ウィトラのつぶやき

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20歳代で世界トップレベルの社会人を育成するには

2019-10-06 17:21:41 | 社会

少し前に囲碁の世界トップ棋士の年齢は20歳代であると書いた。多くの人は「囲碁は特殊な世界だ」と考えているだろうが、私はそうでもないだろうと思っている。囲碁の世界でも30年前くらいまでは40歳くらいがトップと考えられていた。それが急激に若年化したのは勉強方法が変わったからである。つまり、勉強や経験を積み上げる方法を改良していけば、思考能力は運動能力と同じように20歳代が最大だと思っている。

現在の日本の社会システムでは大学を卒業した22歳か収支を卒業した24歳からキャリア経験を始め、プロになるのが30歳台になってからである。専門家としては30歳代が働き盛りで、40歳代になると管理職になり、専門的能力よりも判断力と折衝力が重要になる。専門職として能力を発揮し、管理能力の優れた人が50歳代になると幹部になる、その中で一人が60歳代で社長になる、というのが大部分の日本企業だろう。つまり日本企業では、かなり能力の落ちた人が采配を振るっている。

これを早めて、能力のある人には20歳代から判断力と折衝力を鍛え、30歳代前半から中核的な管理職として活躍できるような育成体制を取らないと日本企業は今後世界と戦っていけないのではないかと私は考えている。

囲碁のトップ棋士になるような人は、ほぼ例外なく10歳くらいから本格的にプロ棋士の訓練を始める。つまり20歳では既に10年間の専門家としてのトレーニング経験があるのである。私はほかの分野、例えば経理や研究開発、営業、経営といった分野でも10年も真剣にやれば、20年経験した人と同レベルに達することができると考えている。

若い経営者を育成するには、現在の日本の教育システムでは無理で、大卒、更に言えば高卒で即戦力となるような教育が必要だと思う。そのためには企業が投資した高校・大学というようなもので成功例を作るしかないと思う。全体的な教育システムを改革するには20年、30年かかるだろう。

そのような例は出てきている。高校で言えば角川/ドワンゴが始めたN高であり、大学は日本電産の永守氏が始めた永守学園である。いずれも、現在の日本の教育システムに合わせながらも即戦力となる卒業生の排出を狙っている。このような高校・大学が輩出した新人が活躍し始めて、似たような動きが多くの企業に広がるところからしか日本の教育は変わらないだろうと思う。



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1 コメント

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Unknown (富江 敏尚)
2019-10-11 20:02:19
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