日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
こころの除染という虚構150
心の除染という虚構
150
真理がCエリアはホットスポットしか除染しないことを知ったのは、前年9月に業者がモニタリングに来た時だった。
「いきなり、業者に『3無いよ。3以上のとこだけ、除染するから』って言われて、いつから変わったのかってびっくりした。私ずっと順番だと思っていたから。でもそれはみんな、高いところからやっていくって。ABCは順番だよねって」
真理はガス検診の仕事でAエリアもBエリアも担当だったため、それぞれの除染も何となく目にしていたし、Bエリアでは住民ともよく話をした。
「Bエリアの人が、娘さんのところは同じBエリアだけど、業者が違うからちゃんとやってるって。でも私はやってもらえるだけいいと思っていた。
2013(平成25)年9月9日、川崎家の「Cエリア2次モモニタリング」の記録には、このような数字が並ぶ。受託業者はアトックス。放射線測定のプロだ。
0・63、0・55、0・51、0・45、0・43、0・51、0・49。
これは家の周囲の1メートルの高さの空間線量だ。真理は言う。
「Bエリアのその家は、0・5で除染してもらっていました。その時うちは0・6あった。うちの方が線量は高いし、子どももいる。その家の人も疑問に思ってくれていた。でも『いずれやってもらえる』って思っているから、色々アドバイスをくれるんです」
「その日は仕事を休んででも立ち会った方がいい」
「何も言わないと適当にやられる」等など。
Bエリアの住民から真理が受けたアドバイスだ。Bエリアの住民も自分のところが済めば、次はC
エリアの除染が始まると思っていた証だった。
しかし、実際に業者に言われたのは、地表3マイクロシーベルと以上なければ「しない」と。
「玄関の前、物置の雨どいの下が、地表で2・8マイクロだったんです。
『ここは、子どもが毎日通る場所だから除染してください』と言ったら、工事の人『本当はダメなんだけど特別だよ』とその上に砂利を敷いて帰った」
その後、真理は、その表面の砂利の下にある2・8マイクロを発する土壌を自分で取り払い、その上にきれいな砂利をかぶせた。 続く
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