真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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731部隊 ハバロフスク裁判 柄沢十三夫証言

2008年05月13日 | 国際・政治
 日本の敗戦後、アメリカは四回にわたって、「731部隊」の調査団を日本に派遣し、関係者の尋問を基にして調査報告書を作成しているという。その調査報告書は「論争731部隊」松村高夫編(晩聲社)によると下記の通りである。
  第一次 サンサース・レポート(1945年11月1日付)
  第二次 トンプソン・レポート(1946年5月31日付)
  第三次 フェル・レポート  (1947年6月20日付) 総論のみ
  第四次 ヒルー・レポート  (1947年12月12日付)

 そして、人体実験に関する内容が明らかにされたのは、1947年の第3次(フェル・レポート)と第4次(ヒル・レポート)であるという。
 第1次や第2次の尋問で秘匿されていた事実が明かされることになったのは、後にハバロフスク裁判で人体実験の生々しい実態を証言する川島清(731部隊第4部細菌製造部長)と柄沢十三夫(731部隊第4部細菌製造部第1班班長)の供述により、その事実をつかんだソ連が「日本は2000名の満州人と中国人を殺すという恐ろしい犯罪を犯し、石井将軍、菊池大佐、太田大佐が関わっている」としてアメリカ側に3人の尋問要求をしたことがきっかけになったようである。ソ連から尋問要求があったので、アメリカが独自に尋問し、調査し、関係者に報告書を書かせるなどしてまとめたものが、上記フェル・レポートおよびヒル・レポートであるというのである。こうしてアメリカは731部隊の研究成果を独占入手する代わりに、石井四郎以下731部隊関係者を戦犯免責するという取り引きを行い、決着を謀ったのである。ソ連とアメリカの間では、どのような「駆引き」があったのか知りたいと思う。
 下記は、その柄沢十三夫証言の「戦争と疫病(731部隊のもたらしたもの)」松村高夫他(本の友社)からの一部抜粋である。
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 私ハ、安達駅ノ特設実験場デ野外ノ条件下ニ於ケル人間ノ感染実験ニ2度参加シマシタ。第一ノ実験ハ、1943年末、炭疽菌デ行ワレマシタ。コノ実験ノタメニ、特設実験場ニ連レテコラレタ10名ノ被実験者ガ使用サレマシタ。コレラノ人々ハ、五米間隔デ特殊ノ柱ニ縛リツケラレテイマシタ。コレラノ人々ノ感染ノタメニハ、被実験者カラ50米ノ所ニアッタ榴散爆弾ガ使用サレマシタ。此ノ爆弾ハ電流ニヨッテ爆発セシメラレマシタ。此ノ実験ノ結果、一部ノ被実験者ハ感染サレマシタ。彼等ニ対シテ或ル措置ガ施サレタ後、彼等ハ、部隊ニ連レテ行カレマシタガ、其ノ後、私ハ、罹炭疽シタ被実験者ガ死亡シタコトヲ報告カラシリマシタ。

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