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日曜の夕方、あるテレビドラマから書き記そうと思います。最近 はまっているドラマが
あります。
それは、今晩放送される『JIN-仁-』(TBS系9:00)で、幕末の日本にタイムスリップした
脳外科医、南方仁が、過去の人間の運命を変えていくことに畏れながら、抗生物質や現代
医療器具の無い幕末で、病気や怪我の江戸の民を救う歴史SFドラマ。
実は、コミックに掲載されていた7、8年前から、この漫画に注目してましたが、ゴールデン
タイムにテレビドラマになるとは、思っても見ませんでした。
主人公の仁が、坂本竜馬や勝海舟、緒方洪庵などと関わって行く様子は、ちょっと、
ばからしく劇画的様相ですが、知恵と情熱で、孤軍奮闘するさまは、「人を救うのは人で
ある。」を示唆してくれます。
現状の経済閉塞感にあって、「このデフレを克服するのも、人である。」と知恵と英断
が求められます。
ということで、このドラマ主題歌「逢いたくていま」(歌手:MISIA)をBGMに
「デフレ克服のレシピ」をアップします。
MISIA - 逢いたくていま (Official PV) TBS系ドラマ日曜劇場「JIN-仁-」主題歌
「新しい価値を創造して、何としてでも価格下落を食い止め、反転上昇のスパイラル
(連鎖)を生み出したい」
上表は、デフレ連鎖のスパイラルを表したもの。
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そんな中、新しい価値創造で、需要を喚起しようとしているのが、東芝テレビ事業。
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東芝で、テレビ事業を統括する執行役常務の大角正明は、力を込める。東芝は12月上旬に
店頭価格100万円前後の高級液晶テレビを発売する。地上デジタル放送8チャンネルの
番組を約26時間分丸々保存し、好きなときに視聴できるなど、手持ちの「付加価値」を
すべてつぎ込んだ。
「どれだけ売れるのか」と不安は尽きない。だが安さ最優先の消費者ばかりを追って
いては、売っても売っても儲からない。東芝にとってデフレにあらがうチャレンジでもある。
≪LEDテレビ活路≫
都内の大手家電量販店の店頭では、売れ筋の32型の新モデルに実売で8万円前後の
値段が付く。昨年は10万円前後。1年で2割も値下がりした。
今月19日には西友がエコポイントの還元分を引いて実質2万7800円の破格値の32型
液晶テレビを売り出した。製造は韓国で行われている。
量販店の担当者は「機能を高めた新製品だからといってすぐには買ってくれない。値下がりを
待つお客さんが多い」と打ち明ける。
少子高齢化で“パイ”が増えない市場に大手だけで6社がひしめく。規模拡大で価格決定権を
握った巨大量販店からの値下げ圧力は強まるばかりだ。
ソニー、シャープ、パナソニックなど多くのメーカーのテレビ事業が赤字。コスト削減も
限界に近い。
「部品の調達先を安い新興国メーカーに切り替えざるを得ない」(大手メーカー幹部)。
このままでは国内の仕事がどんどん失われていく。
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縮小の連鎖を何とか断ち切ろうと、シャープが導き出した一つの答えが「LEDテレビ」。
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画面を背後から照らすバックライトに従来の蛍光管に代わって消費電力の少ないLED(発光
ダイオード)を使う。10日から順次発売した「アクオスLED」は、店頭価格25~55万円を
想定している。
副社長の松本雅史は「消費電力を3割削減し、画面の隅々まで明るくコントラストも鮮明」と、
下落阻止の切り札と位置付ける。
シャープは10月に4300億円を投じた堺工場を稼働させた。部品メーカーなど18社が集積し、
LED基幹部品も内製する。LEDテレビは国内の仕事を守る切り札でもある。
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価格破壊の先鞭、ジーンズ戦争で、危惧するユニクロ。
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「最終的には無料になるんじゃないか」。690円まで登場した低価格ジーンズ戦争に火をつけた
ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正が語った冗談が現実になった。
衣料品チェーン、ジーンズメイトが10月22日から4日間、大阪と広島で毎日100着を無料で
配布した。配ったのは「リーバイス」など1万円はくだらない有名ブランド品だ。ジーンズメイト
社長の福井三紀夫は「激安品の影響は大きい」と苦悩する。
国内メーカーのボブソンは今月、ジーンズ事業を売却して撤退。クラボウはデニム生地の
糸を生産する工場を閉鎖した。ここでも仕事が失われている。
柳井は「みんなが低価格に集中すると価値はなくなり、価値がないものは売れなくなる」と
警鐘を鳴らす。
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11/20、政府は月例経済報告で、物価が持続的に下落する「デフレ」状況にあると
認定しました。
モノが売れず、値段が下がり、経済規模がどんどん縮小する重い病だ。
売れるモノを生み出して儲け、賃金を増やし、消費を拡大させる。デフレの負の連鎖と
は逆の好循環へと歯車を動かすことができるのか。日本企業の底力が試されています。
国際大学や筑波大学の名誉教授である経済学者、宍戸駿太郎は、旧知の米国人研究者
からのメールに深くうなずいた。
「マイルドなデフレが一番怖い。穏やかな物価下落を謳歌(おうか)するならば、日本経済は
絶対に浮上しない」
送り主は1980年にノーベル賞を受賞した経済学者、ローレンス・クライン。「安売りに興じる
消費者の最大の被害者は財政だ。政府が積極的な景気刺激策をためらうほど国の赤字は
逆に膨らみ手遅れになる」とも指摘した。
≪日本は反面教師≫
デフレで、経済活動が萎縮(いしゅく)すれば当然、国の税収も落ち込む。
「思い切った財政出動を行えば、3年後の平成24年には経済成長率が21年のマイナス0.2%
からプラス3.5%に上昇。国の借金は一時的に増えるが、税収が大幅に増え、25年からは
債務残高が減少していく」
宍戸は9月末に日米の学者を集めた会議を都内で開き、こんな経済モデルを示した。
宍戸は「クラインをはじめとした世界の経済学者は、なかなか積極的な経済対策に踏み切らない
日本の失敗から多くを学んでいる。反面教師としての貢献度は抜きんでている」と、ため息を
漏らした。
デフレは需要が不足しモノが余ることで起きる。不足額である「需給ギャップ」は4~6月期で
40兆円に上る。物価下落と景気悪化が連鎖的に進行する「デフレスパイラル」を阻止するには、
このギャップを埋める必要がある。
民間企業の活力だけで需要を創造するには限界がある。政府が果たすべき役割は大きい。
子ども手当、高速無料化、高校無償化、ガソリンなどの暫定税率の廃止…。鳩山政権の重点
施策には手厚い家計支援が並ぶ。財政支出は22年度で6.9兆円、23年度で12.6兆円に
上る。政府は家計を潤して消費を増やし需要を創出するシナリオを描く。
日本総合研究所の松村秀樹は、子ども手当だけで家計の所得は22年度に総額2.8兆円、
23年度に3.5兆円増え、「年間可処分所得を1%前後押し上げる」と試算する。
だが、増えた収入が実際に消費に支出される割合は55%にとどまるとみる。さらに「次第に
増税などの負担増も明らかになってきた。将来不安から増収分を貯蓄に回す可能性があり、
流動的だ」と、支出の目減りを懸念する。
需要創出効果に疑問が残る財政出動でも、新規の国債発行が増え、借金は膨らむ。21年度は
過去最高の50兆円に達する。政府は22年度は44兆円以下に抑制する方針を堅持するが、
市場では「デフレ進行で税収が落ち込み、50兆円前後は避けられない」(アナリスト)との見方が
大勢だ。
9月末時点の国債と借入金を合わせた国の債務残高(借金)は、約865兆円、国民1人当たり
約678万円に上る。
宍戸の言う将来の成長で借金を返済する大胆な財政支出も選択肢の一つだが、現実的には
限度がある。
ならばこそ、「賢い経済政策」(首相の鳩山由紀夫)が重要になる。
ギャップを埋めるにはどんな政策が最も有効なのか。エコカー減税やエコポイントのように
消費者の支出を直接的に促す政策の効果は大きく、7~9月の実質GDP(国内総生産)が年率
4.8%増の高成長を記録する原動力となった。ただ、「需要の先食い」の側面は否定できず、
今後は刺激効果も薄れる。
エコ住宅への建て替えを促進するなど一歩進めることが欠かせない。
≪投資促し減税も≫
企業の環境投資を促す減税も有効だろう。工場などの省エネ化や新技術の開発が進めば、
需要が創出されるだけでなく、将来の成長にもつながる。
デフレ宣言を出し、「危機意識」(財務相の藤井裕久)をあおるだけでは何の解決にもならない。
重い病であるデフレを退治するため、今何をすべきなのか。政策の優先順位をはっきり示す
必要がある。
出典:産経新聞(09/11/22)
(吉村英輝、佐藤克史、小熊敦郎)
今の日本に求められるのは、新しい市場価値を生み出す製品、サービスを供給し、有効
需要を掘り起こす、シュンペーター的イノベーションを軸にした、経済活動における新陳代謝を
促すビジョンでなかろうか。
未来から脳外科医の「仁」よろしく、現代にタイムスリップしてきた経済外科医、「仁2世」が
見たら、どのように、経済処方箋をだすであろうか。
鳩山政権は、経済成長のビジョンを至急提示すべきで、デフレのトラップから抜き出す政策、
レシピが求められるのです。
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