになる。これで、小池氏が民進党の左派を受け入れず、希望の党は民進党の右派を軸として構成され、新しい保守が出来上がることを期待している。

テレビでは小池氏が「総理大臣になるかもしれない」というようなことを言っているが、そこまでは行かないだろうと思う。自民―公明が第1党を維持するが、議席数はかなり減らす、というところだと思う。過半数を維持できるかどうかは今後の希望の党の打ち出し方次第だと思う。

希望の党は「寛容な改革保守」という言葉を打ち出しているが、具体的な政策はそれほど出てこないと私は思っているし、付け焼刃的に政策を打ち出さないほうが良いとも思っている。しかし、漠然とした政策に対するイメージは小池氏の中にあるので、民進党の議員からの選別はできると思う。今回は政党再編ができればそれでよいと思う。

いち早く希望の党入りを決めた細野氏が「菅元総理や野田前総理のような総理経験者には来てほしくない」というような発言をしているが、ばかげた発言だと私は思っている。早くも希望の党の中での権力を始めようという姿勢がうかがえる。このような選別をすれば希望の党は失敗するだろうと思う。今、選別に必要なのは政策の方向性を緩やかに合わせて、政党がどの方向に向かうかを打ち出すことである。それ以外の邪念を入れると混乱が続くだけだろうと思う。私は小池氏にはこれができると思っている。

しかし、希望の党は政策全体を打ち出すことには無理があるのでイメージだけで戦える範囲ではそれほど大きな議席数には届かないと思っている。それでも意義は大きい。おそらく選挙後に希望の党、民進党、自由党、大阪維新が合流して対立軸となる政党ができる。それでこの選挙の意義は十分にあったと思う。


名曲だった囲碁名人戦第3局

2017-09-23 14:32:13 | 囲碁

現在、囲碁名人戦が進行中である。高尾名人に井山6冠が挑戦しており、井山氏は勝てば2度めの7大タイトル全冠制覇となる。地力から見れば4勝2敗で井山氏がタイトル奪取、というのが相場だろうが、高尾名人が「今までと違う打ち方を見せる」と意気込んでおり、これまで内容の濃い名人戦になっている。第1局目は井山挑戦者が攻めてきた石を高尾名人がうまく取らせて、石が取られて時点で打ちやすい碁になった。その後、井山氏が様々な技を繰り出したが、高尾名人がかわし続けて逃げ切った、という印象だった。第2局は順当に井山挑戦者が勝った印象だった。9月21,22日に打たれた第3局は歴史に残る名局だったと思う。

1日目から双方が最強の手を繰り出し、一つ読み間違えればつぶれてしまうようなぎりぎりの戦いと続けながらどちらが有利ともいえない状態が続いていく。2日目もぎりぎりの激しい戦いが続き、一段落したところで、大きな地を井山挑戦者が囲いに出て、高尾名人が反対側から減らしに出たのが失敗で、そこをチャンスとみて井山挑戦者が手を抜いて別の方面を囲いに出た判断が的確で、そのまま押し切った。「これで勝てる」と見た井山挑戦者が、それまで最強の手で戦いに出ていたのを、一転戦いを収める方向に出て押し切った見事な収束が光っていた。

しかしこの碁を名局に仕立て上げたのは、むしろ高尾名人の積極的な戦いぶりだったと思う。井山6冠は読みが深く戦いに強いのが有名で、井山挑戦者が戦いに引きずり込もうとするのに対して高尾名人はバランスをとりながらかわし気味に打つのかと思っていたが、この碁では高尾名人がむしろ自分から仕掛けるような感じで、双方が思いきり戦いぬいた印象だった。「今までと違う打ち方を見せる」とはこの事か、と思った。

私がここまで感心したのは昨夜帰宅してから見た朝日新聞の囲碁サイトにあった張栩九段の解説ビデオを見たからである。棋譜だけを見て感心していた私だが、張栩九段の深いレベルの解説と同時に、張栩氏自身が二人の戦いをぶりを見て興奮している感じがこちらにも伝わってきて、私自身も感動させられた。

名人戦は挑戦者の井山6冠の2勝1敗である。第3局のような名局はそう続くものではないと思うが、どちらかが4勝して決着がつくまで、両者力いっぱいの戦いを期待している。


急な解散風に思う

2017-09-19 20:17:09 | 社会

今週に入って急激に衆議院の解散風が吹いてきた。言うまでもなく安倍総理の意向である。今月中に解散、10月総選挙は間違いないもののように報じられている。

以前から、このブログに書いてきたのだが、私は「解散は総理の専権事項」という言い方には大いに問題を感じている。衆議院を解散すれば政治は中断するしコストもかかるので、解散するにはそれだけ重大な解散の必要性が必要だと思っている。今回の解散風は「今解散したほうが自分に有利」という打算から解散に踏み切ることがほぼ確実である。

そんな解散風だが、私は良い点が二つほどあると思っている。一つは今回の解散があまりに露骨な自己都合解散なので「総理の解散権」自体を問題だと思う人が増えてきている点である。これをきっかけに総理の解散権を制限するような議論が進めば効果があったといえるだろう。

もう一つは野党の再編である。民進党の代表選挙で前原氏が新代表になったが、就任後の動きを見て彼の体制では民進党は再構築されるどころか、ずるすると後退していくだけだろうと私は思っていたからである。党人事における山尾志桜里氏の問題はほとんど関係ない。問題は前原新代表の態度で「政権交代の受け皿を作る」といいながら、そのための党の方針には全く触れず、離脱議員をつなぎとめることに汲々としている点が問題である。どういう人に離脱してほしくて、どういう人に残ってほしいのか、といった考えは全くなく、まとまっていかない党に愛想を尽かせた人から順番に歯が欠けるように抜けていく、という状態では全く期待が持てない。

おそらく、今回の総選挙では民進党は大負けして、その議席が他の党、自民党や、維新の会、公明党、共産党に流れるだろう。日本ファーストの会がどうなるかは私には読めないが、議員数は一桁どまりだろうと思う。民進党からは大量に離党者が出るだろう。選挙直前に民進党を離れる人が大量に出るかもしれないと思う。

このことは今回解散しなければ1年半後に起こったことだろうと思う。安倍総理は日本ファーストが不気味なので彼らが立ち上がってこない今の時期を選んだのだろうが、日本ファーストには国政を語る力量は無く、民進党が分裂して、そこから核になるメンバーが集まらないと野党再編はできないだろうと私は思っている。橋下徹氏が維新の会を立ち上げた時と比べると今の日本ファーストははるかに政策に対する意識が低く、エネルギーを感じない。今回の選挙は結果として野党再編を加速することになるだろう。その意味では国民にとっては自民党への対抗軸がダメダメ民進党しかない、という状態が早く解消されて良いのではないかと思っている。



インターネットラジオを聴き始めた

2017-09-15 14:04:15 | 生活

私は毎朝2時間ほど散歩をしており、その間ラジオを聴いている。今朝、NHK-AMを聴いていたら北朝鮮のミサイルのニュースが飛び込んできて、その後はずっとミサイルの話だった。J-Alertが出たのは2度目で、政府は解除情報を早く出した点は前回から進歩していたと思う。その一方、第1報が遅すぎてかつ範囲が広すぎる点はまだ改善されていない。改善の余地があると思う。民放は安全が確認されるとすぐに通常放送に戻しており、前回の経験から進歩していたと思う。NHKの報道は安全か確認された後も長々と特別放送を行っており、ほとんど改善していなかった。ところで今日の主題はミサイルではなく、インターネットラジオである。

最近、ラジオの調子が悪くなったので、一月ほど前からスマホでインターネットラジオを聴くようにしている。インターネットラジオにして驚いたのはその音質の良さである。低音部がはっきりと聞こえて音楽の味わいが深くなった気がする。これは放送とインターネットラジオの電波の違いではなく、今まで聞いていたラジオとiPhoneの違いだろうと思っている。おそらくイヤホンやアンプの出来が違うのだろうと思う。

スマホの電池の減り具合が心配だったのだが、2時間ほど聴いても半分程度は電池が残っているので、ウィトラのオフィスについて充電すれば問題はない。インターネットラジオは通常のラジオのように電波が弱くなってザーザーと雑音が入ることは無いのだが、時々「無音」になることがある。数秒すると少し前の部分から繰り返して放送される。そのためインターネットラジオの放送内容は数十秒遅れることがある。時々、自動回復しないで音が途絶えたままになることがあり、その時はアプリを再起動しなくてはならない。これはいわゆるパケット伝送に失敗して再送することで起きている現象だろうと思う。

歩いていると10分に1回くらいは無音現象がある。再起動が必要になるのは1時間に一回くらいである。先日、京都に行ったときに新幹線の中でインターネットラジオを聴いていたのだが再起動は一度もなく、無音もごく稀だった。途中にはトンネルもあるのだがトンネルを含めて音が途絶えることは殆どなかったので、新幹線沿線はかなり電波環境が良く整備されているということだろう。

音質が良くなったので音楽に興味を持つようになった。朝の時間は情報番組を聴いているので音質はそれほど関係ないが、帰りの時間はNHK-FMの「夜のプレイリスト」という番組を聴いている。これはパーソナリティが毎日1枚のお気に入りのアルバムを紹介するものなのだが、色々なジャンルの音楽が聴けてなかなか気に入っている。音楽が聴きやすいように意識して静かな道を歩いている。


人間の能力のピークは何歳くらいか?

2017-09-11 11:27:12 | 生活

陸上の100m走で桐生選手が日本人で初めて10秒を切った。今日は人間の能力のピークが何歳くらいかについて考えてみたい。

運動では比較的はっきりしていて、敏捷性では10代後半から20代前半、筋力では20代、持久力では20代後半から30代前半がピークであると感じられる。これはデータに基づくものではなく私の感覚であるがそれほど外れていない感じがしている。ピークを過ぎると能力は緩やかに落ちていくがトレーニングを続けると低下は極めて緩やかである。それでも40歳を過ぎたトップアスリートは極めて稀で「レジェンド」と呼ばれる。

それでは頭を使う思考力のピークはどうだろうか? これが今日のメインテーマである。普通に思考力というと、記憶力と、状況に合わせて必要な記憶を引き出し、様々なシミュレーションを脳内で行って決定を行う判断力ということになるだろう。囲碁や将棋のプロのピークがどのくらいの年齢であるかが参考になると思う。この分野は個人差が大きいのだが、名人を続けるような人は大体20代後半に第1人者に躍り出て40代終わりくらいまで続ける。しかし、あの天才の羽生善治氏でも40代に入ってからは落ち目であるし、最近の囲碁界で、特に中国のプロ棋士をみると20代後半がピークのように見える。少し広く見ても20代後半から30代前半が能力的なピークのように思う。

囲碁や将棋でトップ棋士に若返りが見られるのは勉強方法が進歩したからだろうと私は解釈している。従来は情報が限定的で、頭の中に良い手法のデータベースが出来上がるまでに時間がかかっていたので、若い人は思考力が勝っていても、経験不足で負けることが多かった。しかし、知識獲得の技術が進歩してきたので、思考力の差が勝負に直結してトップ棋士が若返りしてきたのだと私は解釈している。

これに対して、一般社会では60代、50代、のトップが多い。組織のトップは単なる判断力ではなく、組織を動かす実行力が重要で、そのためにはトップの人格が優れた人であることが組織のメンバーに共有されていることが重要なので、思考力では劣っていても年齢が上の人がトップに立っているのだと思う。しかし、日本社会の60代、50代がトップであることは明らかに能力的にはピークを越えた人が判断していることになり、世界的競争では勝ち抜けないだろうと思う。世界で戦っていくには広く見ても40代後半までが判断を下すトップの年齢になるべきだと思う。

更に、日本の組織の問題はトップを取り巻く重役たちも殆どが50代以上であるという点である。トップに意見具申をする人たちの中に30代、40代が数多く入っていて、50代の人と意見交換する中で意思決定がなされていくならばまだ大分ましだろうと思う。実態としては30代、40代の社員の声が社長にはなかなか届かないような企業が多く、その組織づくりが日本企業の競争力を弱めているような気がする。


ロシアは国民より国家を大切にしている

2017-09-08 17:29:24 | 社会

北朝鮮対策で安倍総理がプーチン大統領と話した、というようなことが報じられているが、私はプーチン大統領の発言を聞いて「この人は国民より国家を大事にしているな」と感じている。例えば「いくら経済制裁を強めても北朝鮮は草の根を食べてでもミサイル開発を止めないだろう」というような発言をしている。これは国民が求めているはずはなく、北朝鮮政府が国民に強いることであることは明らかである。あるいは「ドイツの統合は我々に言わせると東ドイツを西側に取られたということである」という発言がある。東ドイツ国民の意思は眼中になく、国家の勢力争いがどうなるかという観点でしかものを見ていない証拠だと思っている。

中国は共産党独裁国家で、よく西側の評論家は「中国共産党にとって一番大事なのは共産党支配が続くことである」という言い方をする。しかし、少なくとも建前上は「共産党独裁は、それが中国国民にとって一番良い方法だから採用している」という立場を中国トップは崩していない。本音ではどう思っているか分からないが、私の知る限り上記のロシアのトップのような発言を中国のトップから聞いたことは無い。これは支配グループ全体の意識に浸透しているからだと私は思っている。

制度上は中国は選挙制度がなく民主主義国ではないが、ロシアは選挙を行う民主主義国である。しかしリーダの意識は中国のほうが国民全体のことを考えていて、ロシアのほうが「国家」と「国民」を別物と考えている、と私は考えている。ロシアよりはるかに下の経済状態にあった中国がロシアを抜き去ったのに対して、ロシアが経済的に発展してこず、産業の厚みが生じてこないのはこのあたりが理由ではないかとも考えている。

世界が戦争の危機に向かうとすれば中国よりもロシアのほうが危険だと私は感じている。


優秀な学生は外資系企業を目指す時代

2017-09-07 11:20:36 | 社会

東大生・京大生に就職希望を聞いたところ圧倒的に外資系が上位に来ている、という調査結果が出ている。この調査によるとベスト10に入っている日本企業は野村総研と三菱商事だけである。

毎年出ている学生全体の就職希望ランキングには外資系企業は登場しないが、これは採用枠が小さいからだろう。企業名を見ると調査対象に含まれる理系の学生はかなりない印象であるが、日本企業よりも外資系企業のほうが人気がある、というのは分かる気がする。「仕事は厳しいがそれだけやりがいがある」ということなのだろう。自分に自信のない学生は日本企業を目指している、ということではないかと思っている。

今朝の日経を見たら中国のHuaweiが新卒に40万円の給料を払うことで募集をかける、と出ていた。Huaweiは中国の企業ながらEricssonやCiscoといったグローバル企業と戦える力を持つグローバル企業である。理系でも優秀な学生は外資系を目指す傾向が増えているだろう。

既にかなりの割合で優秀な学生が外資系企業を目指すことは進んでいると思う。そしてこの傾向は一層進むだろう。優秀な学生は外資系を目指すが、それでも経営層にまで上がる日本人はごくわずかな人だろう。既にグローバル企業は世界中の人材を雇い入れており、トップ人材も世界中から出ている。その中での日本人トップの存在感は非常に低い。これは小学校からの教育の影響があると思っている。日本の教育はグローバル企業のトップ人材に必要な教育要素を著しく欠いていると思うからである。

これが悪いというつもりは私には無い。トップ人材が少なくても中間管理職にはそれなりに付けるだろうし、日本人はそれほど物欲が強くないので、それなりに会社に貢献し、それなりの収入があれば幸福感はあるだろうと思う。むしろ問題は日本企業が競争に勝てなくなって倒産したり買収されたりして外資系企業の比率がどんどん高まっていくことである。これも、ある程度までは問題ないと思っているが、あまりに外資系企業が増えすぎると、政治的リスクの影響を受けやすくなる点が心配である。世界経済が通常の状態で回っているときは問題無いが、経済のブロック化が起きたりするとその影響が、日本人の雇用にも大きく影響して、変に国粋主義が高まるのではないかと気にしている。


関ヶ原に行ってきた

2017-09-04 11:12:53 | 生活

週末に大学の同窓会で京都に行ってきた。土曜日の夜、京都でホテルがなかなか取れなかったので周辺で探したが気に入ったところが見つからない。そこで思い切って米原の駅の近くのホテルにした。飲み会は夜の8時半で失礼して、9時半の電車に乗って10時半に米原についた。日曜日に中山道を歩いて関ヶ原に行くことにした。私が関ヶ原に行こうと思ったのは映画になったからではない。映画はむしろ妻に「関ヶ原に行こうと思う」といったときに教えてもらったくらいである。私は日本史上最大規模の内戦の戦場の広さをこの目で実際に見て体感してみたかった。

翌朝、米原から大垣行きに乗って柏原で降りる。柏原は中山道の宿場町で昔の風情が残っている。駅前の宿場町を過ぎて、関ヶ原方面に向かう。国道21号線沿いに歩くのだが、この道は幹線道路で車がビュンビュン通りあまり気持ちよくない。歩いている人は一人も見かけなかった。30分ほど歩くと曹洞宗妙応寺に出る。

ここで、県道229号線に移る。こちらはきれいに整備された舗装道路だが殆ど車は通らない。40分ほど歩いてすれ違った車は3台だった。歩いている人はいない。正面には伊吹山が見え、ミンミンゼミとツクツクボウシの声を聴きながら歩く気持ちの良い道だった。道脇は田んぼで、稲穂が実っている。刈入れも始まっている。

しばらくするとエコミュージアム関ヶ原につく。このあたりから家が立ち並んでいる。エコミュージアムは近くに住む動物のはく製などが陳列されている土産物屋とミニ博物館を合わせたようなところである。そういえば229号線を野生の鹿の親子が横断しているのを見かけた。

更に行くと、土塀にいろいろな武将の家紋が書かれたところが見つかった。これは面白そうだと思って塀伝いに回っていくと関ヶ原ウォーランドだった。300円払って中に入ったが、中には様々な武将や馬の人形が戦いの格好をして並んでいただけで、子供向きの場所だと感じた。

ウォーランドを出てしばらく行くと石田三成の陣跡に出る。ここには観光バスも来ていて観光客がいっぱいである。三成の本陣はちょっとした山(笹尾山)になっていて関ヶ原全体が見渡せるようになっている。良い場所に本陣を敷いたものだと思う。

三成の陣で自分が三成だったらどうするか、を考えてみた。関ヶ原は広いとはいえ、数万の軍勢が来れば横いっぱいに広がって、密かに背後に回るなどの奇襲作戦は難しいだろう。正面から戦うしかないだろうが、そうなれば本来は坂の上側になる西軍のほうが有利だと思う。お互いに烏合の衆の感じもあるので相手の陣内で撹乱するのが良い作戦だと思われる。その意味で勝負を決めたのは小早川秀秋の裏切りだった、要するに味方をどれだけきちんと掌握していたかで決まった、というのもうなづける感じがする。

私は関ヶ原を初めて訪れたので映画「関ヶ原」の影響があるのかどうかは分からないが、関ヶ原町の人たちは徳川家康よりも石田三成に共感を感じていたことが伺える。徳川家康の本陣はそれほど大切にされていない感じだった。

関ヶ原も中山道の宿場になっていたので見たかったのだが、疲れてきたので直接関ヶ原駅に向かい、帰ってきた。天気が良く、湿度も低くて気持ちの良い一日だった。