地震の影響で東京電力の株価は大きく下がっており震災前の1/4を切っている。国有化も噂されるので株価がゼロ円になることを心配している人が多いのだろう。空売りもかなりあるかもしれないと思う。それはさておき、東京電力の立て直し、つまり関東地方の電力供給の立て直しには年単位の時間がかかることは確実だろう。これは逆に言うとスマートグリッドを普及させるチャンスだと思う。
私の知人ですぐ近くに住む人は家の屋根を全て太陽電池にしている。ガス会社とは契約せずに家の中はオール電化、電気供給が不足するときは東京電力から供給を受け、余ったときは東京電力に売るようにしているという。これで月々の経費がかなり下がるのだが、太陽電池の経費を回収するには10年ちょっとかかると言っていたと思う。こういう家は計画停電などには強い。殆ど心配しなくて良いだろう。
私の家は暖房も風呂も炊事もガスであるが、風呂と暖房は電気でコントロールしている。停電になるとガスは止まっていないのに暖房も風呂も使えないということになるだろう。オール電化の家では炊事もできなくなりもっと大変だろうと思う。こういう事態になると、家に蓄電池があって数時間の需要は賄えるようになっていると良いなと思う。日産のゴーンが言っていた電気自動車の電池を古くなったら家庭用の蓄電池として使い、車には新しい電池を入れる、といったアイデアが現実的なものになってくる感じがする。これが実現するのは相当先だろうが、蓄電池の接続部分を標準化するなどは始めても良いのではないかと思う。
電力が不足して、東京電力の業績も悪化するということで電気代の値上げは当然考えられる。その意味でも、スマートグリッドを普及させる大きなチャンスだろうと思う。東京電力はこれまでスマートグリッドに対しては手間がかかるので及び腰だったと聞くが、今はそうも言っていられないだろう。日本の産業界はスマートグリッドでどこを狙うか、日本の復興をきっかけとして世界に出ていくにはどういうビジネスモデルが良いか、深く検討する良い機会だと思う。