日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
2月13日・阿弥陀仏の誕生日
2月13日
阿弥陀仏の誕生日
仏教幼稚園では、4月8日に花まつり(灌仏会=かんぶつえ)の行事を行う。そして幼児たちに『4月8日はお釈迦様のお誕生日ですよ』と教える。ところが阿弥陀仏について一人の園児が「先生、阿弥陀仏さんのお誕生日はいつなの・・・?」と質問した。
その質問にどう答えたらいいのか、私に相談された園長さんがおられた。私としても困った質問である。
しかし、考えてみると、阿弥陀様は衆生の救済の願いを持っておられる仏である。全て衆生を救いたいのが阿弥陀仏の願いであるが、自分が善行をなしてそれで救われる善人は、余り弥陀仏の救済を必要としない。
そういう人は放っておいても大丈夫である。
それで阿弥陀仏は善を行なわんとしても出来ない人、どうしても悪行をしてしまう悪人を取り分け救ってやろうとしておられるのだ。そのような意味での『悪人救済』が阿弥陀仏の本質である。
したがって阿弥陀仏が存在するためには、悪人がいてくれないと困るのである。
この世が善人ばかりだと、阿弥陀仏の救済力は発揮されない。それでは阿弥陀仏の存在価値(レーゾン・デートル)がなくなってしまう。
悪人のおかげで、阿弥陀仏は自らの存在価値を発揮できるのである。
とすると、私たち悪人の誕生の瞬間に阿弥陀仏も誕生するわけである。阿弥陀仏が先に存在していて、その阿弥陀仏が我々衆生(とりわけ悪人)を救われるのではない。
悪人の存在が先にあって、それで阿弥陀仏が存在できるのである。だとすれば、阿弥陀仏の誕生日は、我々衆生の誕生日に他ならない。
もっともこのまま園児に言ってもわからないだろう。
だから園児にはこう教えてあげるとよい。
「お釈迦様は一人だけれども、阿弥陀さんは、たくさんおられるんだよ。君の阿弥陀さんは君の誕生日と同じ日に生まれたんだ。先生の阿弥陀さんは先生と同じ日に生まれたんだよ・・・」
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明治8年(1875)2月13日「平民ニ令シテ氏ヲ称シ、其詳ナラザル者ハ、新タニ之ヲ設ケシム」といった太政官布告が出され、平民も苗字をつけなければならなくなった。このため、苗字を持っていなかった人は四苦八苦したという。
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