「昭和の日」の休日、横浜も穏やかに晴れ渡り、街並みの景色を眺めるのも
いいものです。
さて、グローバルに見渡せば、眠らぬ金融市場で、昨日28日のNY市場は
ダウが小幅安の12871$、ナスダックは1.5P上昇の2424Pでした。
CME日経平均先物は、現在、14000円手前の動きですね。
NY市場で、M&Mを製造するチョコレートメーカーのマーズとウォーレン・
バフェット氏率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイがコラボし、チューイン
ガム大手ウィリアム・リグリー・ジュニアを230億$(約2兆3000億円)で
買収する契約、合意間近であるとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナルが
報じています。
Mars and Berkshire's $23 billion deal for Wrigley was a big surprise on
Wall Street, but the effects are clear: a colossal candy-and-gum company
investing in new markets around the globe, without having to answer to
public shareholders.
http://online.wsj.com/article/SB120938614337749423.html?mod=hpp_us_whats_news
M&Aも裾野が拡がり、株式市場を刺激することは、良いことです。
「良いM&A」にするために、ピータードラッカー著の『実践する経営者』
ダイヤモンド社が、参考になりそうです。
--以下、要点抜粋--------------------------
企業買収を成功させる5つの原則 ー 成功する買収と失敗する買収
最近の企業買収ブームは、事業上の理由によるものではない。真に単純な
財務上の操作による金儲けのためのものである。しかし、事業上の理由の
ない買収は、マネーゲームとしてもうまくいかない。
事業上も金銭上も失敗に終わる。
企業買収が成功するには5つの原則がある。
1世紀前のJ.P.MORGEN の時代から、企業買収に成功した者はみなこの原則
を守っている。
何を貢献できるか
1)企業買収は、買収する側が買収される側に何を貢献出来るかをかんがえて、
初めて成功する。いかに相乗効果が魅力的に見えようと、買収される側が
買収する側に何を貢献できるかは問題ではない。買収する側が貢献できる
のはケースによって異なる。マネジメント力、技術力、販売力である。
資金だけでは不足である。GMはディーゼルエンジン事業の買収に成功した。
マネジメント力と技術力の両面で貢献した。しかし、資金面で貢献できる
にすぎなかった建設事業と航空機用エンジン事業の買収では失敗した。
2)企業買収による多角化は、他のあらゆる多角化と同様、共通の核があって
はじめて成功する。以下省略
3)いかなる企業買収であれ、買収する側の人間が、買収される側の製品、
市場、顧客に敬意をもっていなければ買収は成功しない。企業買収には
体質の一致がなければならない。以下省略
4)買収した側は買収された側に対して、ほぼ1年以内に経営陣を送り込まね
ばならない。経営陣を買えると思うことがそもそもの間違いである。
買収された側の経営陣はいなくなるものと覚悟しなけれなならない。経営者
はボスであることに慣れている。事業部長などにはなりたくない。オーナー
であれば買収によって大金を手にしている。大して面白くないのに残る必要
はない。オーナーでない経営者であれば、簡単に別の会社が見つかる。
しかも経営者を他所から連れてくるなどということは、ほとんど成功の見込み
のない賭けである。
5)買収した最初の壱年間は、買収した側と買収された側の人間を大勢環境を
越えて異動させ昇進させなければならない。そうすることによって、双方の
人間に対し、買収が機会であることを確信させなければならない。この原則は
経営陣や、その一歩手前の人間だけに適用するものではない。比較的若い経営
管理者や専門家にこそ適用すべきである。事業の成否は、それら若い人たちの
献身にかかっている。買収のために将来に希望をもてなくなったら、辞めていく。
しかも、かれらは経営陣よりもはるかに容易に新しい職場を見つけることが
できる。
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それにしても、マイクロソフトがヤフーに提案した買収案の行方、目が離せません。