小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

岡本太郎「明日の神話」

2006-07-14 | Weblog
先日、東京汐留で開催されている岡本太郎の大壁画「明日の神話」を観にいってきました。この作品は今から37年前、メキシコ人の実業家からホテルのシンボルとなるべき作品を依頼された岡本太郎が、現地で制作を始め、原爆の炸裂する瞬間を大壁画に描いたものでした。が、完成はしたもののホテルは資金繰りに行き詰まり、作品も日の目を見ずに取り外され行方がわからなくなっていたものを、岡本太郎のパートナーであった岡本敏子さんが、メキシコで野ざらしになってすっかり亀裂の入った幻の壁画を探し出し、今回すっかり修復されたものが展示される運びとなりました。
私は以前にさいたまの丸木美術館で丸木位理・俊夫妻の「原爆の図」という、やはり14部からなる大きな絵画を見たことがあるのですが、これは原子爆弾が広島に投下された直後の900人あまりの被爆者を忠実に描き出したものでした。今回の岡本太郎の原爆投下の瞬間を描いた壁画からは、不思議なまでに人間の強さが岡本太郎のエネルギッシュな筆で訴えかけてきます。不思議な大きな力を与えてくれるような作品でした。毎年夏になると繰り返される平和への祈りですが、この夏はこの壁画から平和へのメッセージを受けることのできた貴重な一日でした。
コメント (1)
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