6/20~週の日経平均は、前週から英国のEU離脱懸念が強まり1000円下落
する中、「出口調査で、残留が僅差でリード」の報が流れると、買い戻されて日経
平均は、16300円台の戻りもあった。
6/24、日本時間の昼前に、離脱を求める票が残留を上回る事が確実になった
と報道を受け、円相場は一時100円を割り込む場面も。後場はハシゴをはずされ
急転直下の下落で、15000円割れに。先物市場では、過熱を冷ますサーキット
ブレーカーが発動する混乱ぶりとなりました。
結局、日経平均は、週間で647円下落(↓4.15%)の14952円の大引けでした。
6月最終週(6/27~7/1)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
週末の1日の日欧米市場の下落率は、日本↓7.92%、ダウ↓3.39%、英↓
3.15%、独6.82%と、英国の離脱決定を最初に受けた東京市場の下落率が
大きく、市場の混乱を引き受けた格好。
日経平均、為替が102円台から円高是正シフトに動けば、下バイアスの修正から
15000円台で始まり、この大台をキープして終了する可能性は高い。
不透明感を嫌がる市場に対し、EU諸国から他国の離脱懸念がある中、不透明感
強い相場展開になる可能性もあるが、政府・日銀の速やかな対応要請など思惑も。
ただ、最終週は、個別銘柄の押し目を拾う、絶好のチャンスになるでしょう。
経済イベントで、6/28、29にEU首脳会議、米で6/29FRB包括的資本
分析の公表、7/1ISM製造業っ景況指数、中国製造業/非製造業PMIなど。
国内は、7/1の日銀短観、日本版雇用統計、家計調査などの予定が注目される。
ポイントは、102円台の為替水準が100円を切る方向なのか、104円方向へ
戻りを試すのか、ポイント。購買力平価から105~110円程度が妥当とされる中、
どちらに振れるか注目です。
日経平均、6月最終週(6/27~7/1)レンジは、14650円~15500円程度を
想定しています。
1.6月最終週(6/27~7/1)主なイベントと予定
6/27
日本 キャリア新規上場(東証マ)
日本 しまむら、ダイヤモンドダイニング 各決算
米 ルー財務長官 講演
世 世界経済フォーラム夏季ダボス会議(~6/28)
世 テ二ス・ウインブルドン選手権 開幕(~7/10)
6/28
日本 ベガコーポ 新規上場(東証マ)
日本 Jフロント、日本オラクル 各決算
日本 株主総会、タカタ、東電、旭化成
米 第1四半期GDP確報値
米 6月コンファレンスボード消費者信頼感指数
米 4月S&Pケースシラー住宅価格
英 中銀臨時オペ
EU EU首脳会議(~6/29)
6/29
日本 コメダHD、ソラスト 各新規上場
日本 ウエザーニュース、ナガイレーベン 各決算
日本 株主総会集中日(791社)スズキ、三井住友建設
米 5月個人所得/支出
米 5月中古住宅販売成約指数
米 ナイキ、モンサント 各決算
6/30
日本 5月鉱工業生産
日本 アダストリア、クスリのアオキ、ニトリ
米 新規失業保険申請件数(~6/25までの週)
米 シカゴ購買部協会景気指数
米 セントルイス連銀総裁、講演
米 国債償還 2年債(299億ドル)
5年債(361億ドル)
7年債(277億ドル)
独 6月失業率/失業者数
EU 6月ユーロ圏消費者物価指数
7/1
日本 6月日銀短観
日本 5月有効求人倍率
日本 5月完全失業率/完全失業者数
日本 5月消費者物価指数
日本 5月家計調査
日本 路線価 公表
日本 セラク新規上場(東証マ)
日本 良品計画、放電精密加工 各決算
日本 仙台空港 民営化
米 6月自動車販売台数
米 6月ISM製造業景況指数
米 債券市場、短縮取引
中国 6月製造業PMI
EU 5月ユーロ圏失業率
2.NY市場、為替/債券 各結果(6/24)
英国民投票によるEU離脱の選択できょうの市場は大混乱となった。NY時間に
入ると動きも一服していたが、為替市場は欧州通貨安・円高が急速に進んだ。
そのような中、ドル円はNY時間に入ると102円台で膠着。きょうは瞬間的に99円
付近まで急落していたが、ある種、ショックからの小康状態といった雰囲気で、次の
アクションを待つ姿勢のようだ。各国中銀の協調行動や、日本の財務省による介入
警戒感もあり下値も攻め難く、一方で、積極的に買戻す地合いでは決してない。
投資家もどうしてよいのか判断がつかないといったところなのかもしれない。
また、FRBも状況を注視する方針を示している。今週のイエレンFRB議長の議会
証言では、英国がEU離脱を決めた場合、金融市場に打撃をもたらすと強い懸念を
表明していた。市場では、今回の英EU離脱の選択により、米利上げは当面ないと
の見方が強まっている。CMEがFF金利先物取引から算出しているFEDウォッチで、
若干ではあるが、7月FOMCでの利下げの確率を織り込む動きも見られている。
確率は7%程度だが、今後、この動きが強まるようであれば、ドル円にとっては下押し
圧力となろう。
今日最も波乱の展開を見せたのがポンド円だったのかもしれない。一時133.00付近
まで下落し、高値から23円暴落する場面も見られた。カーニー英中銀総裁は会見で、
市場安定のために2500億ポンドの追加資金を供給する準備ができていると述べて
いたが、市場では英中銀の次の一手は利下げとの見方が強まりつつある。第3四半期
にも利下げとの見方も多く、翌日物金利スワップ(OIS)が織り込む次回の英中銀政策
委員会(MPC)での利下げの確率は50%に高まっている。ただ、ポンドの下落が続け
ば、輸入物価の上昇からインフレ圧力が高まることも予想され、今後、英中銀は難しい
舵取りを迫られそうだ。
ユーロ円は113円台半ばで大方の取引を終えた。本日は109.40近辺まで急落し、
高値から10円近く暴落する場面が見られた。ユーロ円は2014年12月をピークに
下落トレンドが続いている。2012年末に安倍首相が総理に就任したが、その時の
水準を下回ってきており、総理就任後の上げを消滅させている。
欧州では経済的影響はもちろん、政治的不安が高まることも警戒され、欧州通貨の
下値不安は根強い。EU離脱や独立を主張している勢力を抱えているEU加盟国は
多く、実際、スペインのカタルーニャ自治州のプチデモン州首相は、今回の英EU離脱
の選択により、同州がスペインからの独立を求める根拠が強まったとの認識を示して
いた。
英スコットランド行政府のスタージョン首相からも、英国からの独立の是非を問う住民
投票を再び実施する可能性が非常に高いと発言していたが、今後、欧州は更に流動的
なる可能性もある。
ちなみに、今週末にはスペインの再選挙が予定されており、急進左派政党で緊縮財政
反対のポデモスが連立政権を樹立するようであれば、不安定要因との指摘も聞かれる。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=319092
米国債利回り
2年債 0.625(-0.154)
10年債 1.557(-0.189)
30年債 2.409(-0.145)
期待インフレ率 1.458(-0.091)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場で利回りは急上昇。英国民投票でEU離脱が選択されたことで
市場は警戒感を強めた。安全資産である国債市場に逃避資金が集中し、利回りは
大幅に急低下している。
今回の英EU離脱の選択で、FRBも利上げ期待も後退しており、CMEがFF金利先物
取引から算出しているFEDウォッチでは、若干ではあるが、7月FOMCでの利下げの
確率を織り込む動きも浮上している。
2-10年債の利回り格差は+93(前日+97)http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=319087
3.NY株式市場、結果(6/24)
NY株式24日
ダウ平均 17399.86(-611.21 -3.39%)
S&P500 2037.30( -76.02 -3.60%)
ナスダック 4707.98(-202.06 -4.12%)
CME日経平均 15245 (大証比:+295 +1.93%)
今日の米国株式市場は急落。英国民投票でEU離脱が選択されたことで市場は大混乱
となった。アジアや欧州の株式市場が急落する中、米株も急落している。前日は楽観的
ムードも広がっていたが完全に失望売りを招いた格好。全面安の中、ダウ平均は終盤に
かけて下げ幅を拡大し、600ドル超の下げとなった。
銀行など金融株が下げをリードする格好。安全資産への逃避から国債市場に資金が流
れ込んでおり、利回りが急低下していることが嫌気されているようだ。今回の英国民投票
結果に金融機関の英国からの離脱も想定れる中、金融機関にとっては影響が大きいと
見られているようだ。
国債の利回りが低下すれば、機関投資家の採算も悪化することから保険株も下落した。
各国中銀は金融システムの支援体制強化を打ち出しており、信用不安まではまだ出てい
ないものの、警戒感は根強い。債券への投資が多い年金や生保は緩やかに破綻に近づ
いているとの指摘も聞かれた。
ダウ採用銘柄は全銘柄が下落。ゴールドマン、JPモルガンが7%下落し、キャタピラーも
6%下落した。IBM、ボーイング、アメックスも5%超の下落。
金融機関のなかでもモルガン・スタンレーの下げが目立つ。英BBCが英国民投票で
EU離脱が選択されたことで、モルガン・スタンレーのロンドンの投資銀行部門2千人
職をアイルランドのダブリンかフランクフルトに移す作業を開始したと伝えていた。
モルガン・スタンレーはこの報道を否定はしているが、直ぐではないものの、事業環境
にあわせて調整することは検討しているとしている。
ナスダックも急落。ITハイテク株も揃って下落。旅行も大きく下落している中、世界
最大の旅行代理店のプライスラインが11%の大幅安となった。プライスラインの
売上高は2005年にオランダのブッキングドットコムの買収を手掛かりに欧州で
70%近くを占めることから、今回の英EU離脱の選択は他社以上に懸念が強い様だ。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=319086
4.NY市場、原油先物8月限/金先物8月限 各結果(6/24)
NY原油先物8月限(WTI)
1バレル=47.64(-2.47 -4.93%)
ブレント先物8月限(ICE)
1バレル=48.41(-2.50 -4.91%)
ブレント-WTI 0.77
今日のNY原油先物相場は急落。英国民投票でEU離脱が選択され、市場はリスク
回避の動きを強めている。安産資産への逃避から原油も売りに押された格好。前日は
英国民投票への期待から50ドル台に上昇していたが、きょうは失望売りにつながっ
た格好となっている。
8月限は東京時間に一時46ドル台に急落していた。その後、下げ渋ったものの戻りは
鈍く47ドル台で通常取引を終えた。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=319082
NY金先物8月限(COMEX)
1オンス=1322.40(+59.30 +4.69%)
今日のNY金先物相場は6日ぶりに急反発。英国民投票でEU離脱が選択され、市場は
リスク回避の動きを強めた。安産資産への逃避から金は買いを集めた格好となっている。
8月限は英EU離脱の選択が確定した東京時間に1360ドル付近まで急伸した。その後、
伸び悩んだものの、NY時間に入っても1300ドルの水準は維持している。今回の英EU
離脱の結果で、金は1500ドルを目指す可能性も指摘され始めている。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=319083
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