6/13~週の日経平均は、英のEU離脱懸念を先取りした暴落の週となった。
欧米株式市場も軟調となる中、為替市場で、安全資産とされる円が買われ続け、
日銀のノーアクションにより、仕掛け的な円買い、株先物売りを誘発し、週間で
1000円以上の暴落となった。
日米金融政策で、両国の動きは対照的。米国は、追加利上げ見送りに先送りを
含みにしたのに対し、黒田総裁は、ただ変更なしを決定。市場との対話ができて
なく、為替市場の餌食になった格好でした。
為替を安定的に保つ仕事の日銀が、通貨の番人を放棄するような格好でした。
結局、日経平均は週間で、1001円下落(↓6.03%)15599円でした。
6月第4週(6/20~6/24)の主なイベントと予定は、下記1の通りです。
6/20~週は、6/23英国のEU離脱可否を問う国民投票がポイント。
昨日のファンドマネージャーの予想通りになるか、予断を許さないのが一般の
国民投票。小生は、残留が過半を握ると読んでますが、5p差あるかないか。
日経平均は、6/24に残留決定後の買戻しになると読んでいますが、どうなる
か、注目です。
日経平均、6月第4週(6/20~6/24)のレンジは、15200円~16000円
程度を想定しています。
1.6月第4週(6/9~6/24)主なイベントと予定
6/20
日本 黒田日銀総裁、講演
日本 5月貿易収支
日本 5月百貨店売上高
日本 5月コンビニエンス売上高
日本 あさひ 決算
米 ミネアポリス連銀総裁、講演
EU ドラギECB総裁、欧州議会で発言
6/21
日本 日銀議事録(4/27、28分)
日本 AWS、ストライク 各新規 東証マ上場
日本 アークランドサカモト 決算
日本 ゆうちょ銀行、三井物産 各株主総会
日本 党首討論会
米 イエレンFRB議長、上院証言
米 アドビ・システムズ 決算
米 国債入札 2年債(260億ドル)
独 6月ZEW景況感指数
英 中銀臨時オペ
6/22
日本 5月工作機械受注確報
日本 ジェイリース 新規 東証マ上場
日本 東芝、かんぽ生命 各株主総会
日本 参議院選挙告示(7/10 投開票)
米 5月中古住宅販売件数
米 4月FHFA住宅価格指数
米 パウエルFRB理事、講演
米 イエレンFRB議長、下院証言
米 フェデックス 決算
米 国債入札 5年債(340億ドル)
6/23
日本 バーチャレクス 新規 東証マ上場
日本 シーズメン、オプトエレクトロニクス 各決算
日本 シャープ、三菱重工、日本郵政 各株主総会
日本 沖縄 慰霊の日
日本 クラブなど、ダンス営業規制緩和
米 5月コンファレンスボード景気先行指数
米 新規失業保険申請件数(~6/18までの週)
米 ダラス連銀総裁、講演
米 FRBストレステスト結果発表
米 国債入札 7年債(280億ドル)
独 6月製造業PMI速報値
英 EU残留・離脱を問う国民投票
EU 6月製造業PMI速報値
6/24
日本 日銀会合(6/15、16)主な意見
日本 瑞光、高島屋、パルコ 各決算
日本 三菱自動車、伊藤忠商事、三菱商事 各決算
日本 気象庁3カ月予報
米 5月製造業新規受注
米 トランプ氏、訪英
独 6月Ifo景況感指数
6/25
日本 株主総会 ベネッセ
6/26
西 スペイン総選挙
2.NY市場、為替/債券 各結果(6/17)
今日のNY外国為替市場は、欧州通貨が買い戻され、この所のドル買いの動きも
一服していた。きのうは英労働党の女性下院議員ジョー・コックス氏が男に襲撃
され死亡という事件が発生した。コックス氏は残留支持を訴えていた。
この影響で残留、離脱双方のキャンペーンが中断となっており、発表予定の世論
調査も1日延期されている。
また、IMFも英離脱の予期される影響についてのレポートの公表を延期する中、
全体的に英国民投票への警戒感が一服しており、週末ということもあって様子見
姿勢が強まっていたものと思われる。
ユーロドルは買い戻しが強まり、1.13台をうかがう動きも見られていたが、1.13が
上値抵抗となり上値の重さも意識された。
ポンドドルも1.43台半ばまで上昇。きょうの上げで3日続伸となっており、100日
線の水準まで回復してきている。ただ、来週のイベントを考慮すると、反発したと
してもポジション調整の戻りに留まりそうで、全ては国民投票の結果次第といった
ところだ。ポンド円も一時149円台後半まで上昇し、150円をうかがう動きも見せて
いた。
一方、ドル円は104円台前半での振幅に留まっている。東京時間には麻生財務相
発言もあり、一時104円台後半まで上昇する場面が見られた。財務相は「一方向に
偏った投機的な動きが継続することがないよう、為替市場の動向を緊張感を持って
見守っていく。これまで以上に必要な時にはしっかりと対応していきたい」と言及。
こうした対応はG7やG20の合意内容に沿うとの見解も示していた。
市場では、介入は難しいとの見方が根強い。ただ、万一、英国民がEU離脱を選択し、
金融市場が混乱した場合には、G7、G20声明で言及されている無秩序な動きに
該当し、介入も正当化されるものと思われる。米国も文句は言えないであろう。
ただし、円高が過度に進んでいるとはいえ、英国民投票の結果が判明するまでは、
介入は難しいのではとも思われる。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=317963
米国債利回り(NY時間16:55)
2年債 0.693(+0.007)
10年債 1.608(+0.029)
30年債 2.420(+0.023)
期待インフレ率 1.460(-0.002)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場で利回りは上昇。今日は英EU離脱への警戒感も一服しており、
債券市場への逃避の動きも一服している。きょうはブラード・セントルイス連銀総裁の
発言が伝わっており、年内1回の利上げが適切と、これまでの2回から1回に見方を
変更していた。
今週のFOMCメンバーによる金利見通し(ドット・チャート)で、年内1回の見通しが急増
していたが、総裁もその1人だったのかもしれない。この発言を受けて、利回りも上げ幅
を縮小する場面が見られたが、一時的な動きに留まった。
なお、利上げ期待が後退する中、期待インフレ率(ブレイク・イーブン・レート)は低下が
続いている。
政策金利に敏感な2年債利回りは0.69%、10年債は1.6%台を回復した。
2-10年債の利回り格差+92(前日+89)http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=317960
3.NY株式市場 結果(6/17)
NY株式17日
ダウ平均 17675.16 (-57.94 -0.33%)
S&P500 2071.22( -6.77 -0.33%)
ナスダック 4800.34(-44.58 -0.92%)
CME日経平均 15640 (大証比:+110 +0.71%)
今日のNY株式市場は反落。全体的に来週の英国民投票への警戒感は一服していた
ものの、ハイテク株やヘルスケア株が売りに押されており、指数も上値が重い。
ダウ平均は一時130ドル安まで下落、17600ドル付近迄 値を落とす場面が見られた。
その後、下げ渋ったものの、プラス圏は回復できずに終えている。
ダウ採用銘柄ではメルクが反落したほか、アップルが軟調。アップルは、中国北京市
知的財産当局が、アイフォーンが中国の端末メーカーのデザイン特許を侵害している
として、北京市での最新機種の販売を停止を命じたことが嫌気されている。
一方、キャタピラーやディズニーが上昇している。
ナスダックも続落。アップルのほか、アルファベットやアマゾンなど主力株が揃って
下落。アルファベットは、アナリストが検索マーケティング支出の伸びが4-6月に
やや減速した模様だと指摘したことが嫌気されている。
ウェアラブル・カメラのゴープロが大幅高。アナリストから、今年下半期の主力製品刷新
予定にもかかわらず、販売店からの需要が底堅いとの指摘が出ていた。同社のCFOも、
販売が底堅く推移しており、販売店からの再受注で在庫が予想以上に圧縮する可能性
を言及していた。
システム開発のシナプティクスが下落。約160人の人員削減を発表し、同時にCEO
基本給の20%削減を申し出ており、他の役員にも10%カットを求めている。事業所
整理統合も進めており、リストラ費用は1000万ドルから1100万ドルに上る見込みだ
としている。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=317958
4.NY市場、原油先物7月限/金先物8月限 各結果(6/17)
NY原油先物7月限(WTI)
1バレル=47.98(+1.77 +3.83%)
ブレント先物8 月限(ICE)(終値)
1バレル=49.17(+1.98 +4.20%)
ブレント-WTI(8月限)0.61
今日のNY原油先物相場は7日ぶりに大幅反発。きょうは英EU離脱への警戒感も
一服しており、為替市場はドル高が一服し、原油も買い戻しが強まっている。
7月限は前日、45ドル台まで下落する場面も見られていたが、きょうは48ドル台まで
一時買戻しが強まった。
なお、原油の米リグ稼働数は3週連続の増加となっている。米大手石油ガス開発の
ベーカー・ヒューズによると、米国内の原油の掘削装置(リグ)稼動数は先週から9基
増加し、337基であると発表した。3週連続での増加となっているが、原油価格が、
50ドル付近まで回復する中、生産を再開するリグが増えつつあるのかもしれない。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=317954
NY金先物8月限(COMEX)
1オンス=1294.80(-3.60 -0.28%)
今日のNY金先物相場は8日ぶりに反落。きょうは英EU離脱への警戒感も一服して
おり、リスク回避の金買いも一服している。8月限は1300ドル台からの戻り売り圧力
に押されているが、先高感は根強く、下値では押し目を拾う動きが見られている。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=317955