7/25~週は、債務不安の焦点が欧州から米国に向けられた1週間と
なりました。米債務交渉が暫定的に決まると思いきや、予想以上に難航。
週末、米下院で可決された債務引上げ法案も、上院は、下院法案を審議
不能にする手続きを可決し、実質的にこれを否決しました。
日増しに、米国債格下げへの不安感が強まった格好で、リスク回避から
NY株式市場は、下落に見舞われました。
さらに、週央からは欧州ソブリンリスクが再び意識される展開でした。
イタリア国債入札での調達コスト上昇やムーディーズによるスペイン国債
格下げ方向への見直しなども議論されています。
そんな外部環境の中、日経平均は、週前半の1万円の大台の維持も、円買い
の流れが 加わり、週末にかけて1万円割れの展開となりました。
結局、日経平均は、1週間で299円下落(↓2.95%)の9833円の
大引けでした。
8月第1週(8/1~8/5)の主なイベントと予定は、下記1.の通り。
米債務問題は、8/2に合意期限を迎えますが、予断を許さない状況だが、
米のことだから、ある妥協点で着地するような気がします。
となれば、合意ができれば不安要因解消で、リスク資産への投資の戻りと
ドルの買い戻しにつながります。
国内では、週末に日銀金融政策決定会合がありますが、仕事をしない
日銀が、さらなる追加金融緩和に踏み込むか、注目です。
国内企業業績の開示は、続きますが、思った程悪くない状況から、下値は
限定的も、ここ最近の円高が重荷になりそうな状況です。
8月第1週(8/1~8/5)の日経平均レンジは、9700円~10000円
程度を想定しています。
1.8月第1週(8/1~8/5)主なイベントと予定
(7/31)
米 国債償還
2年債(430億ドル)
5年債(163億ドル)
8/1
日本 7月新車販売台数
日本 東エレ、ホンダ、伊藤忠、デンソー 各決算
日本 FX取引の証拠金倍率上限、50倍→25倍へ。
米 7月ISM製造業景気指数
韓 7月国消費者物価指数
中 7月PMI製造業
EU 6月ユーロ圏失業率
世 一部のイスラム諸国でラマダン(断食月)入り(~8/29)
8/2
日本 トヨタ、ルネサス、イビデン、住友商、日ハム 各決算
米 6月PCEコア・デフレータ
米 6月個人所得・支出
米 債務上限引き上げ問題で財務省が設定した議会と政府の合意期限
米 ファイザー、コーチ 決算
豪 中銀政策金利発表
仏 BNPパリバ
8/3
日本 スズキ、キッコーマン、国際帝石、洋ゴム 各決算
米 7月ADP雇用者数
米 6月製造業新規受注
米 7月ISM非製造業景気指数
米 コムキャスト、タイムワーナー、プルデンシャルF
中 7月非製造業PMI
豪 6月貿易収支
豪 6月小売売上高
仏 ソシエテ・ジェネラル
EU 6月ユーロ圏小売売上高
8/4
日本 三井化学、リコー、海洋掘削、OLC 各決算
日本 日銀金融政策決定会合
米 ゼネラルモーターズ決算
NZ 第2四半期失業率
英 中銀政策金利発表
仏 アクサ
蘭 INGグループ
独 ミュンヘン再保険
EU ECB政策金利発表
EU トリシェECB総裁記者会見
8/5
日本 日銀政策金利発表
日本 白川日銀総裁・定例記者会見
日本 6月景気動向指数
日本 NTT、キリン、ハウス、オリンパス、三菱重工 決算
米 7月雇用統計
加 7月カナダ雇用統計
英 7月生産者物価指数
独 アリアンツ
2.NY市場、為替/債券 各結果(7/29)
29日のNY市場はドル売りが強まった。米債務問題が一向に合意に到達
しない中、この日発表になった米GDPが予想を下回る弱い内容となった事で
先行きに対する懸念が増幅されている。
米国債市場で10年債利回りが2.8%を割り込み年初来の低水準を更新、
NY株式市場も軟調に推移する中、ドル円は見切り売りが加速し76円台に下落。
他のクロス円は欧州通貨や豪ドルが買い戻されていたことで、序盤は堅調な
動きだったが、ドル円に連れ安して後半に失速している。
4-6月期のGDPの弱さはある程度予想されていたものの、米債務問題が混迷を
極める中、より過敏に反応した面もありそうだ。あまり注目となっていなか
ったが、ロックハート・アトランタ連銀総裁とブラード・セントルイス連銀
総裁の発言が頻繁に伝わっていた。景気減速は一時的で、下期は強い回復を
示すとの見解を共に示している。
特にこれまでハト派色が強かったロックハート・アトランタ連銀総裁も、現
時点では両方の可能性があるものの、正常化のほうがより可能性が高いと、
追加緩和には否定的な見解を示していた。もっとも、両者とも債務問題による
景気へのリスクは指摘していた。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=117984
米国債利回り
2年債 0.355(-0.063)
10年債 2.791(-0.155)
30年債 4.122(-0.134)
期待インフレ率 2.438(-0.013)
*期待インフレ率は10年債で算出
29日のNY債券市場、米国債は買われ利回りは低下している。この日発表に
なった米GDPが以上に弱い内容となったことが圧迫。
米債務問題は依然として不透明な状態ではあるが、米国債は買われる動き。
いずれにしても何らかの合意が成立するとの楽観的な見方もあり、また、
格下げになったとしても、米国債に代わる債券も無く、手放す動きは限定的に
なるとの楽観的な見方もあるようだ。それ以上に今回の債務問題の混迷による
景気への影響が心配されている。
10年債は2.8%を割り込み、年初来の最低水準を更新している。
2-10年債の利回り格差は+243(前日+256)とブルフラット化が一気に進行。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=117982
3.NY株式市場 結果(7/29)
NY株式29日
ダウ平均 12143.24(-96.87 -0.79%)
S&P500 1292.28( -8.39 -0.65%)
ナスダック 2756.38( -9.87 -0.36%)
CME日経平均 9830 (大証比:0 0.00%)
出来高(億株)
NYSE 12.04
ナスダック 23.26
29日のNY株式市場、ダウ平均は6日続落。米債務問題が難航する中、この日
発表になった米GDPが予想を下回る弱い内容となったことが嫌気されている。
ダウ平均は寄り付き後まもなく156ドル安まで下落する場面も見られた。
ただ、景気減速については一時的との見方もあり、その後は買戻しも見られて
いたが、債務問題への不透明感の強まりから、週末リスクからポジションを
手仕舞う動きも見られ、結局、ダウ平均は6日続落している。
ダウ採用銘柄は28銘柄が下落。HPやメルク、エクソンモービルが下落した。
メルクは人員削減の発表が嫌気されている。
ナスダックは反落。不透明感が強まる中、ハイテク株も利食いに押されている。
マイクロソフトやインテルが下落し、グーグルやアマゾンも売りが優勢。
決算を発表したスターバックスは小幅高。
個別に旅行サービスのエクスペディアが商いを伴って上昇。決算を好感。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=117981
4.NY市場、原油先物9月限、金先物12月限 各結果(7/29)
NY原油先物9月限(WTI)
1バレル=95.70(-1.74 -1.79%)
29日のNY原油先物相場は大幅反落。米債務問題が難航する中、この日発表
になった米GDPが予想を下回る弱い内容となったことが嫌気されている。
9月限は一時95ドルを割り込む場面も見られた。
ブルムバーグの調査によると、OPECの7月の産油量は日量24.5万バレル上昇し
2956万バレルに達した。これは2008年12月以来の高水準。サウジアラビアや
アンゴラの増産が影響。 http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=117972
NY金先物12月限(COMEX)
1オンス=1631.20(+15.00 +0.93%)
29日のNY金先物相場は反発。米債務問題が難航する中、この日発表に
なった米GDPが予想を下回る弱い内容となったことから、安全資産への逃避
買い需要が高まった。12月限は一時1637ドルまで上昇し史上最高値を更新。
http://www.gci-klug.jp/fxnews/detail.php?id=117975
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