7/25~週の日経平均は、日米金融政策に注目が集まった。そんな中、決算
反応も見られ、日替わりアップダウン株価のもみ合い商状。米国では予想通り
利上げ見送りも、9月利上げについて言及はなかった。一方、日銀は追加緩和
に踏み切るとの思惑通り、ETFの買い増し倍増を打ち出したが、初期反応は、
内容の解釈でやや円高の反応になる中、週末は反発となった。
7月最終週の日経平均は、57円下落(↓0.35%)16569円の大引けでした。
8月第1週(8/1~8/5)の主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
週末の大引け後、為替の円高が進行し102円台となっており、日経平均先物は
15360円程度となっており、下落からのスタートになりそうです。
ただ、8/2に事業規模28兆円の経済対策が示される上、7/Eの追加緩和の
効果が出なければ、9月追加金融政策を打ち出す金融政策・財政政策の両輪で
アベノミクス再起動の思惑もあり、持ち直しの可能性もあります。
また、国内決算がピークに向かい、円高傾向で輸出株の減益要因の中、企業の
保守的予想も増えており、アク抜けになる銘柄も出てくる事が予想されます。
日経平均、8月第1週(8/1~8/5)レンジは、16250円~16900円程度を
想定しています。
1.8月第1週(8/1~8/5)
7/31
米 国債償還 2年債(290億ドル)
5年債(287億ドル)
8/1
日本 JT、住友電工、キーエンス、三菱UFJ等 決算
米 7月ISM製造業景況指数
米 6月建設支出
中国 7月製造業PMI
中国 7月財新製造業PMI
世 バーキンドOPEC新事務局長 就任
8/2
日本 政府による経済対策決定
日本 7月マネタリーベース
日本 7月消費動向調査
日本 旭化成、小野薬品、ホンダ、KDDI等 決算
日本 IOC総会、東京五輪の追加種目(~8/4)
米 7月自動車販売
米 6月個人支出/個人所得
米 P&G、ファイザー、CVSヘルス、AIG、エトナ、
エイボン 各決算
米 ダラス連銀総裁、講演
豪 中銀政策金利発表
8/3
日本 内閣改造、自民党 役員人事
日本 日銀議事録(6/15、16実施分)
日本 明治、クボタ、富士重工、オリンパス等 決算
米 7月ADP雇用者数
米 7月ISM非製造業景況指数
米 タイムワーナー、メットライフ、ヒューマナ 各決算
中国 7月財新サービス業PMI
仏 アクサ、ソシエテ ジェネラル、クレディ・アグリコル 各決算
蘭 INGグループ
伊 ウニクレディト 決算
EU 6月ユーロ圏小売売上高
8/4
日本 岩田日銀副総裁、講演
日本 テルモ、トヨタ、エフピコ、三井不動産
米 6月製造業受注
米 新規失業保険申請件数(~7/30迄の週)
米 21世紀FOX、バイアコム 各決算、
米 ダラス連銀総裁、講演
英 中銀政策金利発表
英 中銀四半期インフレ報告
EU ECB経済報告
8/5
日本 6月毎月勤労統計
日本 6月景気動向指数
日本 大成建設、東レ、シスメックス、セコム等 決算
米 7月雇用統計
米 シマンテック 決算
世 第31回夏季五輪リオデジャネイロ大会(~8/21迄)
2.NY市場、為替/債券 各結果(7/29)
今日のNY市場はドル売りの動きが強まり、ドル円は一時102円を割り込んでいる。
この日発表になった第2四半期の米GDPが前期比年率換算で+1.2%と予想を
大きく下回る内容となったことが嫌気されている。今週のFOMC声明で、利上げ
ムードが改めて復活していたが、きょうのGDPはその雰囲気に水を差す結果と
なった。
GDPについては個人消費は力強く推移していたものの、民間投資が大きく減少
しており成長を圧迫した。在庫投資が81億ドルの減少と2011年以来の減少と
なっており、企業の投資が鈍化していたことが示されている。
きょうのドル円は二重の逆風にさらされた格好となった。日銀は追加緩和を決定
したものの、ETFの増額のみに留まり、ドル円はネガティブな反応を示していた。
もともと今週の市場は、日銀が追加緩和を打ち出してもドル円は失望売りを見せ
るというのがメインシナリオで、ドル円の上値は重かった。その意味では「噂で売
って事実でも売る」といったところだったのかもしれない。舌も乾かぬうちに今度は
弱い米GDPで、円高圧力にドル安圧力が加わった格好となり、102円を一時割り
込んでいる。
目先は再び100円割れが視野に入りそうだ。頼みの米利上げ期待も、今日の米
GDPで一旦後退。ただ、米指標次第では利上げ期待は再び高まる可能性もあり、
100円を割り込んだ水準では押し目買い意欲も相当程度あるものと思われる。
ドル安の流れからユーロドルの買い戻しが強まり、一時1.12台をうかがう動きも見
られた。今週に入ってユーロドルは買戻しを強めており、前日に200日線付近に
到達するなど反転の兆しも出ていた。きょう以降の動きが注目だったが、大幅高と
なり、200日線から完全に上放れしている。
ただ、ファンダメンタルズからはユーロドルの上げが続くかは懐疑的だ。この日発表
のユーロ圏の消費者物価速報値は、予想は上回っていたものの、なおデフレぎり
ぎりの水準にあり、ECBに追加緩和の余地を残す内容となっている。ECBとFRB
方向感格差拡大への期待は依然として高いものと思われる。
今回ユーロドルの上げは、その期待の一時的なズレと、英EU離脱問題の一時的な
落ち着きが要因と思われ、いずれ修正されるのであろう。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=324229
米国債利回り
2年債 0.655(-0.051)
10年債 1.450(-0.055)
30年債 2.179(-0.053)
期待インフレ率 1.490(-0.030)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場、利回りは低下している。この日発表になった第2四半期の
米GDPが前期比年率換算で+1.2%と予想を大きく下回る内容となったことが
嫌気されている。今週のFOMC声明で、利上げムードが改めて復活していたが、
きょうのGDPはその雰囲気に水を差す結果となった。
政策金利に敏感な2年債利回りは0.7%を下回り、10年債利回りも1.44%まで
低下している。
2-10年債の利回り格差は+80(前日+80)http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=324225
3.NY株式市場 結果(7/29)
NY株式29日
ダウ平均 18432.24(-24.11 -0.13%)
S&P500 2173.60( +3.54 +0.16%)
ナスダック 5162.13( +7.15 +0.14%)
CME日経平均 16360 (大証比:-250 -1.53%)
今日のNY株式市場でダウ平均は小反落したものの、全体的には底堅い動きを
堅持している。朝方発表になった第2四半期の米GDPが予想を大きく下回る弱い
内容だったことで、序盤は売りが先行した。きょうが7月末の取引ということもあり、
調整売りも出ていたようだ。ダウ平均も一時85ドル安まで下落したものの、下値
では押し目買いも入り、一時プラス圏に戻す展開。きょうのGDPを受けて早期利
上げ期待が後退しており、株式市場の下値を支援している面もありそうだ。
決算関連ではアルファベットやアマゾンなどが上昇した一方、エクソン・モービル
下落している。
ダウ採用銘柄ではエクソンモービルのほか、マクドナルド、ビザが軟調。一方、
ベライゾン、P&G、マイクロソフトが堅調に推移した。
HPの会社分割で新たに情報部門の会社として誕生したHPエンタープライズが
上昇。一部で投資会社が買収を検討しているとの観測が伝わっている。KKRや
アポロ・グローバルなど大手のプライベート・エクイティの名前が候補として
あがっている。
ナスダックは上昇。決算を受けてアルファベットやアマゾンの上昇が指数をサポ
ートした。
医療廃棄物処理のステリサイクルが大幅安。同社の届け出によると、過去の決算
での損失引当金の計上時期に誤りが生じていたことを明らかにした。誤りは過去の
訴訟2件の和解に関連したもので、2015年の第1四半期から第3四半期までの
財務報告書に影響しているとしている。15年通期の純利益には影響しないとして
いる。また、4-6月期の決算も発表しており、売上高、利益とも予想を下回った。
HDDなどストレージ技術とソリューションを提供するウエスタン・デジタルが大
幅安。決算を発表しており、7-9月期の見通しが予想を下回ったことが嫌気され
ている。調整後1株利益の見通しは0.85ドル~0.90ドルと予想(0.94ドル)を下
回った。アナリストの投資判断引き下げも伝わっており、サンディスクを買収した事
で、短期的には成長加速も見込まれるが、長期的には課題も多いとしている。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=324224
4.NY市場、原油先物9月限/金先物9月限 各結果(7/29)
NY原油先物9月限(WTI)
1バレル=41.60(+0.46 +1.12%)
ブレント先物9月限(ICE)(終値)
1バレル=42.46(-0.24 -0.56%)
ブレント-WTI 0.86
29日のNY原油先物期近9月限は反発。依然として供給だぶつき懸念やチャート
面の悪化などが背景となり、夜間取引で一段と値を沈めたが、立会い開始後は下げ
すぎ感からの修正へと転じた。
9月限は、夜間取引で一時、40.57ドルと期近ベースで4月20日以来の水準へ下落
したが、立会い開始後は同水準を攻めきれず、中盤以降は安値修正へと転じた。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=324217
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1357.5(+16.3 +1.22%)
29日のNY金先物相場は続伸。日本銀行が追加緩和を決定したことや、第2四半期
米国内総生産(GDP)速報が予想外の小幅な伸びとなり、ドル相場が下落したこと
などが好感された。
12月限は、時間外取引では伸び悩み上値が押さえられていたものの、通常取引開始
後はほぼ一本調子で切り返すと、12日以来の水準へと大きく値を伸ばした。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=324212