日々の感じた事をつづる
永人のひとごころ
年配者に敬意を表する心・最終回
年配者に敬意を表する心
最終回
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9月10日過ぎても桑本晴美さんから何も言ってこない。またほかの3人からも電話一本来ない。9月20日、11時40分ごろまた店へ行ってみた。桑本晴美さんは私を見て軽く会釈した。なんとなくよそよそしい。他に客は一人もいない。
「あのう、私たち夫婦は今のところとても円満なんです。おかげさまで・・・」
『いやいや、深刻な顔をして、“私たち夫婦は毎日の様に喧嘩ばかりで”といったあなた最初の話から始まったことですから、それがとても円満なら喧嘩することもなければ困ることもない ですね・・・私の鑑定結果は皆果てはまらないということになりますね。“全部あてはまるのでびっくりした”とおっしゃったのは何なのでしょうね』
「・・・・・」
今どきの若い人の中にはこういうタイプもいるのかと残念だが、今の世情では全体的に年配者を敬う心は薄れて居る、と言える。
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撰名したいけれどもお金がないので諦めます、とか夫が絶対反対なので撰名できません、という答えならまだ納得出来る。が、
「私たち夫婦は円満ですから」には恐れ入ってしまう。
掛かる費用についても、
実際には3年払いぐらいまで取り組みやすいように長期払いにしてお付き合いいただいているのだが、
「我が家には困った問題など一切ありませんので」との言葉には当方二の句が出ない。
類は友を呼ぶということか、他の3人も似たような運気であったから、やはり『ありがとう』の一言も今日までないということも納得である。
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良かれと善意でやったことではあるが、相手に善意も好意も通じないことは良くある事。こんなことがあっても、私の施しはやむことはない。それはカネよりも『名と情を好む』私の性分だからである。
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平成が終わり、新元号の時代になったが、最近例の店の前を車で徐行して通るのだが桑本晴美さんの姿を見かけない。
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親切を施すことは
雪だるまを転がすように
転がせば転がすほど
わが身に功徳がつくことになる
終り