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断電


↑台風通過直後の夕焼け

まるであの台風は来なかったかのように穏やかな秋晴れが続く。
台風上陸の日、キャンドルナイトを過ごしてぐっすり眠り、明けて翌日。
庭の柿の実が落ち、幹太さ10cmほどの果樹がぼっきり折れた。
庭に散乱する四方八方から飛んできたプラスチックの破片やビニール。
あらためて見渡してみると近隣のお住まいの被害が多々あり驚いた。
庇のトタン屋根がめくれて丸ごと飛んだり、瓦が落ちたり、アンテナが折れたり
窓が割れたり、壁に穴が開いたり、デッキや物置がつぶれたり。
近所のファミレスの看板も壊れ、道路際のカーブミラーも根元のコンクリートごとひっくり返っていた。
人づてに聞いたところによると、住居の屋根がまるごとふっ飛んだり、トラックが横転したり
ふっ飛んだ小屋が田んぼの中にあったとか。
うちの目の前を流れている川が警戒水域に達しそうで小中学校が避難所になった。
お子さん連れて避難した近所の方に聞いたら、けっこう避難してる人いたよ、とのこと。
恐怖を感じるほどの暴風雨は久しぶり。

そしてこんなに長い停電体験は初めて。
午後にぱっと電気がとまり、夜7時頃「広範囲に渡って停電しているため復旧には時間がかかる」
と町の広報が入った。
でんと太いろうそくに火を灯し、懐中電灯の明かりで夕飯を作る。
ガスや水道には支障無いが暗いだけで手元足元がおぼつかない。
1時間早目に帰ってきた夫ともそもそご飯を食べる。
お菓子も作れない、テレビも見れない、CDも聞けない、本もマンガも読めない、
日記も手紙も書けない、パソコン使えない。
何する?何が出来る?
話をすること、考えること、笑うこと、歌うこと、呼吸を整えること。
遠野の民話のように、物語を語って聞かせること、
本の朗読や読み聞かせではなく、自分の頭の中にある物語をことばにして話すこと、
そんな語りべのおばあちゃんの存在が、昔は娯楽として必要不可欠だったんだろうな~。
あまりにも電気があることが当たり前になり過ぎた。
闇夜に目が慣れるのに少し時間がかかるように、
電気がない暮らしにもう少し慣れた方がいいかもしれない。
「断食」のように「断電」をしようか。
毎月一度日を決めて、意識して電気を使わない日をつくろうか。
「キャンドルナイト」を夏至と冬至の日だけでなく、我が家では毎月一度やることにしようか。
ろうそくの揺らめく小さな炎を見つめながらそんなことをオットと話した。
停電になって電気のありがたさを知るというよりも
停電になってようやく気づく余分なモノゴトの多さ。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
« 停電復旧 庭の柿 »
 
コメント
 
 
 
Unknown (ミンミン)
2011-09-27 19:24:41
杜さん、こんばんは。
遅ればせながらですが…台風大変でしたね。
杜さんのお家は大丈夫でしたか?
私のきょうだいもちょうどそちらの方にいたのですが
やはり停電が大変だったと言っていました。
きょうだいがいた地域では次の日の夜に通電したそうです。
ガスや水道は大丈夫だったので
とりあえず煮炊きはできたのでなんとか、と言っていましたが
少し離れた場所では水が上がってきていたんだそうで。

こちらではほとんどの交通機関が止まってしまい
我が家の主も自宅に帰り着くのに一苦労でした。
ちょっと3月のあの日の事を思い出したりして
いろいろ考えてしまいました。
 
 
 
ミンミンさま ()
2011-09-28 15:15:25
そちらの方は大丈夫でしたか?
首都圏の帰宅困難者のニュースをテレビで見ましたが
311の震災の時と同じような感じでしたね。
我が家はとりあえず二階の窓の枠のネジが壊れて
豪雨の中開きっぱなしになった程度で済みましたが
この辺はけっこう被害を受けたお宅がありました。
道路のカーブミラーも根元のコンクリートごと
ごっそり抜けて倒れていてびっくりでした。
すさまじい暴風雨でしたね~。
停電も、こんなに長いのは初めてです。
お身内の地域は次の日の夜でしたか、
となると24時間以上・・・大変でしたね
やっぱり「準備と覚悟」が大事だな~と
あらためて思いました。
 
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