真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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「従軍慰安婦」問題 慰安所使用規定

2012年04月17日 | 国際・政治
 資料1と資料2は「従軍慰安婦資料集」吉見義明編(大月書店)から抜粋した。フィリピンのマステバ島とイロイロ島の慰安所使用規定である。
 資料3は『日本軍「慰安婦」関係資料集成』鈴木裕子、山下英愛、外村大編(明石書店)より抜粋したもので、中国常州の慰安所使用規定である。いずれも、軍によって細部まで定められ、完全に軍の監督下にあったことをうかがわせる。資料2をみると「慰安婦」は外出はおろか散歩さえ時間と範囲を限定されていたことが分かる。
 軍医麻生徹男の「戦線女人考」には、脱走した慰安婦を引き取りに行ったことが明かされていたが、「慰安婦」は、まさに自由を奪われた性奴隷であったといえる。「上海から上海へ 戦線女人考 花柳病の積極的予防法」兵站病院の産婦人科医 麻生徹男(石風社)に取り上げられていた、上海の楊家宅にあった慰安所の使用規定は317で抜粋済みである。
資料1-------------------------------
マステバ島警備隊
                軍人倶楽部規定            1942年8月

一、軍人倶楽部ハ軍人(軍属含)ノ慰安ヲ求ムル所トス
二、使用配当日割左ノ如シ
   日曜日   大隊本部、行李
   月曜日   第11中隊
   火曜日   機関銃中隊、歩兵砲隊
   水曜日   衛生隊
   木曜日   工兵隊、輜重隊 無線
   金曜日   体育隊、通信、弾薬班
   土曜日   午前検査
三、使用時間ヲ左ノ通リ定ム
    兵    1000ー1630
   下士官  1700ー1930
四、慰安料左ノ如シ
   下士官 兵  1比50仙
   将    校  2比50仙
  但シ実施ハ一回トシ其時間ハ40分以内トス
  40分増ス毎ニ1比宛増額トス
五、倶楽部ニ於テ守ルベキ件左ノ如シ
 1、慰安ヲ求メントスルモノハ必ズ受付ニ於テ番号札ヲ受ケ其順序ヲ守リ料金ハ
   慰安婦ニ渡スコト
 2、規定ヲ厳守シ公徳ヲ重ンジ他人ニ迷惑ヲ及ボサザルコト
 3、「サック」及予防薬(一揃5銭)ハ之ヲ慰安婦ヨリ受領シ予防法ハ必ズ実行シ
   花柳病ニ罹ラザルコト
 4、不用意ノ言動ヲ慎ミ防諜ニ注意スルコト
 5、慰安所ニ於テハ飲酒ヲ禁ズ
 6、酩酊ノ上暴行等ノ行為アルベカラザルコト
 7、毎週土曜日昼間ハ健康診断休業トス
六、其ノ他
 1、倶楽部ニ到ル下士官兵ハ中隊長(独立小隊長「工兵隊ハ輜重小隊長」)ノ発
   行スル外出証ヲ携行スルモノトシ2人以上同行シ旦途中市内ヲ漫歩セザルコ
   ト
 2、服装ハ略装ニシテ帯剣シ脚絆ヲ穿ツ


資料2------------------------------
            比島軍政監部ビサヤ支部イロイロ出張所

 慰安所(亜細亜会館 第1慰安所)規定

一、本規定ハ比島軍政監部ビサヤ支部イロイロ出張所管理地区内ニ於ケル慰安
   所実施ニ関スル事項ヲ規定ス
二、慰安所ノ監督指導ハ軍政監部之ヲ管掌ス
三、警備隊医官ハ衛生ニ関スル監督指導ヲ担任スルモノトス接客婦ノ検黴ハ毎週
   火曜日拾五時ヨリ行フ
四、本慰安所ヲ利用シ得ベキモノハ制服ヲ着用ノ軍人軍属ニ限ル
五、慰安所経管(営?)者ハ左記事項ヲ厳守スベシ
 1、家屋寝具ノ清潔並日光消毒
 2、洗浄消毒施設ノ完備
 3、「サック」使用セサル者ノ遊興巨止
 4、患婦接客禁止
 5、慰安婦外出ヲ厳重取締
 6、毎日入浴ノ実施
 7、規定外ノ遊興拒止
 8、営業者ハ毎日営業状態ヲ軍政監部ニ報告ノ事
六、慰安所ヲ利用セントスル者ハ左記事項ヲ厳守スヘシ
 1、防諜ノ絶対厳守
 2、慰安婦及楼主ニ対シ暴行脅迫行為ナキ事
 3、料金ハ軍票トシテ前払トス
 4、「サック」ヲ使用シ且洗浄ヲ確実ニ実行シ性病予防ニ万全ヲ期スコト
 5、比島軍政監部ビサヤ支部イロイロ出張所長ノ許可ナクシテ慰安婦ノ連出シハ
   堅ク禁ズ
七、慰安婦散歩ハ毎日午前八時ヨリ午前10時マデトシ其ノ他ニアリテハ比島軍
   政監部ビサヤ支部イロイロ出張所長ノ許可ヲ受クベシ尚散歩区内ハ別表1ニ
   依ル
八、慰安所使用ハ外出許可証(亦ハ之ニ代ベキ証明書)携帯者ニ限ル
九、営業時間及料金ハ別紙2ニ依ル

 別表1 公園ヲ中心トスル赤区界ノ範囲内トス (地図略)
 別表2
   区分      営業時間    遊興時間  料金 第1慰安所  亜細亜会館
   兵     自 9:00 至16:00  30分    1,00       1,50
下士官・軍属  自16:00 至19:00  30分    1,50       2,50
 見習士官   自19:00 至24:00  1時間    3,00       6,00


資料3ーーー
              常州駐屯間内務規定
                              独立攻城重砲兵第2大隊
 常州駐屯間内務規定ヲ本書ノ通リ定ム
  昭和13年3月16日
                                  大隊長 万波少佐
 〔第1章~第8章・略〕
第9章 慰安所使用規定

第59 方針
    緩和慰安ノ道ヲ講シテ軍紀粛正ノ一助トナサントスルニ在リ
第60 設備
    慰安所ハ日華会館南側囲壁内ニ設ケ、日華会館付属建物及下士官、兵棟ニ区分ス
    下士官、兵ノ出入口南側表門トス
    衛生上ニ関シ楼主ハ消毒設備ヲナシ置クモノトス
    各隊ノ使用日ヲ左ノ如ク定ム
      星 部隊  日 曜日
      栗岩部隊  月火曜日
      松村部隊  水木曜日
      成田部隊  土 曜日
      阿知波部隊 金 曜日
      村田部隊  日 曜日
    其他臨時駐屯部隊ノ使用ニ関シテハ別ニ示ス
第61 実施単価及時間
     1 下士官、兵営業時間ヲ午前9時ヨリ午後6時迄トス
     2 単価
      使用時間ハ一人一時間ヲ限度トス
      支那人   1円00銭
      半島人   1円50銭
      内地人   2円00銭
     以上ハ下士官、兵トシ将校(准尉含ム)ハ倍額トス
     (防毒面ヲ付ス)
第62 検査
    毎週、月曜日及金曜日トシ金曜日ヲ定例検黴(ケンバイ)日トス
    検査時間ハ午前8時ヨリ午前10時迄トス
    検査主任官ハ第4野戦病院医官トシ兵站予備病院並各隊医官ハ之ヲ補助
    スルモノトス
    検査主任官ハ其ノ結果ヲ第3項部隊ニ通報スルモノトス
第63 慰安所使用ノ注意事項左ノ如シ
     1、慰安所内ニ於テ飲酒スルヲ禁ス
     2、金額支払及時間ヲ厳守ス
     3、女ハ総テ有毒者ト思惟シ防毒ニ関シ万全ヲ期スヘシ
     4、営業者ニ対シ粗暴ノ行為アルヘラカス
     5、酒気ヲ帯ヒタル者ノ出入ヲ禁ス
第64 雑件
     1、営業者ハ支那人ヲ客トシテ採ルコトヲ許サス
     2、営業者ハ酒肴茶菓ノ饗応ヲ禁ス
     3、営業者ハ特ニ許シタル場所以外ニ外出スルヲ禁ス
     4、営業者ハ総テ検黴ノ結果合格証ヲ所持スルモノニ限ル
第65 監督担任
     監督担任部隊ハ憲兵分遣隊トス
第65 付加事項
     1、部隊慰安日ハ木曜日トシ当日ハ各隊ヨリ使用時限ニ幹部ヲシテ巡察
       セシムルモノトス
     2、慰安所ニ至ルトキハ各隊毎ニ引率セシムヘシ
       但シ巻脚絆ヲ除クコトヲ得
     3、毎日15日ハ慰安所ノ公休日トス

 〔後略〕  
  
  一部漢数字をアラビア数字に換えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。青字が書名や抜粋部分です。  赤字は特に記憶したい部分です。一部旧字体は新字体に変えています。

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40 コメント

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原本を見せろよ (Unknown)
2013-02-20 12:09:48
原本を見せろよ
返信する
 (syasya61)
2013-02-20 21:21:19


>原本を見せろよ

とのことですが、私の手元に原本があるわけではありません。しかしながら、いろいろな研究者や学者が、上記のような資料を発見し、紹介しています。否定できるのであれば、あなたと同じような考えを持つ関係者が、それを公にしている筈です。
返信する
慰安婦が強制されたのかどうか調べててこのページ... (Unknown)
2013-11-27 02:32:40
慰安婦が強制されたのかどうか調べててこのページを見つけました
外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の自由は無かったろうし
労働の強制に日本軍が関与してたのなら日本政府にも責任があるでしょうね
返信する
>外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の... (Unknown)
2013-11-27 09:06:59
>外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の自由は無かったろうし
労働の強制に日本軍が関与してたのなら日本政府にも責任があるでしょうね

 おっしゃる通りです。従軍慰安婦の問題に関しては、国連人権委員会をはじめ、様々な国際機関が聞き取り調査も含めた調査を実施しており、情報は関係者の間で共有されています。もはや言い逃れのできる問題ではないのです。だから、なんとかこの問題をすり抜けようとしてきた安倍総理も”河野談話を見直す”としてきた主張をひっこめています。
返信する
面白い資料ですね。当時の兵隊さんの風俗(エロの... (Unknown)
2014-01-08 20:14:24
面白い資料ですね。当時の兵隊さんの風俗(エロの意味ではありません)や生活感を垣間見れる良い資料ですね。
一番面白かった点は、慰安所の女性の生活が当時の兵隊さんの生活基準を定めたもの(服務)と似たり寄ったり(兵隊さんも自由な生活がありません。外出等が制限されるのが当たり前の仕事ですから)に規定されている点ではないでしょうか?前線の部隊長さんや司令部の人間がささっと作った規則といった感じがします。まあ毎日風呂入れとか衛生管理やら規則正しい生活の規定、金銭授受の明確化、酔っ払いへの対応、憲兵による保安といった点を箇条書きに示すは本当に兵隊らしい規定。危ない商売をする側による、こういう客こまるんだよねと言いうような意見も盛り込まれたんだろうなぁとちょっと関心してしまいました。通りすがりコメントですみません。
返信する
>外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の... (Unknown)
2014-08-11 22:01:39
>外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の自由は無かったろうし

外出管理=退職の自由がない・強制と飛躍する辺りに悪意を感じますね
強制とも書いてないのに日本が日本がヘイトをする
なぜ慰安婦側の親・親戚・それら家庭の状況を直接調査したり批判しないのか
日本ガーと言わないと都合が悪いのでしょうか
返信する
外出を管理=外出できる=逃げられる (Unknown)
2014-08-11 23:17:24
外出を管理=外出できる=逃げられる

外出okな拉致犯って一体(笑)強制じゃないでしょ
返信する
?様 (Unknown)
2014-08-12 10:20:37
?様

>外出を管理=外出できる=逃げられる

>外出okな拉致犯って一体(笑)強制じゃないでしょ

>外出を軍が管理してたのなら慰安婦達に退職の自由は無かったろうし

>外出管理=退職の自由がない・強制と飛躍する辺りに悪意を感じますね

 こういう責任逃れのような主張はいかがなものかと思います。まさに、”従軍慰安婦として数多くの苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた”人たちに対して、きわめて失礼で許されないことばだと思います。そして、国際社会に通用しない主張です。
 軽々しくこうした主張をするのではなく、何が問題なのか、まず、被害者の証言に真摯にしっかり耳を傾けてください。そして、国際法律家委員会(ICJ)の『国際法からみた「従軍慰安婦」問題』や国連人権委員会の「クマラスワミ報告」・「マクドゥーガル報告」など、第三者による「従軍慰安婦」問題に関する判断や日本政府への勧告を検討してみてください。
返信する
Unknown (元左翼)
2017-06-19 20:26:42
いまや創作であることが周知の事実となった吉田清治の「私の戦争犯罪」を参考資料にしたクマラスワミ報告を「第三者による「従軍慰安婦」問題に関する判断」とは噴飯ものです。慰安婦を性奴隷と規定する、あなたが米国立公文書館の「Report No. 49: Japanese Prisoners of War
Interrogation on Prostitution」をどのように感じているのか是非知りたいところです。
昨今続いたデービッド・ケイ氏やケナタッチ氏による偏向した国連報告により、日本の「自称リベラル」が国連の威光を利用して自らの主張を代弁させてきたことが明らかとなってしまいました。あの国連の勧告だからと日本人も納得してきましたが、今後同様の手口は通用しにくくなるでしょう。
「国連の威光」と書きましたが、日本や韓国以外の国では国連がそれほど信用されていないことも同時にバレてしまいましたね。恥ずかしながら、私にも国連を崇高で公平な団体だと信じていた時期がありました。
返信する
元左翼? (syasya61)
2017-06-20 11:31:54
元左翼?

>昨今続いたデービッド・ケイ氏やケナタッチ氏による偏向した国連報告により、日本の「自称リベラル」が国連の威光を利用して自らの主張を代弁させてきたことが明らかとなってしまいました。あの国連の勧告だからと日本人も納得してきましたが、今後同様の手口は通用しにくくなるでしょう。

デービッド・ケイ氏やケナタッチ氏の報告が偏向ですか? 私は、日本政府やあなたのような考え方が「偏向」ではないかと思えます。ケイ氏の「日本では政府当局者がメディアに対して直接・間接的な圧力をかけることができる」という指摘は、高市総務相「電波停止」発言などとの関連で考えると間違いではないでしょう。放送が「公平」かどうかの判断が日本では政権側にあるのですから。

>「国連の威光」と書きましたが、日本や韓国以外の国では国連がそれほど信用されていないことも同時にバレてしまいましたね。恥ずかしながら、私にも国連を崇高で公平な団体だと信じていた時期がありました。

とのご指摘も、現状認識が甘いと思います。今や中国が、経済力だけではなく、政治的にも日本以上に信頼を集めている側面があることを見逃しいてはならないように思います。

>いまや創作であることが周知の事実となった吉田清治の「私の戦争犯罪」を参考資料にしたクマラスワミ報告を「第三者による「従軍慰安婦」問題に関する判断」とは噴飯ものです。
「クマラスワミ報告」は個人的に作成されたものではありません。調査団を編成し、事前に「豊富な情報と資料を受け取り」、「注意深く検討」した後、ピョンヤンやソウルで元「慰安婦」と会い、東京で在日の元「慰安婦」や日本帝国陸軍の元兵士の証言を得て報告書を作成したというのです。吉田清治の著書だけを基にして作成されたかのような主張はいかがなものかと思います。クマラスワミの報告書が作成される前に、『政府調査「従軍慰安婦」関係資料集成』が公表されていることを見逃してはならないでしょう。クマラスワミに続いて、さらに踏み込んだ勧告を発した特別報告者マクドゥーガルは、

”この付属文書は、第2次大戦中の強かん所の設置・監督・運営に対する日本軍当局の関与について、日本政府が行った調査で確定した事実のみに基づいている。日本政府が確認したこれらの事実に基づいてこの付属文書は、第2次大戦中に「慰安所」で行われた女性たちの奴隷化と強かんについて、日本政府が現在どのような法的責任を負っているか、を判定しようとするものである。”

と書いています。吉田清治の著書などには、全く依拠していないのです。

>あなたが米国立公文書館の「Report No. 49: Japanese Prisoners of WarInterrogation on Prostitution」をどのように感じているのか是非知りたいところです。

この文書は、尋問の方法が不明ですし、その記述方法も極めて曖昧です。<尋問を受けたのは20人の朝鮮人「慰安婦」と日本人民間人2人>とあるようですが、書かれている内容の大部分は、日本の民間人(業者)の証言ではないかと思います。朝鮮人「慰安婦」の生活や労働条件等について、日本の民間人(業者)が、詳しく正確なことを話すとは考えにくいです。軍の監督下にあり従属的であったとはいえ、朝鮮人「慰安婦」の立場からみれば、民間人(業者)も加害者側なのです。朝鮮人「慰安婦」が、全く自由に証言できる状況で証言したものなら真実と受け止めるべきでしょうが、日本の民間人(業者)が、自らに有利な証言を重ねたと受け止めるべきではないかと思います。性交渉を強要された朝鮮人「慰安婦」の証言の中には、軍人はもちろん、「経営者にぶたれるのではないかといつも身をちぢこませて」いなければならなかったというような証言があるのですから…。
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