いよいよ大晦日、私自身のこの一年間を振り返ってみよう。
今年の自分にとっての最大の出来事は大学での教員としての仕事を始めたことである。私は特任教授という教授会での投票権などはない立場なのだが、それでも毎日大学に行っている。一日中大学に居ることは少ないのだが、生活パタンは大きく変わった。
昨年までは一月に1週間(たまには2週間)の海外出張があり、生活パタンがその出張を軸にして組み立てられていた。しかし今年は出張は無くなり、生活のアクセントを自分で作ることが必要になった感じがしている。1月から大学に着任したのだが、前期の授業は既にカリキュラムが決まっていたので本格的に授業を始めたのは後期からで、比較的ゆったりしたペースではじめられた。これまで、頼まれて一コマとか二コマとか教えたことはあったのだが、まとまった授業を自分で企画したのは初めてで、それなりにエネルギーを使った。
私は、標準化を教えると言うのがミッションなので、世界の標準化団体で議論できるような人材を育てたいと思っている。そこで英語で授業を行い、課題を与えてディベートをさせている。課題は現在未解決の問題で移動体通信にかかわる問題である。学生は移動体通信が専攻ではないので、素人にも分かって議論できる課題設定で、なおかつ未解決の問題というところがなかなか難しい。授業はまだ続いている。
日本人の学生が少ないのは期待外れだが、ディベートの内容に関しては満足している。
もう一つの大きな出来事は、震災以降、義母を引き取って一緒に暮らしていることである。それまでは一人で暮らしていたのだが、計画停電などがあったので、一時的に引き取ったところ、多々の物忘れでは済まないような感じなので調べてもらうと要介護3だった。もう一人暮らしは無理なので一緒に暮らしている。どこかに出歩いて探さなくてはならない、というようなことは無いので楽な方だと思うがそれでも家内は一時ストレスがたまって体調を崩していた。今はペースをつかめている。
来年は、学会活動など大学での活動を本格化していきたいと考えている。
今年一年、ご愛読ありがとうございました。