後1日余りで、2012年も過ぎようとしています。
今年も1年間、当ブログを訪問してくれたブロガー/読者に感謝します。
ここ2、3年 フラストレーションのたまる相場展開が多い中、11/M
衆院解散/総選挙、安倍コメント効果や新政権誕生で、希望の火が
灯った年末を、迎えることができましたネ!
返り咲き首相となった安倍首相。戦後では吉田茂首相以来、2人目です
が、経済再生/TPP、税と社会保障一体改革、原発稼動問題/エネルギー
政策、中・韓・露との領土問題 等 タフな問題ばかりで、どこまで実行し、
結果を残せるか、日本の将来の分水嶺に立っています。
今年最後の書き込みとして、物色、テーマで見る「安倍新内閣」と題して
日本証券新聞(12/12/28号)から記事をアップします。
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思えば、2006年の第1次安倍内閣発足の後も、翌9/27の日経平均は
△390円の急伸を演じ、そこからさらに翌年7月高値まで△14.5%と
なった経緯がある。
その後は、当時の安倍内閣に辞任ドミノが生じ、支持率急落とともに相場も
失速していくわけだが、今回の第2次安倍内閣の布陣に対して、市場の声は
総じて好意的のようだ。
第一生命経済研究所の藤代宏一副主任エコノミストは 「顔ぶれに特段の
サプライズはなかったが、注目は、やはり麻生財務大臣だろう。決められる
政治への転換と共に、公共投資拡大へ市場の期待感も強まっている。」
との事。
各社のレポートも、「マーケットの観点からは、財務・金融相に麻生氏が
就任したことは、心強く感じられる。」(大和證券)といった評価が多い。
「麻生氏は、積極財政論者として知られており、実際、麻生氏が編成した
2009年度第1次予算は、過去最大規模」(SMBC日興証券)だった。
財務相と金融担当相の兼務に関しては、「金融行政をゆがめる。」といった
批判もないではないが、金融業強化を公約に掲げて発足した内閣だけに、
まずは、お手並み拝見、といったところか。
ちなみに、麻生氏がらみでは、主要閣僚としての入閣が取りざたされてから
12/21までの2週間足らずで、麻生フォークリフト(1730・JQ)が4倍高
したことも、話題(111円→487円)。「担当者が不在。年内業務は、本日
午前中で終了」(会社側)ため、話は聞けなかったが、麻生家の家業とも
言える企業とされ、連想買いが及んだ様子だ。もっとも、アニメ好きで知られる
麻生氏の首相就任当時、折に触れて換われたブロッコリー、まんだらけ など
一連の関連株に、特に動意は見られず、人気の上滑り感は乏しい。
太平洋セメント(5233)が4年半ぶりに高値に急伸するなど公共投資関連の
一角がストレートに好感されている様子が伺われる。(前身の小野田セメントは
安倍首相の地元、山口県本社だったが・・・。)
さて、勿論、新内閣の「見所」は麻生財務相だけではない。
「実務レベルの重厚な顔ぶれを要所要所に記している。これから肉付け作業
の進む『成長戦略』の推進には、利害関係者との調整が不可欠。 その辺が
民主党には不足し、自民党に期待されている部分だが、例えば、甘利経済
財政相などは、打ってつけの存在だろう。(ちばぎんアセット奥村 調査部長)
もちろん、閣内には、根本復興相、山本沖縄・北方相、下村文科相をはじめ
”お友達”とされる閣僚も少なくないが、「むしろ論議がスムーズに進む利点も
ある。大型予算編成を控えた1月中旬くらいまで、市場の期待感が続くのでは
ないか。(前出 奥村氏)と肯定的な見方だ。
甘利氏については、マクロ経済政策での司令塔である経済財政政策担当相に
加え、ミクロ面の司令塔である新設の経済再生担当相を兼務したことで、
重要性が増した。
「商工族」とされる同氏は、もともと消費者金融のグレーゾーン金利廃止に
反対していた。今後、貸金業法改正につながれば、ノンバンクへの追い風。
そうして見れば、直近7営業日で株価倍増を果たしたオリコ(8585)などの
人気ぶりと符丁が合う。
また、甘利氏は、原発再稼動論者として知られるが、26日には茂木経済
産業相も、民主党の決めた「2030年原発ゼロ」目標に、「再検討が必要」と
述べており、原発推進方向に、かじが切られつつある。
公共投資を直接所管する国土交通相は、公明党の太田前代表。 同党は
「減災・防災ニューディール構想」を提唱しており、自民党の「国土強靭化」と
相性がいい。
補正予算編成でも焦点の高速道路補修や各種構造物の耐震補強の推進で
連携をとり易い。
いずれにせよ、財政出動が当面最大のポイントとなる。まずは1/11発表
予定の「緊急経済対策」の内容が注目されてきそうだ。
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ちなみに、今年の日経平均採用銘柄で上昇率トップは、富士重(7270)で
約130%上昇。逆に下落率トップは、シャープ(6753)約51%下落。
巳年にどんな銘柄が動意づくのか、新聞・雑誌に買い銘柄名が載るようでは
買い出動するのに、遅いような気がします。
国策に乗ったテーマ性のある業種選択が、妙味あるかもしれません。
とにかく、期待を現実化する経済再生する年になれば、と思います。
それでは、また来年!! 良い年を!!