大学1年生の遠足で今年も「明治村」に行った。
今日は陽気もよかったせいか、例年より人出が多かった。
今の大学で遠足は当たり前だし、
その内容(見学した建物や”300円”など)も、毎年の記事と同じなので、もう記さない。
新入生が同級生や教員に馴染んでくれればいい。
個人的には、明治建築に特化した明治村よりも、世界の住居があつまる(同じ名鉄が経営する)「リトル・ワールド」の方が好きだが、
明治村1番の建物といえるフランク・ロイドライト設計の帝国ホテルロビーは、
見るたびにその意匠(デザイン)の効果に感心させられる。
明治期に日本に入ってきた煉瓦造りの建物は、地震国日本では人的被害を高めることがわかったので、
その後は衰退したのだが(現存しているものは耐震補強されている)、
大正12年8月、東京日比谷に完成したこの”煉瓦”造りは、
完成の翌月に発生した関東大地震(大震災)に見事に耐えた。
なぜ耐えたのかは、建物の中を見ればわかる。
柱を多用し、天井を低くすることで、内部で支え、上からの崩落を避ける構造になっている。
そして、内部空間が狭くなった分、それを逆用して、フロアを多様な空間に分割した。
そのような空間の細分化は、狭い空間を有効利用する日本人の嗜好に合っている。
彼の意匠をまねるわけではないが、私の研究室も、不必要に明るい照明を使わず、
間延びした1つの空間を複数空間に分割しようと思っている。