ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

ゴーン氏の逃亡で感じたこと

2020-01-12 15:49:22 | 社会

年明け早々、元日産社長のゴーン氏がレバノンに逃亡したというニュースが流れ、本人の説明会やインタビューなども報道されているが、私の感じ方は他の人と少し違うと思うので書いてみる。

メディアの報道は「ゴーンは悪い」一色だが、私は日本の検察や報道にも違和感を感じている部分がある。ゴーン氏が悪くないというつもりは無く、彼が脱税その他をしていたのはおそらく間違いのないところだろう。私が問題に感じているのは日産の不正がほとんど語られず、全ての責任をゴーン氏に押し付けていると感じられる点である。

ゴーン氏のどれだけの報酬を払うかは日産という企業が決めることで、その決めた金額と政府への報告の間にが齟齬があった。金額的にはこの点に関わる部分が大きいと認識している。そしてこれは日産の犯罪である。日産内部での決め方に関して、問題があったことは事実だろうが日産として承認しているものなら、本来的には日産が責められるべきだと私は感じている。ゴーン氏への不成な報酬には会社をだました、背任行為の部分と、会社に承認させた部分とがあるはずである。承認したものに関しては取締役全員に責任があるし、監査の不適切さもあるだろう。

日産の不適切さに関しては「司法取引」という側面もあるだろう。しかし、それならその点を明らかにするべきだと思う。

報道はゴーン氏一人がこの事件を引き起こしたように言われている。ゴーン氏の発言もこの点には触れておらず、「クーデター」だとか「有罪率99&以上」とかいう説得力のないものになっている。ゴーン氏からすると「自分は一切悪くない」というためにあのような言い方をしたのかもしれないが、それには無理があり、「自分も悪かった」と認めないと、説得力のない逃げ口上にしか受け取られないと私は感じている。

日本で司法取引の歴史は浅く、問題を含んでいることもあるだろう。私は司法取引によって日本の司法が恣意的に動かされるリスクを感じている。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゴーン氏の功罪 (世田谷の一隅)
2020-01-14 12:22:18
確かに脱出の前までは、日産として、ゴーン氏の果たした役割で、「功罪半ば」だけども、功の部分が大きかったと思います。

脱出により、罪の部分が大きくなて来たことは確かですね。私はそれでも、日産という「駄目になった会社」をあそこまで再建させた功績はまだまだ大したもんだと感じています。

その証拠に、ゴーン氏が逮捕されて以降、日産の動きは、殆ど昔の「ていたらく」に戻っていると思います。業績不振に陥っている会社が、新たな方向性に絞れないのは、単純に経営者の資質です。外野から色々と問題点を指摘する人やマスコミは沢山いますが、実際に方向が定まって、その方向が(結果的に)正しかったと後になって言えるのが、経営者の手腕であり、評価です。

少なくともゴーン氏が再建の過程で引率した際の手腕は、十分に評価されて良いと思います。

今回の一連の騒動は、その意味で「クーデター」かもしれませんが、クーデター以後の経営者は、「日産の業績回復に向けた手腕」を発揮していません、それが株価です、

取締役としての背任があったかどうかは、重要な点ですが、会社再建、業績回復を匂わせる様な後継者が出て来ない。結果として会社が一層不振になる。まさにゴーンさんが登場する前に戻った印象です。

マスコミは、脱出とか、お家騒動とかに注目しがちだが、本当に大事なのは、再建後の成長のシナリオを描いで、従業員を引っ張る統率力だと思う。

何れのシナリオでも、当初はリストラによる無駄の排除は避けられない。
返信する

コメントを投稿