ウィトラのつぶやき

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深刻なイラクの内戦

2014-06-12 09:42:37 | 社会

あまり報道されていないが、イラクの内戦が深刻なことになっている。昨日はイラク第2の都市モスルが陥落して治安部隊が撤退したとのことである。ウクライナよりも深刻な事態になっている。攻撃しているのはスンニ派のISILというグループで日本ではアルカイダ系と報道されているが、海外メディアによるとあまりに好戦的なのでアルカイダさえも手を切ったとのことである。部分戦ではあるがイラク正規軍とまともに戦って勝つくらいの軍事力を有している。

イスラム圏ではシーア派とスンニ派の対立は強く、複数の国で武力抗争に至っている。多くの国でイスラム教徒がテロなどの武力に訴えるのはイスラム教が強い教えであり、武力に訴えることをあまり否定していないからだろうと思う。イスラム教国内での主導権争い、アメリカとの戦い、中国でのテロ的活動、アフリカのポコハラムなど、イスラム過激派と呼ばれる団体には我々から見れば非常識な行動に出るグループが多い。そしてイスラム教の人口が世界で他の宗教に比べて増えている。イスラム教の信者は新興国に多く、出生率が高いのがその理由だといわれているが、新興国の貧しい人たちが信じている宗教で、社会の仕組みに不合理を感じることが多く「戦え」というメッセージを受け入れられやすいのだと思う。

しかし、戦うイスラム過激派のリーダたちは必ずしも宗教的な理由で動いているのではないだろうと思う。宗教を利用しているのではないだろうか。イスラム過激派の資金源や武器供給ルートはどうなっているのだろうと思う。イスラム過激派を利用して国際社会をかき回して利益を上げようという勢力が支援すると世界は極めて不安定になる。

アメリカも、今のイラク問題に関してはオバマ大統領が人道的観点から懸念を表明しているが、軍関係者は「イラクの国内問題」と突っぱねた態度だという。やっとイラクから撤退したばかりでアメリカ軍の気持ちもわかるが、世界の警察の力が弱くなって、世界のあちこちに不安定要因が出る。それを利用して自らの勢力を伸ばそうとしている勢力がいるように感じられて不気味である。


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