今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

多摩(府中、日野)のミュージアムはしご:連休3日目

2019年04月29日 | 東京周辺

連休中に出かける先は、期限が限られているものを優先している。
昨日の茅ヶ崎も「年に一度」なので最優先したつもりだった… 
あと山にも行きたいのだが、山は期限がないし、どうせならいい天気の時に行きたいので、優先順位はさがる。

連休3日目の今日は、曇天の予報なので、山ではなく期限が限られているミュージアムの”企画展”にし、
かといって雨ではないので近場ではなく、東京の西部・多摩に足を延ばす。

まずは府中市美術館
京王線の東府中で降りて、まっすぐ北に伸びる道を進み、緑豊かな広い公園を抜けて(調布や府中にはこういう所があってうらやましい)北西の隅の建物に入る。
今回の企画展は、「へそまがり日本美術」というもので、へたくそに見える作品ばかりを集めたもの。
こういうへそまがりの企画が面白い。

日本でのこの手の絵のルーツは、自由闊達な禅画(室町期〜)であるらしく、
その代表格といえる仙崖義梵・白隠慧鶴などの絵も複数展示されているが、
個人的には禅画ではないが長沢蘆雪(応挙門下)の「なめくじ図」(なめくじが這った痕を絵にしている)が面白かった。

また近代になると、西洋のヘタウマ絵の元祖アンリ・ルソーの影響が加わってくる。
ちなみに、ルソーの「フリマンス・ビッシュの肖像」(硬いポーズの漫画のキャラを無理に油絵にした感じ)を観ていた時に、胸に下げていたバケタンが青く光った。
守り神が通り過ぎたようだ。

この企画展の目玉は、徳川家光の「兎図」で(右図、府中市美術館サイトより)、
ミュージアムショップではこの絵が布バッグや絵葉書になっている(絵葉書を購入)。
家光は狩野探幽に師事したので、その成果といっていいのか。
いずれにせよ、自分の趣味で描いた素人くさい絵が、四百年後に美術館で展示され絵葉書になっているとは、まさか三代将軍家光様も思っていなかったろう。

その他に文豪・夏目漱石の絵や、ヘタウマ漫画の湯村輝彦や今を時めく蛭子能収の漫画も展示されていた。

これらの珍しい絵は、その性格上個人蔵が多いこともあり、こうして人の目に触れることはとても貴重。
といっても美的感動には至らなかったこともあり、カタログまで買う気にはなれない。
そもそも美術展のカタログって、買っても一度読めば二度は見ないので結局本棚の肥しになってしまう。
この企画展、一度入館すると、期間中(-5/12)二度目は半額で入れる(半券を持参)。

以上を80分ほどかけて鑑賞し、美術館前からコミュニティバスで府中駅に向い、駅前で「元禄そば」を食べる。
昨日は天ぷらそばだったので、今日は糖質ではなくタンパク質と摂ろうとあえて月見そばを注文したが、
どんぶりに生卵を落としただけだと、つゆを全部飲まないと卵を回収できないのは、塩分を控えたい身にはつらい。
ここはひとつ、生卵ではなく温泉卵にしてほしい。

府中駅のポスターによれば、府中市の鎮守・大国魂神社の「くらやみ祭」が5月の連休中(3-6)に開催されるという。
GWは祭りの集中日でもあるんだな。

さて、次なる目的地を目指して再び京王線に乗って高幡不動に向う。
高幡不動からバスに乗る予定なのだが、その前に、高幡不動にお礼のお参りをする。
今年の1月に姪の大手術の成功を願うため、ここの不動様に生まれて初めて護摩木なるものを奉納したのだ。
手術は無事成功し、驚異的な回復までしたので、ついでで申し訳ないがお礼に参上しなくては。
不動堂にお参りをして、次の目的地関連で境内の土方歳三像にも立ち寄る。

駅前に戻って、日野駅行きのバスに乗り、途中で降りて、日野市立新選組のふるさと歴史館に行く。
日野市にはこの館のほか、土方歳三資料館、井上源三郎資料館、佐藤彦五郎新選組資料館、日野宿本陣(天然理心流道場)など、
新選組とその周辺の関連施設が林立し(佐藤彦五郎は新選組隊士ではないが、ネットワークの中心的存在)、
今や日野市は”新選組の地元”というアイデンティティを確立している。
実際、昔と違って、新選組の顔は隊長の近藤勇(調布出身)から日野出身の副長土方歳三に移った感がある。

このふるさと歴史館での特別展が「土方歳三」なのだ(-6/30)。
なぜなら、今年が彼の没後150年だから、それを記念して。
実は何を隠そう、私も土方の大ファンで、彼の史跡を訪れるサイトを持っているくらい。☞「山根一郎 旅と山の世界」へ
なので、たいていのことは既知だが、ファンなので企画展には足を運ぶし、カタログも躊躇なく購入する。

歳三忌にあたる連休明けの週末(11,12)は、日野市をあげての「新選組まつり」で、
150年忌の今年はかなり盛大な内容なのだが、私は残念なことに帰京できない。 
そういうこともあって、本日訪れたのだ。