7/24~週の日経平均は、米FOMCの結果を受け、NY市場がドル安/株高と
なったものの、為替の円高や稲田防衛相の辞任等、安倍政権の求心力低下も、
相場の重石となった。日経平均は、節目の2万円を割り込んで終了した。
結局、日経平均は、週間で139円(↓0.70%)下落し19959円の大引けでした。
さて、8月第1週(7/31~8/4)主なイベントと予定は、下記1.の通りです。
明日からのポイントは、地政学リスク、米雇用統計(含む前哨戦のADP雇用統計)、
アップルとトヨタを始めとする各決算。
NY株式市場は、上昇一服後に高値更新している中、業績好調な企業が散見さ
れる日経平均は、依然として米国と乖離。割安な日本株の出遅れ感は強い。
国内の主要企業の決算発表も多く予定されており、期待されるところです。
米雇用統計が堅調な着地が予想される以上、業績相場に移行する事が想定され、
改善期待が膨らむと、割安感ある銘柄、個別物色中心の展開から、為替の円高
耐性も出て、節目の2万円台を回復して、リバウンドの8月相場を想定したい。
日経平均、8月第1週(7/31~8/4)レンジは19850円~20200円程度を
想定しています。
1.8月第1週(7/31~8/4)主なイベントと予定
7/31
日本 6月鉱工業生産指数
日本 村田製作所、三井住友FG他メガバンク 各決算
米 6月中古住宅販売成約指数
米 シカゴ購買部協会景気指数
米 国債償還 2年債(260億ドル)
米 国債償還 5年債(350億ドル)
米 国債償還 7年債(299億ドル)
中国 7月製造業PMI
8/1
日本 新車販売台数
日本 ホンダ、ヤマハ、ソニー、JFEHD 各決算
米 7月自動車販売
米 6月個人所得支出
米 7月ISM製造業景況指数
米 アップル、ファイザー、スプリント 各決算
中国 7月財新製造業PMI
豪 中銀政策金利
EU 第2四半期ユーロ圏GDP速報値
8/2
日本 7月消費者態度指数
日本 JT、小野薬品工業 各決算
米 7月ADP雇用者数
米 メットライフ、プルデンシャル、ヒューマナ 各決算
米 クリーブランド連銀総裁、講演
米 サンフランシスコ連銀総裁、講演
独 コメルツ銀行 決算
仏 ソシエテ・ジェネラル 決算
伊 ウニクレディト 決算
蘭 INGグループ 決算
EU 7月ユーロ圏生産者物価指数
8/3
日本 SUBARU、アサヒGHD、キリンHD 各決算
米 6月製造業新規受注
米 7月ISM非製造業景況指数
米 新規失業保険申請件数(7/29迄の週)
米 AIG、シマンテック、バイアコム、ヤム・ブランズ 各決算
中国 7月財新サービス業PMI
豪 6月貿易収支
英 中銀政策金利
英 中銀四半期インフレ報告
仏 アクサ、クレディ・アグリコル 各決算
EU ECB経済報告
8/4
日本 トヨタ他 各決算
米 7月雇用統計
豪 6月小売売上高
独 独製造業受注
独 アリアンツ 決算
2.NY市場、為替/債券 各結果(7/28)
今日のNY為替市場はこの日の米経済指標を受けてドル売りが強まっている。
朝方発表になった第2四半期のGDP速報値は前期比・年率換算で2.6%と
予想(2.7%)よりも若干低めだった。第1四半期も下方修正されている。ただ、
個人消費は2.8%増と前回から改善。
生産や消費も然ることながら市場が注目したのはインフレ系の数字だったの
かもしれない。FRBが好んで参照するPCEデフレータは前期比+0.3%、食品・
エネルギーを除いたコア指数では+0.9%となった。予想ほどではなかったもの
の第1四半期の2%付近から比べれば、インフレの鈍化傾向が鮮明に出ている。
また、同時刻に米労働省から第2四半期の雇用コスト指数が発表になっていたが、
こちらも賃金の伸びが緩いことが示されていた。生産や消費は底堅いもののイン
フレが鈍化傾向を示す中、FRBは利上げを急ぐ必要はないとの見方を裏付ける
内容ではある。
現在、9月FOMCでの利上げ期待は完全に後退しているが、12月の利上げ期待
はまだ半々の確率で見ている。商品市場で原油相場が買い戻されている中、今後
インフレ鈍化傾向が落ち着くか注目される。
為替市場はドル売りで反応しドル円も一時110.55近辺まで下落した。110円台に
入ると押し目買いも出るものの、111円台が次第に重くなっている雰囲気も見られる。
今週の安値110.50水準が下値サポートとして意識されるが、この水準を割り込む様
であれば心理的節目の110円割れも警戒される。
ユーロドルは堅調な動き。今週のユーロドルはFOMC声明を受けて1.1775近辺迄
上昇していたが、その後は利益確定売りが強まり、1.16台半ばまで急速に下落して
いた。しかし、きょうの上昇でFOMC後の戻り高値を試しそうな気配も出ている。
ただ、上値警戒感も強まるなか、1.18にかけての売り圧力は相当程度強そうだ。
きょうはドイツの7月の消費者物価(HICP)の速報値も発表になっていた。前年
比で1.5%と予想を上回る内容ではあったものの、前回と伸びに変化はなかった。
一部からは今回のドイツのHICPの結果を受けて、来週発表になるユーロ圏の7月
消費者物価速報値もコンセンサスとなっている前回と変わらずの前年比1.3%が
見込まれるという。インフレ上昇は緩やかであるというECBの見方を裏付ける内容
になるとの指摘も聞かれる。 http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=382918
米国債利回り
2年債 1.347(-0.016)
10年債 2.289(-0.021)
30年債 2.895(-0.024)
期待インフレ率 1.823(+0.001)
※期待インフレ率は10年債で算出
今日のNY債券市場で利回りは低下。この日発表になったGDP速報値や雇用コスト
指数が第2四半期のインフレ鈍化傾向を鮮明にしたことから、市場は年内の利上げ
期待を後退させている。
10年債利回りは2.28%まで低下し、30年債も一時2.89%台まで低下した。
2-10年債の利回り格差は94(前日96)に縮小。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=382917
3.NY株式市場 結果(7/28)
NY株式28日
ダウ平均 21830.31(+33.76 +0.15%)
S&P500 2472.10(-3.32 -0.13%)
ナスダック 6374.68(-7.51 -0.12%)
CME日経平均 19975 (大証終比:+25 +0.13%)
今日のNY株式市場でダウ平均は小幅続伸し最高値更新。前日引け後に発表に
なったアマゾンの決算が予想を下回ったことでIT・ハイテク株に売りが先行しダウ
平均も下げて始まった。ただ、売りが一巡すると買い戻しも入りプラス圏に浮上して
いる。
アマゾンは1株利益が予想の約3分の1以下だったが、これに関しては見解も
分かれている。これまで積極的な投資から赤字決算を続けていたが、市場は
アマゾンの成長を買ってきた。今回も小売り大手の買収や技術革新など現在も
なお積極的な投資姿勢に変化はないことが示されている。企業がなお高成長に
向けて活発に動いている証拠
との見方もあるようだ。さすがにきょうの株価は下落しているものの、決算の内容
の割にはしっかりとしているようだ。
朝方、第2四半期のGDP速報値が発表になっていたが、第1四半期からは伸びが
拡大したものの予想は下回った。インフレ鈍化の傾向も示されている。ポジティブ
な見方は少なく、ドル安のほか米国債利回りも下げたことから銀行株が軟調な
動きをしており相場を圧迫した。
ダウ採用銘柄ではエクソンモービルやGE、デュポンが下落。マクドナルドやIBM
も軟調。一方、決算を受けてインテルが上昇した他、シェブロン、アメックスも堅調。
ナスダックは小幅安。決算を受けてアマゾンが下落したほか、アップルが軟調。一方、
フェイスブック、エヌビディア、ネットフリックスが上昇している。下げが続いてい
たアルファベットも反発した。
インテルは前日引け後に決算を発表し、売上高、1株利益とも予想を上回った。
通期見通しも上方修正している。PC市場は縮小傾向にあるものの、販売価格
引き上げが奏功しPC用プロセッサー部門の売上高は12%増加。データセンター
部門も好調。スターバックスが大幅安。前日引け後に4-6月期の決算を発表
しており、中国や北米が冴えず既存店売上高が予想を下回った。
業績が振るわない紅茶専門店「ティバーナ」の379店舗全店の閉店計画も発表。
たばこ株の下げが目立った。アルトリアは商いトップ。FDAがたばこのニコチン含
有量を非依存症の水準まで低下させることを目指すと発表したことが嫌気されて
いる。FDAはたばこの新規制導入を検討しており、2021年8月に導入したい構え。
ただ、一部のアナリストからは今回のFDAの発表はポジティブとの見解も出ている。
電子たばこの販売量の増加や、より好ましい税制が導入され、この先の成長を促す
可能性あるとしてる。反面、電子たばこの販売には逆風との見方も出ているようだ。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=382913
4.NY市場 原油先物9月限/金先物12月限 各結果(7/28)
NY原油先物9月限(WTI)
1バレル=49.71(+0.67 +1.37%)
ブレント先物9月限(ICE) 52.52(+1.03 +2.00%)
NY原油の期近は続伸。時間外取引では買い先行となるも前日の終値近辺で強含む
程度で方向性を欠いた。米第2四半期の国内総生産(GDP)速報値が事前予想
より弱気の数字となり、ドル安が進行するとジリ高となり、前日27日の高値を上
抜く上昇となった。その後も需給改善期待から緩やかに上げ幅を拡大し、期近9月
限は49.81ドルまで上昇し、50ドルの大台に接近した。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=382925
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1275.3(+8.8 +0.69%)
NY金は続伸。
金8月限は、米第2四半期の国内総生産(GDP)速報値が事前予想を下回り、ドル
安が進んだこと、中盤に北朝鮮がミサイル発射との報道があり、地政学的リスクの
高まりから一段高となり、1270ドルの節目を試した。終盤も堅調に推移し、この
日の高値圏で引けた。
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=382924
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