最近、私は人間の能力のピークは20歳代であるという思いを強めている。スポーツの世界ではこれが事実であることは既に認知されていると思うが、私の論点は頭脳活動においてもやはり20歳代がピークであると言う点である。日本社会も能力の高い人が責任ある仕事をできるように変えていく必要があると思う。これまで思いつくままにブログを書いていたのだが、このテーマでいろいろな側面を考えたほうが良いと考え、今回をこのテーマの第3回としたい。これまでの2回の内容は下記である。
第1回の9月15日の記事では、囲碁のプロ棋士の若返りを例にとって思考力も20歳代がピークであることを書いた。ちなみにその時取り上げた囲碁の名人戦では19歳の名人が10月8日に誕生した。
第2回の10月6日の記事では、社会で活躍するピーク年齢を若返らせるには高校や大学の教育を、卒業後社会の即戦力となるような人材を育成する必要があると書いた。
今回を第3回として、どのような能力が若年層に有利でどのような能力が中高年に有利かについて書いてみたい。
・記憶力: これは若い時がピークであることは疑いない
・記憶の総量: これには個人差が大きいが、全般的には40代後半がピークではないかと思う。但し、特定の分野では、トレーニングを積めば20歳代でピークに達することができると私は思う。
・思考力: これは脳内シミュレーションを行う能力である。これが判断力に直結していると思う。知識量に差がなければ20歳代がピークであることは間違いないだろう。但し経営のような複雑な問題のシミュレーションには非常に幅広い知識が必要で、おそらく40歳あたりがピークではないかと思う。
・フィルタリング能力: これは不要な知識は忘れて、必要な知識のみを留める能力で、この能力が高いと短時間で良い判断をすることができる。この能力は、使い続ける限り改善可能で、高齢者ほど高くなると思う。芸術のような分野で高齢者が高い能力を発揮するのはこのおかげだろう。但し「良い」ものが変化しないという前提条件が必要である。経営上の価値観などは10年、20年では変化していくので、高齢者が有利とはいえない
・人を動かす力: 立場上、命令できる立場に立てば人を動かすことはできるが、命令を受ける側が「この人のために頑張ろう」という気持ちになれるかは別物である。企業などでは対外的には論理が優先するが、企業内では、高い評価を得るには時間がかかる。
以上を総合して50歳代から60歳代が企業のトップとして動かしているのが日本企業の現状だと思うが、私は最も重要なのは思考力だと考えており、40歳あたりのトップを、50歳代、60歳代の優秀で経験豊かな人がサポートするのが、本来の望ましい姿だと思う。もちろんトップは最低10年程度の経営経験を積んでいることが前提である。
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