ウィトラのつぶやき

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コロナウィルス対応に感じる世界の分断

2020-02-15 17:27:25 | 社会

コロナウィルスは具体的に日本国内でも感染拡大の段階になった。もはや、水際作戦は継続したほうが良いのだろうが、それで感染拡大を防げると考える人はもはや居ないだろう。医療関係者も必死の努力をしていることだろうが、日本国内の感染拡大はもはや避けられないだろう。

私が日本の体制で最も気にしているのは検査能力の低さである。クルーズ船内ではどんどん感染が拡大しているにも関わらず、検査はまだ1000人にも達していない。これは検査能力が不足しているからに違いない、と思う。検査しなければコロナウィルス感染者かどうかは分からないので、実際に感染者がいても認定はされず、その人は普通の生活をしてウィルスを広めてしまう。これを防ぐためにインフルエンザ患者全員を隔離するような方法を取れば社会全体がマヒするだろう。中国では既にそういう状態になっていると思う。

対応として問題だと私が感じているのは、各国政府が独自の対応をして、「自国民への感染を防ぐ」という自国至上主義になっており、世界全体の感染防止というスタンスになっていない点である。私はこれはトランプ政権がいち早くこの方向に動き、安倍総理がそれに追随したために、世界全体がこのような流れになった、と思っている。本来は「世界が協力してパンデミックを防ぐ」という方向に動くべきである。私はWHOにそのような動きを期待したが期待外れだった。

現在、中国では毎日数千人の感染者が発見されている。おそらく一日に数万人の検査をして数千人が感染している、という状況だろう。日本と比べれば100倍程度の検査能力があると考えられる。これをどうやっているのか、情報交換しているのだろうか? このような問題は世界全体が緊密に情報交換して一体として感染の広がりを防ぐべきであるのに、各国政府は「自国民を護る」というパフォーマンスをしているのではないか、と疑いたくなる。

日本のテレビでは毎日のように高名な医師を呼んで対応方法を聞いているが、「発熱して咳が出たらどうしたらよいのですか?」という質問に対する医師の歯切れは皆良くない。インフルエンザ患者が皆、「自分はコロナウィルスではないか」と言われても対応できないことは分かり切っている。その一方で「風邪の症状くらいなら自宅待機しなさい」とも医師の立場としては言えない。歯切れが悪いのは仕方がないかと私は思っている。

国民の立場で考えると、特別に中国と深い接触がない限り、まだしばらくは検査をしてもらえないのだから、風邪の症状が出たら「病院に行くかどうかの判断は普段と同じようにする」しかないだろう。普段でも熱が出たらすぐに病院に行くわけではない(子供は別として)。様子を見て「重そうだと思ったら病院へ行く」というのが普通の判断だろう。病院へ行って帰って移されるリスクもあるので、病院へ行けば良いというものでもない。その上で「今年の風邪は重症化しやすい」と考えて、普段以上に風邪をひかないように注意するしかないだろうと思う。

現在の状況だと、日本も中国のようになる可能性は否定できないと思う。まず、検査能力の大花拡大を望みたい。


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