1/25週の日本市場は、外部環境の懸念から調整色を強めた展開になりました。
1)オバマ米大統領の新金融規制案
2)中国の金融引き締め策懸念
3)ギリシャの財政赤字問題
NY市場、経済指標を好感(GDP上方修正など)して買いが先行も、上記要因と
週末要因で、売りが優勢となり、下落して1月相場は陰線で終了しました。
日本市場も、上記要因やリスク回避の動きから若干円高にシフトし、さらにS&Pが
国債格付け見通しを引き下げるなどにより、買い意欲を後退させました。
また、トヨタのリコール問題が、米国/中国/欧州と「火の車」と広がり、対象台数
約1000万台。せっかくHV車で巻き返しを図り、復活の狼煙をあげ、成長の道筋も
見えたが、安全性・品質への信頼を揺るがし、ブランドイメージを毀損する格好に。
株価も、嫌気売りに押されました。
日経平均は、1週間で392円下落(3.7%)し、10198円の週末大引けでした。
1月相場、月足陰線となりました。
明日からバンクーバ五輪 2月。2月第1週の主なイベントと予定は、下記1.の通り。
引き続き、企業決算発表が目白押し。米国は経済指標が盛り沢山で、何と言っても
雇用統計がポイントになります。これらを確認しながらの相場展開になりそうです。
また、オバマ米大統領の新金融規制案は、G7で話題になる可能性もあります。
週末の雇用統計を前、好材料は、米国のGDPを始めとする改善された経済指標を
背景に、ドル買いの動きが見られること。
為替が90円以上で推移するなら、これまで発表された上場企業の第3四半期経常
利益は、前期比14%増と3期連続で拡大しており、下押しは限定的と見ておきたい。
日経平均の2月第1週(2/1~2/5)のレンジは、10100円~10600円程度を
想定しています。
1.2月第1週(2/1~2/5)主なイベントと予定
2/1
日本 1月国内自動車販売台数
日本 住生活G(5938)、味の素(2802)、ダイハツ(7262)、塩野義製薬(4507)
大阪瓦斯(9532) 、アサヒビール(2502) など決算
米 1月ISM製造業景況指数 (予想、55.6)
米 12月個人所得、消費支出(PCE) (予想、コアPCEで前年比+1.5%)
米 ガイトナー米財務長官 議会証言
中国 1月製造業購買担当景気指数
英 1月製造業PMI
米 エクソンモービル
2/2
日本 マネタリ-ベース
日本 三井物産(8031)、ソフトバンク(9984)、野村H(8604)、三菱電機(6503)
アステラス製薬(4503)、タカラトミー (7867) など決算
米 12月中古住宅販売保留指数 (予想、前月比+0.6%)
豪 中銀政策金利
EU 12月ユーロ圏生産者物価指数
米 ダウ・ケミカル、メットライフ、アフラック、ベリサイン
D.R.ホートン、JDSユニフェーズ 各決算
2/3
日本 節分
日本 旭化成(3407)、武田薬品工業(4502)、新日鉱H(5016)、住友金属(5405)
シャープ(6753)、三菱自動車(7211)、本田(7267)、 三菱UFJFG(8306)
横浜銀行(8332) など決算
米 1月ADP雇用統計 (予想、-4万人)
米 1月ISM非製造業景況指数 (予想、51.0)
英 1月非製造業PMI
EU 12月ユーロ圏小売売上高
米 クラフト・フーズ、タイムワーナー、ブロードコム、ファイザー
シスコシステムズ 各決算
2/4
日本 カカクコム(2371)、ぐるなび(2440)、ドワンゴ(3715)、日本合成化学(4201)
宇部興産(4208)、SANKYO(6417)、日立(6501) 、ソニー(6758)
三洋電機(6764)、三菱重工(7011)、トヨタ(7203)、オリックス(8591)
三菱地所(8802)、日本テレビ(9404)、ヤマダ電機(9831) など決算
米 12月製造業受注 (予想、前月比+0.5%)
米 週間新規失業保険申請件数
豪 12月小売売上高
英 中銀 政策金利発表
EU ECB 政策金利発表
EU トリシェECB総裁 会見
米 ケロッグ、CMEグループ
2/5
日本 12月景気動向指数速報(内閣府)
日本 1月携帯電話契約数
日本 サッポロ雪祭り(~2/11)
日本 国際帝石(1605)、不二製油(2607) 、キッコーマン(2801)
パナソニック(6752)、三井造船(7003)、スズキ(7269)、テレビ東京(9411)
ベネッセH(9783) など決算
米 1月米雇用統計 (予想、失業率が10.0%、
非農業部門雇用者数、前月比+1.3万人)
加 1月カナダ雇用統計
世 G7開催(~2/6 カナダのイカルイト)銀行規制を討議
2.NY市場、為替/債券市場(1/29)
25日の週は、前週に引き続きリスク回避色が支配的となり、ドル買いが一段と
進行。前週はオバマ大統領が金融規制案を発表し、市場がネガティブな反応を
示していた。
今週は、一般教書演説で雇用対策中心の施策が発表されたが、市場は反応薄
だった。米FOMCでは前回から若干の経済改善が示唆された。
市場を驚かせたのがホーニグ委員が反対票を投じたことだった。これまでの、
異例の低金利政策を長期的に維持、との文言に反対を唱え、ドル買いが強まる
一因となった。
その他、リスク回避材料が目白押しだった。
引き続きギリシャ財政問題がギリシャ国債売りを誘い、ユーロ安材料となった。
また、日本の長期格付け引き下げ懸念や英銀行システムの脆弱性の指摘など
米格付け会社から各国に警鐘が鳴らされた。中国株は引き続き金融引き締め
懸念で軟化、米株式も予想以上に強い米GDP速報に対し、売りで反応して週末を
迎えている。
ダウ平均は年初来安値を更新して引け。ユーロドルは1.38台へと下落し、約半年
振りのドル高水準となった。
ドル円は89円台から90円台へ小幅上昇したが、クロス円全般で円高が進行した。
ドル高進行とともに、円高も強まった週だった。
米国債利回り
2年債 0.820(-0.040)
10年債 3.596(-0.039)
30年債 4.498(-0.051)
29日のNY債券市場は質へ逃避買いが強まり、各期間で長期債利回りは低下。
序盤に発表された米第4四半期GDP速報値は、年率換算5.7%増と市場予想を
大幅に上回った。在庫や外需主導での回復だった。この結果を受けて債券は
売られ、10年債利回りは3.6889%まで上昇した。その後のシカゴPMIやミシガン
大学消費者信頼感指数も予想を上回ったことで、利回りは前日比プラス圏で
推移した。
しかし、週末や月末要因でポジション調整が進んだことや、米株式市場が次第に
売り優勢となったことから、長期債に質への逃避買いが強まっていった。10年債
利回りは引けにかけて下げ続け、3.59%を割り込む水準へと低下した。
市場関係者の中に、GDP上昇で消費の寄与度が低い点を指摘、自律的回復には
懐疑的な意見も聞かれた。
2-10年債利回り格差は277.6bpと前日の278.3bpとほぼ同水準だった。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=61202
3.NY株式市場(1/29)
NY株式
ダウ平均 10067.33(-53.13 -0.52%)
S&P500 1073.87 (-10.66 -0.98%)
ナスダック 2147.35 (-31.65 -1.45%)
CME日経平均 10235 (大証比:+75 +0.73%)
出来高(億株)
NYSE 15.81
ナスダック 31.78
29日のNY株式市場は、ダウ平均0.52%安、ナスダック1.45%安など軟調に取引
を終えた。
序盤は一連の強い米経済指標を好感して買いが先行した。ダウ平均は10200ドル
台へと上昇。しかし、次第に売りが優勢となって、上げ幅を縮小。下げに転じると
終盤に10050ドルを割り込む場面もあった。結局。1月相場は陰線で終了している。
市場では引き続き中国の金融引き締め措置やユーロ圏の財政赤字問題など懸念
材料が重石となっていた。また、米GDPの内容からは在庫および外需の寄与度の
高さが指摘される一方で、内需の弱さが浮き彫りになったとの見方もあった。
個別には上下まちまちだが、特にハイテク系が弱かった。マイクロソフト3.36%安、
インテル2.61%安、IBM1.10%安など。また金融株も規制への懸念で弱かった。
JPモルガン1.37%安、バンカメ1.24%安等。一方、消費関連に見直し買いもあった。
ウォルマート1.56%高、ホームデポ2.45%高など。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=61203
4.NY市場 原油先物3月限、金先物4月限(1/29)
NY原油先物3月限(WTI)
1バレル=72.89(-0.75 -1.02%)
29日のNY原油先物は前日比0.75ドル安の72.89で通常取引を終了。米GDPなど
一連の米経済指標が強かったことから一時74ドル台後半まで上昇したが、為替
市場でのドル高進行やNY株式市場の軟調により売りが優勢になった。
73ドルを割り込んで昨年末以来の安値水準で取引を終えた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=61196
NY金先物4月限(COMEX)
1オンス=1083.80(-1.00 -0.09%)
29日のNY金先物は前日比1ドル安の1083.80で通常取引を終了。
序盤は米第4四半期GDP速報値が5.7%成長と予想を上回ったことが好感されて
1090台まで上昇したが、その後は軟調に推移した。
ユーロドルが1.39割れとなるなどドル高が進行した事で代替資産売りが強まった。
一時1077.50まで下押し。終盤にかけては下げ渋り小幅安で引けた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=61192
☆ 各1クリック、応援の協力を お願いします。☆
人気ブログランキングへ
株・投資ランキング